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travelnotes : domestic
しまなみ海道自転車縦断(leg.海峡)
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2011年8月22日

5時半に起きて朝風呂。フロントで『オートダホン』を受け取って、“BicycleMode”にチェンジして、6時にホテルを出発。でも、真っ直ぐ橋には向かわない。今回の縦断行ではスタートとゴールは決めていた。まずは、スタートの今治桟橋へ。

かつては瀬戸内海の夜行フェリーが発着し、本州方面の船も多く出ていた今治桟橋は、正直言って“枯れきって”いた。ぼくはかつて、この桟橋にあったJR四国の窓口で三原からの乗車券と特急券を買ったことがある。もちろん、いまは窓口はない。売店もなくなっていた。ぼくが訪れた前日の8/21に今治~大長の航路が廃止になったそうだ。もちろん、それでも橋が架かってない島々との交通需要はある。岩城や弓削を経由して土生まで行く高速艇が出航していった。

6時20分に桟橋を出て漕ぎ始める。途中のサークルKでサイクリングクーポン====ThisIsTheErrorMessege====と朝飯を購入して、さあ上り坂。でも、『オートダホン』のギアは結構軽めの設定なので平地でスピードは出ないが、上りには強い。そんなに困難もなく糸山ターミナルに着いた。せっかく今治に来たのだからとタオルを購入====ThisIsTheErrorMessege====し、買ってきた朝飯のカロリーメイトを半箱食べる。
7時20分、アタック開始。でも、アプローチルートは自転車用にかなり緩く作ってあって、5分も漕いだらもう橋の袂に着いてしまった。これなら確かに初心者でも気軽に挑戦出来そうだ。橋の真ん中あたりに馬島に降りる分岐点と料金所があった。料金所は有人。クーポンから200円分をちぎって料金箱に入れる。
大島に渡るとそこは下田水港====ThisIsTheErrorMessege====だった。今治へのカーフェリーは廃止になってたのは寂しいが、高速艇が1時間おきにあるのは理解できる。四国連絡バスは下田水に降りて来ない====ThisIsTheErrorMessege====し、だったら下田水港にクルマを停めて高速艇で今治に出るというルートだって需要はあるはず。ぼくは今治からの船が着くところを見て、北に向かって『オートダホン』を漕ぎ出した。
途中、吉海という集落でどうしても確認したいことがあった。かつて、20年近く前に因島から今治まで橋を使わずにバスと船を乗り継いだ旅をした時に、この集落のどこかでバスが狭いアーケードをくぐるところがあって噴火するくらいに驚いたのだ。それ以来の大島、そのポイントは確認しておきたかったのだけど、吉海の集落に入ってしばらく走ってて発見した。それはアーケードではなくて醤油・味噌の蔵元で、道の両側に倉庫と工場?があり、その両者を結ぶ屋根が道路にかかっていて、バスはそこを通過していたのだった。なぁる。

もう20分近くで下田水行のバスがやって来るので待つことにしたのだけど、やってきたのはマイクロバス。でも、マイクロでもこの異様な光景。普通の大型路線バス車両も同じようにくぐるわけで、やっぱハンパないわ。
思い出の場所も確認したので、先へ。まだゴールは遠いので、上り坂では無理せずにゆっくり走る。再び橋を渡って伯方島へ。塩で有名な島、道の駅にも“塩ソフトクリーム”があったけど、ぼくは回避。コンビニで牛乳を買って残りのカロリーメイト半箱を食べた。外国人4人組の自転車兄ちゃんが休憩中で、歌を歌ったりと陽気でいい感じ。

再び橋を渡って大三島。さて、ここで悩む。大三島といえば大山祇神社====ThisIsTheErrorMessege====なのだが、ここは島の西側にあって“しまなみ”自転車ルートからは離れている。しかも途中に峠越え。行程的には今治~尾道の半分くらいなんだけど、ちょっと脚に疲れが来始めていて、どれくらい時間かかるかわからないし、神社参拝は見送るか…と思い始めていた。すると、そこに愛媛県警のパトカーが。ちょうどいい、尋ねてみよう。と、ちょっと休憩してから駐車場に停まっているパトカーに近づいたら、交通取締りでどなたかの青キップを切っている最中でしたとさ(苦笑)。お仕事が終わってから訊いてみると「自転車だと30分」とのこと。時間的にも、神社往復して昼飯でちょうどいいな。と、意を決して参拝を決意。

何とか峠を越えて、大山祇神社。30分近くかかったね。平日の昼間にしては、参拝客がいた方かな。“ヘルメットの神様”だそう====ThisIsTheErrorMessege====だけど、自転車用のメットは持ってないし、単車用のそれに貼りたくなる守り札が見当たらずで、結局は携帯ストラップの勾玉を2つ授かることに。これまではずっと曇り空だったのだけど、日が出てきたので日焼け止めクリームを塗る。境内入口の鳥居の前ではテレビのロケ中。サイクル兄ちゃんが2名。旅番組かな。もしかしたら少しだけ映ったかもしれん(笑)。
再び峠を越えて東側に戻った。東向きは20分で済んだ。橋の近くの道の駅で昼飯にしよう。大三島はヒラメが有名だそうで、紫蘇巻きフライ定食をいただく。でも、もう少し奮発して“多々羅御膳”にした方がよかったかもしれん(苦笑)。40分ほど休憩して、橋を越える。生口島。ついに広島県だ。

生口島といえば耕三寺。でも、日差しがキツくなってきて、どんどん旅行者としての余裕が消耗していく。耕三寺はその入口のド派手なデザインと、同じくド派手な博物館の入場料金====ThisIsTheErrorMessege====に腰が引けてしまって、門前ですごすご。東に向かうことにした。
この生口島を走っている時が一番キツかった。ずっと海沿いの道で勾配なんてほとんどないのに、10分走っては道端にヘタり込んで5分休憩の繰り返し。なさけない、自分では最近結構鍛えてたと思ってたんだけど、こんなに持久力がないとは思わなかった。
それでも、なんとか生口島を抜けて、橋を越えて因島。ここに来ると疲れは残っているもののさっきまでの心のヘコみはなくなっていた。「あと橋1つだ」というのもあったかもしれないし、島めぐりをしていた頃に何度も因島は訪れているからかもしれない。ひたすら早く尾道に着きたい一心、だから写真もほとんど撮らずに漕ぎ続けた。因島大橋、最後の橋は道路の真下に自転車道がある。大型車が上を通ると結構揺れて、こわいぞ。渡って、向島。津部田まわりで北側に抜け、映画でおなじみ福本渡船の乗り場方面へ……。ああ、やってたやってた。

喫茶店『檸檬の樹』。奥様はぼくの名前は忘れてたけど顔は憶えてくれていた。後からやって来たご主人も同様。10年ぶりくらいの訪問だと思うけど、嬉しいね。「橋が架かって街も盛り上がるかと思ったけど、通過して行くだけだった」と、奥様。うーむ、しょうがないかな。ちょっと昔話とかもしてしまった。この店にいるのは、サッカーにハマる前の吉田鋳造。たまには、こんな自分に戻ってみるのも悪くない。

福本渡船====ThisIsTheErrorMessege====に乗って、ようやく本州へ。この航路に自分の自転車を載せるというのも、重要なテーマだった。夏休み期間中だからだろうか、夕方だけど高校生の姿も多くなく。自転車込みで70円。変わんないね。
ぽつぽつと雨が降ってきた中を東に走って、ぼくのゴールは浄土寺。ここしかない。====ThisIsTheErrorMessege====今治を出発して10時間だ。寄り道とかも考えたら、こんなモンでしょう。もう夕方の5時近くなんで、境内には親子連れしかいなかった。いつものように御仏籤を引く。内容はパッとしなかったけど、納めずに持ち帰ることにした。
アーケード街にはまだ商店が多く並んでいて旧市街の活気を維持していた。尾道ラーメンといえば『朱華園』が有名だけど、ネットで知った『みやち』というラーメン屋へ。店内に飾られたカメの親子がラーメンを啜る絵が好ましい。“天ぷら中華”を愉しみにしていたのだけど、天ぷらが売り切れだそうだ。残念。ということで、暑かったけど“カレー中華”をいただくことにした。ホントに小さな店だったけど、地元の高校生も観光客のお姉さんもやって来てた。

尾道駅で『オートダホン』を“MobileMode”に戻す。お疲れ様でしたね。職場とかに土産を買って、尾道→福山→京都→米原→大垣→西岐阜と乗り継いで帰ってきた。西岐阜から自宅までは徒歩15分くらいだけど、さすがに『オートダホン』を担いで歩く根性は残ってなかった(笑)。


しまなみ海道サイクリングのサイトによれば、今治糸山~尾道港は約70km。それに桟橋~糸山、大山祇神社往復、尾道港~浄土寺を足して90kmくらいを食事・参拝時間を除くと8時間で走った。大山祇神社への寄り道も含めて完遂したわけでから達成感・充実感は相当なモノだ。

でも、通しでやってみてわかったこと、もし次に同じコースや同じようなことに挑戦するなら、気を付けたいこともいくつかわかった。

疲れる。

当たり前だ(笑)。でも、これがプランニングで実に重要なテーゼ。これまで、淡路島や鏡石でやってきた『オートダホン』サイクリングはいずれも片道8キロ見当、上り坂が多くても30~40分程度漕げばゴールに着いた。表定速度12~16km。だからといって、このペースで90kmを漕ぎ続けられるわけではない。考えてみれば、淡路島や鏡石では片道8キロの走行後に2時間のサッカー観戦で体力を戻せたのだ。

水は重い。

当たり前だ(笑)。とにかく、「荷物は徹底的に軽くしなければならない」というのは痛切に感じた。大き目のリュックにどかどか詰め込んで走ると肩や腰への負担は相当なモノに。さらに、水筒の水も、500mlってことはそれで500gは重くなっているわけで。『オートダホン』本体にどれだけ荷物を詰めるかは問題だけど、とにかく走行中に背負う荷物は軽く。鉄則だね。

というわけで、気分はもう「次はどこを走ろうか」なわけだが(笑)。ウチの職場にいる、名古屋→糸魚川を走りきった元・サイクル兄ちゃんは「次はもうヒルクライムでしょう?」とやたら煽ってくる。うぐぅ、さすがにそこまでは。

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