吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2018/11/14◆チャリで行けるで地域決勝!
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木曜の夜:瑞穂市内

最近、鋳造家では協議の上で週に1~2日「外食デー」を設けている。じゃからんも鋳造も個人的にやりたいことがあるから、お互いの時間を大切にしよう、と。この週は木曜夜に設定され、ぼくは帰宅してからこれまでの『岐大通』を持って、単車で穂積の湯麺屋へ。今日こそは炒飯!炒飯を!と思いつつ、カウンターに座ると「タンメン大盛り」にしてしまう。でも、この日はチャーシューも載せたもんねーと小市民的に喜んでいると、あとからやって来た女性客が「タンメンください」。あ、この声、知ってる。こないだ茨城全社の日曜夜に鹿島神宮で呑んだ関西リーグ系のカメラ姉ちゃんとやないかい!「なんでおるねん」と言っちゃったわさ。そしたら「鋳造さん!岐阜駅で待ってたのに……探し回ったのに……」って、ウソつくんじゃねーよ(笑)。

1日目 11月9日 金曜日:雨

定期券はじゃからんに貸して、====ThisIsTheErrorMessege====バス1日券を利用する。まずは隠れ家に行って、こちらもこれまでの『岐大通』を贈呈。マスターもお元気そうでなにより。で、バスで北に向かう。これは長良川に1時間以上早く着いてしまいそうだ……寒いよな……とスマホで調べたら、メディアコスモスって9時からオープンなのね!帰りにやろうと思ってた調べものを先にやれるじゃん!よいねよいね……とルンルン気分だったのは、調べものが終わるまで。ツイッター経由で届いた岐阜隊絡みの、特大の、悲しいしらせ。十数年ぶりに呑みながら地域決勝を観る!という決断に至るまで何の躊躇もなかったね。まあ、一種の“弔い酒”ですよ。自分自身への。

浅間 1-0 加古川

浅間が盤石の試合運びをした……と言ってもいいかな。セットプレーから押し込んだ1点をしっかり守った。でも、4-1-4-1システムの欠点も見えた。4-1-4-1の前の4にいる中盤が攻撃志向であまり降りてこないので、守備時に4-1-4-1のアンカー(8番)の負担がどうしても高くなる。鈴鹿はそこを衝く人材には事欠かないそうなので、2日目の試合はこんなにうまく制御できるかな。あと、浅間は後半終了近くにあった特大の決定機を逃してしまったのが、大きくモノを言わなければいいけど。

鈴鹿 1-1 宮崎

試合前の鈴鹿サポのラジオ体操。それを優しくスルーしようと必死になっている長良川の観客。それはそれで異種格闘技戦を視ているようで面白かった。
試合は、前半のうちにロングスローのこぼれを押し込んで先制した鈴鹿だけど、目立ってたのはネットとリンちゃん====ThisIsTheErrorMessege====のFWコンビじゃなくて右ウイングの泉。コロッケをさらに加速させたよう====ThisIsTheErrorMessege====な感じで、宮崎のSB小松との勝負付けは早い段階で着いてしまった。そして前半のウチに宮崎のハンドでPKも獲得。しかしこれをリンちゃんがGKの残り脚に当ててしまう。そして後半。鈴鹿の悪いところが徐々に目立ち始める。バイタルの強度がなくてプレスがかかるとすぐにDFに吸収されてしまうのでそこから左右に展開し放題に。そして宮崎は左で得たPKをしっかり決めて同点に。これでわからなくなった。その後、王様よろしく中盤の底で君臨していた佐野裕哉====ThisIsTheErrorMessege====が交代で下がる。ほとんどのいいボールは彼から出ていたので、どうすんだろ?と思ってたら、数分で宮崎は共和制への移行に成功してボールのまわりがよくなって鈴鹿は守勢に立たされることに。でも、なんとか凌いでドローで終わった。

いやあ、どこもヒトクセもフタクセあるわ……という1日目。でも、わかったのは『勝利』の必要性。サッカーの勝ち点3/1/0というのはご存知のように「勝ち/分け/負け」なんだけど、長い間地域決勝を視ているとそれは「勝ち/PK負け/負け」という印象になる。いままでは同点で90分が終わっても、まだ勝ち点2を獲る機会があった。それがなくなって、みんなPK負け。そんな感じ。じわじわとダメージが来る。

2日目 11月10日 土曜日:晴

1日目は雨だったけど、晴れてるこの日はチャリで長良川へ。せっかく「チャリで行けるで地域決勝!」====ThisIsTheErrorMessege====とラッパ吹いた以上は。まあ、岐阜隊の試合で何度かやってますけどね(苦笑)。あまり整備してないのでそこそこ重かったけど、行きは30分で着きました。

浅間 1-2 鈴鹿

周囲の東海ウォッチャーが結構深めに絶望するくらい、前半は浅間の試合だった。シロートのぼくらでも気づく鈴鹿の欠点を浅間のスタッフが見逃すはずがない。クルセイダー巡航戦車====ThisIsTheErrorMessege====部隊のような徹底した高速地上戦で鈴鹿を苦しめる。バイタルが弱いところをしっかり衝いて喜屋武の左脚ミドルが綺麗に刺さって浅間先制。鈴鹿は後半からパブロに替えてリンちゃん入れて放り込み空中戦に活路を見出すしかない。と思っていた。
しかし、辛島監督はまさにその戦術で逆転してしまう。選手がギアを上げた感じがしたし、ネットとリンちゃんの大型戦車でカラダにまかせて無理やりに……の「手籠(てごめ)にするサッカー」(笑)。それでも、アディショナルのラストプレーのGK超ファインセーブがなかったら同点になってたわけで、チームとしてのぼくの好みは浅間だ。出来ればワイルドカードで臨海で観たい。

鈴鹿について。試合後に友人が辛島監督と少し話をして聞いた話だと、「後半アタマから放り込み」は試合前からのプランだったのだとか。その放り込みにも細かなオーダーを出してて、実はしっかりコーディネートされた逆転劇だったのだ。でかるちゃあああああ。
一方、ハーフタイムに喫煙所で山岡社長と話した友人によると、社長は前半の苦戦を『闘魂が足りん』で一蹴したのだとか。いやあ、いいなあ、そういう武闘というか脳筋というか、要するにそういうノリ。そりゃ英語にすればファイティング・スピリッツなんだろうけどさ、やっぱりそうじゃなくて『闘魂』だよな。うんうん(笑)。

加古川 1-2 宮崎

宮崎はユーヤ王がベンチにもいない。アタマから共和制か。でも、その方がボールが動くのは確認済み。で、試合は圧倒的に宮崎の流れ、でも受けが基本の加古川だから、どっちも「ウチのゲーム」と言いそうな展開だった。後半もそのままだったのだけど、加古川がホントにワンチャンスを活かして先制。後ろから長いのが出たのに村井が追いついたところで、ゴール正面で伏木が間に合ってたのに誰も気づかなかった。しかし、そりゃ受けが基本の加古川だけど、このまま受けきれるようには思えないなあ……と感じてたら数分後にあっさり同点。加古川の問題は、選手の消耗度。この大会、1試合あたり5人まで替えられるけれど、加古川は1日目の試合を交代なしで乗り切り、この試合も同点にされるまで交代をしていない。試合トータルでも交代は2人。痛いくらい伝わってくるリソース不足。1日目を落としている加古川は同点ではダメでどうしても得点がいるのだけど、リーグでの1試合平均得点が2に至らない堅守で優勝したチームなのでどうしても得点メソッドは少ない。そして、アディショナルタイムにふっと出来てしまったエアポケットを後半途中から投入の小笠原にしっかり衝かれて宮崎に決勝点。まあ、これは仕留めた宮崎がさすが。倒れて動けなくなった加古川の選手達に「まだ時間ある!立とう!がんばろう!」と叫ぶ岐阜の“誇り高き老害”ども(笑)。しかし、加古川にはここから追いつくエネルギーは残っていなかった。

2日目で脱落決定が高知と加古川。残り10チームにはWCを含めて可能性が残った。Cで勝ち点1の福井と栃木にも可能性が残っている====ThisIsTheErrorMessege====のが驚き。ここにも「勝ち点2がない」効果がありますね。

夜はCで意見交換会。『メディア』に対する評価とか、濃ゆいメンバーの濃ゆい会話。愉しい時間をありがとう。

3日目 11月10日 日曜日:晴

この日は終わったらすぐに帰宅したかったんで、晴れてたけれど岐阜戦の時と同じく単車で長良川へ。

浅間 1-3 宮崎

よくさ、「攻撃的なサッカーを志向する」とか言うじゃない。なんか、カッコよく聞こえるじゃない。でも、この日の宮崎は逆のアプローチ。磨き上げた「守備的なサッカー」を堂々と披露した。序盤はほぼ互角。攻撃の糸口まで掴んでいたのは浅間だったかな。でも、前半のなかばにPKをもらって宮崎が先制する。すると、即座に浅間は選手交代をしてシステムを4-4-2から4-1-3-2に変更。かなり前がかったリスキーな布陣。失点して即座にノープランでこなせる変更ではない。おそらく、試合前のミーティングで「先制されたらこれで行く」とのコーディネートはあったのだろうと思う。しかし、宮崎は多少の動揺はあったけれど、2ラインのDFの間をコンパクトにすることで浅間のクルセイダー機動戦車部隊の侵入をまったく許さず。そうなると浅間は不得手な空中戦に行かざるを得なくなる。宮崎のアンダー・コントロールのもとに前半終了。
浅間は後半アタマから塩沢を投入して4-2-3-1に変更。とにかく2点を奪わないと勝ち点3は手に入らない。ところが、ここから宮崎の『毒蜘蛛DF』が本領を発揮する。前半は水際防御だったが、後半からは縦深防御====ThisIsTheErrorMessege====に変更。浅間は頻繁にシステム変更を試みて打開を探るが、宮崎のこの試合を1-0でクローズするために研ぎ研ぎに研いだ守備戦術を前に何も出来ない。なんとか縦深防御を突破出来ても、最終防衛線には防御の達人の2人の韓国人CBが立ちはだかる。そして、残り15分近くになったところで、その2枚CBにさらに2番も導入して5バックに。いまの九州リーグでは、おそらくここまで重厚な守備戦術を必要としない。ホント、ジョージさんはどうやってこれだけの守備を作り上げたんだろう。と思っていたら、セットプレーから宮崎に追加点。その直後にもまた途中投入の小笠原の追加点。3-0。1-0でギッチギチにクローズさせる試合運びを進めておいて、3-0。わけがわからないよ。
しかし、浅間は最後に意地を見せてCKからヘッドで決める。その後も、交替させた宮崎GKが著しく不安定で浅間はもう1点奪えるか?という展開になったが、試合は1-3で宮崎が勝利した。これで宮崎はグループ1位かワイルドカードのどちらか====ThisIsTheErrorMessege====で臨海行きが確定した。

敗れた浅間。すごくいいサッカー、長らく地域決勝を観てきたぼくらの心を揺さぶるサッカーを用意してきたけれど、最終日に宮崎と当たったくじ運の不幸を呪うしかない。初日だったら、まだジョージさんの引き出しにもそれほどの情報が入ってなかったかもしれない。けれど、この2日間で『浅間ファイル』はほぼ完成してしまっていたようだ。
宮崎。試合後に、九州リーグ通の知人から「そんな戦い方は九州リーグではやっていない。それは違うチームだ(笑)」との情報が寄せられて、びつくり。2012年のノルブリのように、宮崎は「対九州戦用」と「対全国戦用」の2枚戦術を装備しているということになる。そういえば、与那城ジョージ監督は2005年にレキオで、2007年に北九州で地域決勝を通過している。地域決勝ではなにが要るのか熟知しているのだ。でかるちゃああああああああああ…………。

さて、Bグループを1位で抜けるかワイルドカードで抜けるか。これ、東海リーグ観戦族の中ではちょっと避けられないテーゼで。というのも、既に決勝ラウンドの組み合わせは抽選で決まっていて、第1日がA-C/B-WC、第2日がA-B/C-WC、第3日がA-WC/B-C。2016年のアレ====ThisIsTheErrorMessege====を経験していると、どうしても最終日に東海直接対決になるのは避けたいという気持ちになるのもやむを得ない。そのためには、「3点差以上の勝利」「4点以上奪っての2点差の勝利」「3-1での勝利で警告退場ゼロ」====ThisIsTheErrorMessege====のどれかになって鈴鹿がグループ1位になることが求められる。終了間際の浅間の1点で条件が「1点ずつ」緩和された。

加古川 0-3 鈴鹿

加古川もちゃんと鈴鹿のタマを獲りに来ていた。後半アタマから本調子でない鈴木玲央も投入した。選手はフルに戦った。しかし、やはり気持ちだけでは戦闘リソースの少なさは補えない。鈴鹿はこの試合でも試合開始から圧をかけて空中戦という手籠にするサッカーを貫き、ネットとパブロのゴールで前半のうちに2-0に。もう一度書くけど、関西リーグで1試合平均2点奪えていない加古川にこの差を返すのは厳しい。もちろん、鈴鹿はこれでいい。勝てば臨海に行ける。でもね、ぼくらは、やっぱりもう1点獲ってほしいんよ。最終日で刈谷vs鈴鹿は観たくないんよ。すると、残り15分くらいになったところで右からのクロスにネットがヘッドで3点目。試合はこのまま終わって、鈴鹿のBグループ1位通過が確定。ふう。

大会日程、終了。浅間も加古川も、ホントにグッドルーザーだった。“誇り高き老害”どもは立ち上がって戻ってくる加古川の選手達にコールを贈った。ぼくも叫んだよ。「バンディ、オンセ!(手拍子)バンディ、オンセ!(手拍子)」。加古川の選手達、サポ組以外からコールが来たんでちょっと驚いていたみたいだね。


刈谷、鈴鹿、松江、宮崎が臨海に行く。東海から2つ行くのは希望通り、ではあるのだが……

他の2つが。

松江は、今季の敗戦はいまだに天皇杯でJ1の長崎戦だけ。それも延長に入って先制されても追いつくという粘り腰。他の試合は「全勝」。ドローもない。全社も全部80分勝ちで優勝。戦力的には昨年を上回っているとは思えないのだが、この強さはどこがどうしたらそうなるのか。
そして、宮崎。とにかく恐ろしいのが宮崎。沼地に潜むワニのような宮崎。松江に偵察隊を派遣していると聞いた。もし、函館にも派遣していて刈谷が丸裸にされているとしたら。ぞぞぞぞぞぞぞぞぞ。宮崎のあの守備を打ち破るには、ぼくたちの知らない何かを使わないといけないんじゃないかって気がするんだ。スタンド====ThisIsTheErrorMessege====とか、砂時計入りの盾====ThisIsTheErrorMessege====とか、首を何mも上に伸ばしてそこからヘッドで叩き込む====ThisIsTheErrorMessege====とか(笑)。
そんなわけで、市原臨海では松江と宮崎が「行った行った」になってしまう可能性、そんなに低くない。というか、高い。大学の後輩が昔むかしの初代ダビスタでやらかした天皇賞8頭出し事件====ThisIsTheErrorMessege====を思い出してしまった。

宮崎が勝ち上がるとJFLに宮崎県のチームが3つになる。1種全国リーグに3チーム以上を送り込む都道府県は多くない。宮城、茨城、東京、神奈川、静岡、大阪くらいか。ピッチ事情が恵まれている県だとは思えないので、串間とかの開催が増えるかもしれない。原理主義者うほうほ。でも、鈴鹿が勝ち上がって「三重ダービー」が観たいというのも、もちろんあるんだよね。


今回、十勝サポの友人が特急を乗り継いで函館へ行った。ほとんど北海道から出ないなので当然だけど、地域決勝は初観戦。曰く「こんなにも緊張感のある大会だったとは」。それだけで北海道開催は正解だったと思った。この大会を観るともれなくくっついてくる吐きそうな緊張感は、現地で観ないとわからない。この時期に北海道で開催出来そうなのが函館千代台と室蘭入江だけだとしても……あ、6年後には空くぞ?『札幌ドーム』が(爆笑)。====ThisIsTheErrorMessege====


では、予想大会の結果発表です。

 Grp:AGrp:BGrp:CWC
1位2位1位2位1位2位
正解刈谷弘前鈴鹿宮崎松江京都宮崎
ジュニア氏刈谷高知鈴鹿浅間京都松江高知
無料試合S氏刈谷弘前鈴鹿宮崎松江栃木弘前
相模原のM氏刈谷弘前鈴鹿浅間松江栃木栃木
宇都宮徹壱氏刈谷高知鈴鹿加古川京都福井高知
ゆっけ氏高知刈谷鈴鹿浅間栃木福井福井
おくだ隊長閣下刈谷弘前鈴鹿宮崎栃木松江松江
ナカヲ氏刈谷高知加古川鈴鹿松江福井高知
あさぎり。氏刈谷弘前浅間加古川松江京都弘前
コミュサカ氏刈谷高知宮崎浅間栃木京都京都
ココジェイ龍星氏刈谷高知鈴鹿宮崎松江栃木栃木
関西L豊浦主事刈谷弘前加古川鈴鹿京都栃木鈴鹿
吉田鋳造刈谷弘前鈴鹿浅間京都栃木浅間

宮崎のWCが誰もいないという、例によって「観ているからと言って当たるわけじゃない」な結果になりました。そんな中、AとBをパーフェクト+Cの1位を当てた無料試合のS氏はさすがの成績、優勝とさせていただきます。おめでとうございます。

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