吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2018/01/10◆Party Party(コミケ準備編)
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『ノンリーグ・サッカーについて私が知っている二、三の事柄』====ThisIsTheErrorMessege====(以下『ことがら』)製作当初は、販売経路についてはあまり……というか、ほとんど考えていなかった。「またコミケで委託販売でも」と軽く考えていたのだけど、2016年冬コミで『おしごと!』を取り扱ってくれた白河紫苑女史から

「自分で売ってみたら?」

と促されて。言ったね!コミケには行ったこともないのに!とアムロみたいに内心で叫びつつも、トシ取る前は動くか待つかの判断を強いられたときはデメリットも含めて動くことを選択してきた鋳造である。モノは試しだ、応募してみるか。サークル名のつけ方、アピール文の書き方など、白河女史による数々の手ほどき(笑)を経てネット経由で申し込む。

でも、やっぱりぼくにはお祭りな血が流れてるんだね。当落発表の頃は、「通ったら締切厳守になるから大変だなあ」ではなく「落ちたら張り合いがなくなってイヤだなあ」だった(笑)。かくして、11月2日の当落発表では見事に当選。しかも、事情通に拠るとそこは『お誕生日席』====ThisIsTheErrorMessege====なんだそうだ。「ねえねえ、おたんじょうびせきって、なあに」。こっちはこのレベルである。一般参加もやったことないのにいきなりサークル参加、しかもお誕生日席とやら。みんなしてぼくのことで遊んでるでしょ。もちろん、こっちだって面白いに決まっている。やーってやる、やーってやる、やあーってやーるぜーっ。
みんなwebカタログ使うから紙カタログは買わないよー……って話だったけど、記念に買ってやるかと手に入れてみたらぶ厚っ!実測値で27mmあるぞ(笑)。まあ、3日分だからね。


実際のところ、ぼくはまったく理解してなかった。入稿まではコミケの準備がまったく出来ないということを。『おしごと!』の時は本を作るだけでよかった。だから入稿したら燃え尽きちゃってよかった。しかし、今回の『ことがら』P/Jは違う。入稿までコミケ準備が出来ないのだから、入稿後は速やかに準備に入らないといけなかった。燃え尽きている余裕はない。なのに、ぼくは燃え尽きてしまった。当然、コミケの準備は滞る。ずわおわずわおわずわおわずわおわずわおわずわおわ。

ポスターは、『ことがら』の印刷所ではなく『おしごと!』のところにお願いした。今回の印刷所だと高くつくのと、前回の印刷所には『おしごと!』発注時のポイントが残っていて格安で作れた====ThisIsTheErrorMessege====からだ。A1横、A2横、A3縦。日程的にも余裕っしょ、とナメてかかっていたのが前日に炸裂するのだがそれはのちほど(苦笑)。
A3縦は『ことがら』のキーヴィジュアル、これは元ネタのポスターに近いものと決めていた。A2横はこれもスペース後ろに高く掲示して場所を示すものと決めていた。問題はA1横。机前にでーんと貼り出すものだけど、これのアイディアがなかった。初めは普通にサッカーピッチを背景に東欧アヴァンギャルドっぽいフォント組み合わせでやってみるか……とか思っていたけれど、なんかしっくり来ない。ここで、今回の『鋳造総研』スペースの“売り”ってなんだろう?と考えてみると、「ノンリーグの本を売ってます!」という商品の魅力より、手前味噌かもしれないがネタになるのは「吉田鋳造がサークル参加している」ことではないか、と。だったら、「鋳造が売るノンリーグの本」より「ノンリーグの本を売る鋳造」を前面に出す====ThisIsTheErrorMessege====方がいいのではないか。と、12月17日にじゃからんといつもの鏡島・湊珈琲でランチ喰いながらもやーっと考えていたら、『鋳造はコミケにいる』というコピーが降りてきたのだ。決して、店に常備の雑誌でタンバー====ThisIsTheErrorMessege====の広告とか見ていて気づいたわけではなく、「あ、タンバー使えるわ」と。こうなると早かったね。翌日の朝に30分だかで作り上げてしまった。

スペースの配置図はEXCELでひょひょひょっと作り上げた。これだとそこそこ広く見える。必要な備品も並べられる。なんだ、心配することないじゃん。とナメてかかっていたのが当日にキチンと爆発するのだがこれもまたのちほど。

ネットで先達の皆さんの数々のアドバイスを読んで自分なりに咀嚼し、咀嚼した結果「中途半端な理解」と「結局はやってみないとわからないという居直り」の最悪のカップリングが成立のままにいろいろと荷造りを。


コミケ本番は2日目、12月30日。前日も休みなのだが、仕事納めの28日夜にかなりの部分を済ませておいたので29日は大掃除だけで楽勝……ではなかった。荷物の準備は出来た。ものの、とにかく、荷物が、多いっ!コミケはゆうパックを利用しての事前搬入が出来るのだけど、前の雑文で書いた通り、本が出来上がってからコミケ準備の間に気持ちが燃え尽きてしまって、送れるものは先に送っておくという部分にアタマがまわらなかったのだ。かくして、コミケの準備品、販売する新刊====ThisIsTheErrorMessege====やバックナンバー、送られてきたポスター、コミケ参加だけでなく年末年始は実家に帰省なのでその荷物、元日の午後からはスケートもするのでその荷物。後にじゃからんが「行商だった」と述懐する事態に。荷物の総量は、2人で

  • キャリーケース3つ(大1、中大1、中1)
  • 折り畳みキャリーカートに載せた本などのダンボール3箱(かなり重い)
  • 背負いバッグ2つ
  • ポスターの入った細長い三角筒
  • 2人の実家向けの土産(洋菓子)の入ったカバン

どーよ(笑)。とにかく本が重い。ポスターは持ちづらい。バックナンバーとかポスターとかはゆうパックで送っておくべきだった……。

もう前日なんだから自力で運ぶしかない。とはいえ、ちょっと進行方向を変えるだけで折り畳みキャリーの柄が軋む、荷崩れする。電車に乗り降りする時はポスター入りの筒を先に放り投げておいてから「せーのっ」と勢いをつけて折り畳みキャリーを動かす。そうしないと電車とホームの間のギャップを越えられない。ぜえぜえ言いながら上り新幹線に乗って、すると車内放送で「東京駅がとんでもないことになっています、事情が許す方は品川駅で降りてください」と頻繁にアナウンスされる。こちらは事情が許さないので東京駅まで行って、そして状況を理解することになる。この日は帰省ラッシュのピークに当たり、下り自由席は改札の外にまで大行列で1時間待ちで入場制限を実施。そうなると、東京駅で降りるひとをそのまま通すと動線が衝突してしまう。だから、東京駅に着くひとも区切って外に。まさに「人の流れの単線制御」。だからエスカレーターも運転停止。エレベーターもエスカレーターもなしに、この荷物をっ?!階段でっ?!駅員さんも3人くらい手伝ってくれたけど、ここでも当然のように荷崩れ。もう許して、もう許して…………。宿はコミケ会場の近くということで森下というか菊川。ここはカネをかけるところ!と初めて東京駅八重洲口からタクシーに乗ったさ。さすが東京駅、タクシーが切れることはなかった。本とポスターはフロントに預かってもらい、その他は部屋に放り込んで、ようやく、ようやく身軽になった……。

八重洲地下街の喫茶店で待っていたじゃからんと合流して、この夜の目的地・立川『STOLAS』へ。ここの柴犬「たまの」がヴェルディに選手登録するクラウド・ファンディングにウチも参加していたのです。今年の長良川で使っていた高木パパの幟も、ぼくが持っているよりこの店にあった方がいいだろうということで寄贈しました。マスター夫妻も激しく喜んでくださいました。たまの会長は、最近「食(欲)」に目覚めてしまったようで、以前よりかなりふくよかになられまして(苦笑)。ぐでぇーっと寝ていても餌を出す皿はかしゃん!となっただけでピッと目覚める。よし、この現象には『ストラスの犬』と名づけよう(笑)。いつもいつも、美味しいお酒に美味しい料理、ありがとうございます。ベルリン空輸に匹敵する(比喩)大輸送作戦の疲れもかなり取れました。じゃからんは立川の宿へ、ぼくは新宿乗換えで森下の宿へ。いよいよ翌日、作戦本番だ。

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