吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2007/12/03◆We Gotta Carry That Weight.
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高坂くんの部屋に入ったときに思った。
『俺に足りないのは覚悟だ』

(げんしけん/木尾士目)


土曜日。地域決勝の観戦を終えて、岐阜サポ3人とタクシーで吹上「どんまいじゃん」。====ThisIsTheErrorMessege====シンゴパパはご子息のゴールにご機嫌。“遺伝子の継承”という概念をこれほどわかりやすく伝えてくれる例はないシンゴママは新潟に応援に行っていて不在、残念。店内の写真がトリニータのものに替わっていましたね。岐阜の明日とか今後とかを話していると「新横が勝って鹿島優勝」の報が入る。岐阜サポ、気を入れなおす。後から横河サポらしいグループが来たが交流することなく撤収。岐阜サポ連は高崎で決起『集会』とのこと。
ぼくは熊谷で降りて恒例の焼肉忘年会。また業界人が増えている(笑)。今年は地域Lを1試合も視ていないらしいのに予想パーフェクト====ThisIsTheErrorMessege====のおくだ隊長は「サッカー視ない方がいいのか?」とおどけつつ、「Bグループはトーキンが怪しいと思っていた。S仙台が地域決勝を通過した時の監督だから」とコメント。この話について来れるひとは“業界”にはまだ誰もいない。“業界”の人は代表やJから入ってくる。実際、ぼくも初参加の業界人A氏に「代表に強くなってもらいたいとか思わないですか?」と訊かれた。でも、以前も書いたが、下部の充実が最終的に代表強化につながるからと言って下部の選手が『代表強化』のためにサッカーをしているわけではない。もうそろそろ代表でもJでもない「地域リーグの視点から地域リーグを語れる」方が現れることを、切に希望します。そろそろ現れてもいいと思うのだけど。2次会組と別れて熊谷駅前のホテル泊。


日曜日。月曜から出張だし、服は都農入替戦の時と同じものを選択。身も心も準備は出来た。9時過ぎまでゆっくりして高崎に移動。高崎からはぐるりんバスで浜川体育館へ。バスは小さく、車内は岐阜サポでほぼジャックの様相。

会場に着いたのは11時40分ころ。既に岐阜サポはかなりの数が集まっていた。これでツアーバス3台だか4台だかがまだ着いてないってんだから、どうなることやら。しかし飲食料系の売店が一つもないのは予想外だった。自販機も隣の体育館の2階までいかなければならない。友人の岐阜サポが「是非、西濃のユニを下に着て応援したい」というのでお貸しする。
試合開始前にサポがアジ開始。それを継いでの第一のコールが「おぉれたちまぁだまぁだJFL!」おお、久しぶりに来たねこのコール。でも、Jの扉を開ける試合なら、このコールから始める以外に選択肢はなかろう。あれでめちゃくちゃ場が引き締まったし、その場にいたサポ全員の気持ちがまとまったと思う。

試合については手短に。コジの先制点が入った段階で「負けることはない」と思った。ナオキが2点目を入れた時点で「この試合は取れる」と思った。アルテも全然悪くないし、最終節ということもあって守備陣を高めに置いて奪っての速攻は出来ていた。でも、出来ているのは“速攻”までで“フィニッシュ”までには至っていない。散発的なミドルも来るが大きく枠をはずれたりGKの正面だったり。つまり、「もし何かのラックで失点しても1点まで、2失点はない」という感じは見て取れた。このあたりが、33戦勝ちなしというまるでケンブリッジ・ユナイテッドのような戦績になってしまった原因の一つ、なのだろう。
岐阜の攻撃は、ホントにリーグ中盤の低迷期が嘘のように活性化していた。左サイドのナオキが上がった裏を右2列目の和正がカバーするシーンなんて、あの頃はまったく想像出来なかったぞ。もっとも、相変わらずフィットしていない子犬とか相変わらず持ち過ぎの傾向が強いドリブル劇場君とかの悪い部分はあった。けど、片桐については、今日のようにゲームが支配出来ていれば、ドリブルキープでファールもらったり時間稼いだりの効果もかなり大きい。問題は、来年からはそういう「ゲームが支配できる」試合が年間にどれほどあるか。文字通り『一皮剥ける』ことが求められている。
サポについて。試合中にコールが止まることが何回かあった。明らかにスタンドの、特に岐阜側はそこまで試合に集中していた。ぼくはこれを好意的に解釈しているけど、もしかしたら「コール組がそこまで試合に入っちゃだめだ」って意見もあるのかも知れない。やっぱりぼくはG裏戦闘部隊じゃないんで、そのあたりはわからないなあ。
アッドタイムは4分。笛が鳴ると、ここはキチンと強調しておきたいのだけど、そこにはちゃんと歓喜と失望があった。現地にいなかった人は、“勝てば入替戦/負ければ残留”のアルテは負けに来たんじゃないか、と思うかもしれないけど、そんなことは決してなかった。もし、この日のアルテとかまとんかちが入替戦をやったら、どうだろう、いい勝負になると思うんだけど。

高崎のホーム最終戦セレモニーが終わってからも、スタンドからは岐阜サポの雄たけびが延々と続いていた。それこそ「俺の人生、一点の悔いなし…」って真剣に昇天した連中も何人かいたかも知れない。ぼくが西濃ユニ貸した奴もボロボロに泣いてたもんな。


月曜日。ぼくは講習会の参加で大阪に来ている。終わって携帯の電源を入れると、「J加盟決定」の祝電が来ていた。今夜は、岐阜駅玉宮界隈は眠らないだろう、いや、眠らせてもらえないかも。


ぼくのアタマの中ではBeatlesの“Carry That Weight”がエンドレスで流れている。

ぼくらの街“に”Jクラブ『がある』んじゃない。
ぼくらの街“が”Jクラブ『を持つ』んだ。

クルマを買うのや家を買うのと同じ。当然、維持をしなければならない。維持ってのは、手間もかかるしコストもかかる。それを地域が引き受けること。ぼくにとって『地域密着』とはそういう意味で、つまりサッカークラブが地域に対してどうこうすることだけが“密着”なんじゃない。岐阜に必要なのは、そういう地域側の「覚悟」なんだと思う。おカネとか労力とかじゃないよ。心の中で、FC岐阜というサッカークラブを『引き受けてくれる』ひとを増やすこと。おそらく、ヴァンフォーレ甲府はクラブや選手やサポが「ヴァンフォーレを“引き受けて”くれ」とピッチの内外でコツコツ繰り返し運動して、J1にまでたどり着いたのだ。来年は残念ながらJ2に戻ってくるが、「落ちたから甲府を見限る」という人は、もしいたとしてもごくごく少数だろう。
来年のFC岐阜はJの舞台で闘う。甲府や仙台や桜花や福岡や湘南や、いまの岐阜隊からしたら『冗談みたいに強い』連中がやって来る。「勝った負けたを繰り返す」のなら思いっきりいい方で、「今日も負けたお、負けても泣かないお」になるかもしれない。====ThisIsTheErrorMessege====そんなのはJ2創設後に参入したクラブのその後を見ればすぐにわかる。でも、上のカテゴリーに行くってのはそういうことだ。強いヤツと同じ舞台で堂々と戦う。昨年も書いたことを繰り返すが、これを至福と言わずしてどう言えばいいのだ。

ぼくらの街が、「Jクラブを持つ」という『覚悟』を背負う。
今夜は、その決意を表明する夜。

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