地域決勝は予選も決勝も視たいっ!でも、ぼくの勤務では2週連続して週末休みを求めるのは厳しい。しかし、今年の予選は刈谷で開催があるではないか!夜勤の間に通えるではないか!ということで、23日(金)→25日(日)を2泊夜勤にして、それぞれの勤務の間に観戦という豪快なプランを立てた。業務に支障なけりゃ問題ないでしょ?
11月23日 金曜日
第1試合。町田ゼルビア×バンディオンセ神戸。どっちもそこそこの数のサポが来ていた。町田側はビッグフラッグまで用意。気合入ってます。
で、試合が始まって驚いたのは町田がとにかくつなぎに徹すること。「蹴って競って走って」というスタイルとはまさに対極。バイタルエリアまで持って行って神戸DFを押し込んでも、そこでまたつないで崩しにかかる。このサッカーは視てて楽しい。が、楽しいサッカーをしていればゴールが生まれるわけではもちろんない。ラストパスに工夫がなく最前線も妙に淡泊。逆に神戸は早いうちにセットプレー崩れから1点先制。ここで2度目の驚き。町田のサッカーにスイッチが入らない。後半勝負でなんとかなると思ってるのか?
後半になると多少はパスワークにバリエーションも出始めたけれど、とにかくロングボールの精度が悪く前でタメも作れない。もしかして、町田は相手をショートパスでしか崩せないチームなのかも。でも、だったら「蹴って競って走って」という感想は、どこから。
石堂に代えてスーパーサブ柏木投入。でも、パスの出所が1つ減っただけで攻撃が活性化するわけでもなく、やがてSB津田が退場になってしまうとせっかく投入の柏木を下げざるを得なくなった。なんか、手の打ちようがないというよりわざと手を打たないといった感じで、試合はそのままずるずると1-0で終了してしまった。
2ちゃんによると「町田の親父サポが『神戸は汚い勝ち方をした』と文句言ってた」そうだけど、別に神戸がファールを流してもらったりしたわけではなく、勝負のリアリズムに徹しただけ。逆に町田はなぜあんなにもロマンなサッカースタイルに拘ったのか。予想大会では柏木が重注目だったけど、観戦してて印象に残ったのは攻撃的MFあるいはFWの柳崎。スピードもあってボールキープも出来て、何よりキープの目的がキープでないところに好感。ウチの近所のJFLクラブのドリブル劇場さんとはエラい違いだ。
第2試合。静岡FC×ノルブリッツ北海道。このブロックでは草刈場になるだろうと大方の予想で思われていたノルブリッツが善戦。静岡が“手抜き”とも受け取れるくらいに緩かったということもあるけど、わずか2分間だけだけど1-1の同点という時間帯もあった。結局、静岡が押し切ってしまうのだけど、好感が持てる社会人サッカーを見せてくれた。
11月24日 土曜日
1泊目の夜勤を終えて、再び刈谷へ。とにかく眠くなる試合だけは勘弁ね。
第1試合。町田ゼルビア×静岡FC。昨日のまんまだと「淡泊×手抜き」でどうしようもなく眠い試合になるかもしれない。しかし、weblogにも書いたけど、途中から鋳造は怒りモードになってしまった。いえ別に町田サポじゃないから怒る必要はないのだけど。
町田のサッカースタイルが前日とガラリ変わって、サイドに長いのも入れるしロングボールもちゃんと使うし、バリエーションは前日の神戸戦の比ではない。前半のうちに2-0と静岡を圧倒する勢い。これが出来るのなら、なぜ昨日やらない?しかし、前半終了間際に不運なハンドの判定から清野にPK決められて1点差になると様子がわからなくなる。
そして、もう一つの怒りスイッチは後半30分あたりにやって来た。前日と同じく石堂を下げて柏木。やがて町田は特に後ろの動きが極端に悪くなり、前線4人と中盤+後ろの6人が完全に分断され、そこには静岡の選手しかいない状態になってまさにタコ殴りを浴び続けるのだけど、なぜか町田ベンチはテコ入れ====ThisIsTheErrorMessege====をせず、まさに放置プレー。88分の静岡・河村の同点ゴールは必然といった感じで訪れた。PK戦は町田が制するが、勝ち点2を得たに過ぎず、神戸を上回って熊谷に行くのはほぼ不可能になった。
町田の敗因。果たして“地域決勝の経験不足”だけで済むのか。熱心に応援を続けたサポが可哀想に想えてならなかった。もしかしたら、あなた方が望んでいるほどクラブはJFLに上がろうとは思っていないのかもしれない。そこまでネガティブな感想を持ってしまうくらい、町田の試合運びは疑問の残るものだった。今年の経験を糧に来年こそJFLと考えるなら、今大会で得た課題を山ほど持ち帰って徹底的な復習をしなければならないだろう。
第2試合。バンディオンセ神戸×ノルブリッツ北海道。ノルブリッツは驚きのゼロFW。====ThisIsTheErrorMessege====神戸は中盤のメンバーをかなり落としてターンオーバー。それに対して今日もひたむき一生懸命なノルブリッツ。いつしかスタンドの中立系観客はノルブリッツに付くようになる。そして後半なかばにノルブリッツまさかの先制点。お休みモードだった森岡をピッチに引っ張り出した。結局、神戸は力で押し返して3-1で逆転勝ちを収めるのだけど、試合終了後にスタンドではノルブリッツにスタンディングオベーション。出来ることを一生懸命にやる。たとえ、力不足で結局は殲滅されるにしても。とりたててライバルのいない北海道リーグでは、正直言うとここまでちゃんとしたサッカーをしなくても勝ててしまうかもしれない。それでも、ちゃんとしたサッカーを作って全国大会に出てくるノルブリッツは敢闘賞かな。
最終日はぼくは松本に行ったので視ていない。静岡と神戸の直接対決。でも、静岡が勝つことはまずないだろうなと思ってたらその通りだった。今年の静岡は、典型的な地域リーグ以上JFL未満のクラブになっていた。そろそろ矢崎あたりに本気になってもらって東海リーグのパワーバランスを壊してもらいたいところだが。
勝ち上がったのは神戸。なんというか、特に面白みのないサッカーをする。逆に言えば、一番地域決勝を勝ち上がりやすいサッカーをしている。そう簡単に勝ち点を落とすことはないだろう。でも、昇格したらどこで試合するんだろ。ユニバはそう簡単にサッカーに使わせてくれないだろうし、たぶん三木防災か。遠いんですけど。ここは懐かしく尼崎陸上なんかを希望したい。なあんてね。
11月25日 日曜日
2泊目の夜勤を終えて、SDたろう氏と『しなの』。さすがに疲れがあるのでロザを奮発したのだけど、『しなの』のロザって1+2じゃない====ThisIsTheErrorMessege====のね(***sigh***)。当初の計画では松本からバスで神林、そこから20分歩いてのつもりだったけど、ロザ奮発の我々に恐いものはないのだあーっとばかりに村井からタクシーを選択。はい我々は軟弱者ですジジイなんです。村井で「アルウィン」って言っただけで運将氏とサッカー談議に。山雅はだいぶ定着してますね。
タクシーを降りると、びわこの戸塚監督が喫煙所で余裕の表情。それはまさに「テンパイたばこ」と言っていい風情だった。2階席では結集した山雅サポ数十人が雄叫びを上げている。いやいや、いい感じじゃないのさ。バックスタンドにS君がいた。程なくしてP氏も登場し、ゆるゆると第1試合・セントラル中国×徳島ヴォルティスアマチュアを観戦。
前日まで刈谷で視たノルブリッツ北海道がGoodLoserなら、セントラル中国はまさにBadLoser。攻撃にアイディアもなく、守備も中途半端で組織のソの字も見あたらない。ずるずると失点を重ねて0-6。一方、圧勝の徳島アマは、もし違うブロックにいたらひょっとしたらもしかして?といった感じすらする。このサッカーが常に出来るのなら来年のカマタマも大変だ。ちゃんとサポも来ていて阿波踊りの鉦も鳴らしたし、ここもGoodLoserの一つか。技能賞候補、かな。
さて大一番の第2試合。Mi-oびわこ×松本山雅。サポの盛り上がりはハンパでなく、メインやバックのスタンドでは観客が事前に配布された緑色のボードを掲げる。とても地域決勝の予選の雰囲気ではなく、明らかに『ホームゲーム』の様相。でも、ボードの緑色は山雅というよりMi-Oの色のように見えたけど…?
この試合、まずスタメン発表でぼくは山雅に対して不安を覚えた。尾林も白尾もスタメン。完璧にベストメンバーを出してきた。これが不安材料。南長野のダービー・パルセイロ戦でも、北信越優勝を決めた聖籠でのJSC戦でも白尾をスーパーサブとして使って成功している。白尾・尾林の先発起用は、競輪で言えば先行逃げ切りしかしませんと宣言しているようなもの。もし、emergencyが起きた際にはどうするのか。
試合開始。山雅がペースをつかむ。Mi-OのDFはなんとなくバタバタしているが、なんとか決定機は作らせないでいる。しかし開始10分かそこらで縦に出たボールにガチャが突進、GKと1対1になるも、シュートは右にはずれた。後述するが、このチャンスをモノにしていれば。前半はスコアレス。でも、前半終了間際は山雅に攻め疲れの気配も見えていた。
後半。さらに攻める山雅。しかし、ボールを奪われてカウンター、Mi-O左サイドを内林が独りで持って行くとそのままニアをぶち抜いて、Mi-O先制。でも、まだ時間は40分近くある。山雅は慌てることはない。
しかし、この先制点が間違いなく試合のターニングポイントだった。まだ慌てることは全然ないのに、山雅の攻撃が急に、まったく機能しなくなる。前半そして後半の失点するまでに見せていた“意図のあるボールの動き”が綺麗なまでに消滅し、個人能力のみによって打開を図る、はっきり書くと「まったく視るに値しないサッカー」になってしまった。内林の得点は、バベルの塔に対する神の怒りの発現のごときだった。
いいように中盤を、そして試合をコントロールするMi-Oびわこ。山雅は竹内に替えて石川航平、同時に白尾に替えて小澤。うーむ、これは果たして“テコ入れ”なのだろうか?S君もP氏も「竹内が一番動けていたのに…」と疑問の様子。その直後、右サイドから真横に低いクロスを出して中央から再び内林が豪快にダイレクトボレーで叩き込むと、傍目には試合は決したようにすら思えた。そして、そのまま試合は決した。
地域リーグ以下の社会人サッカーの場合、選手はまず相手ベンチに挨拶してからサポの元に行くのが通例となっているが、山雅の選手達はそれすら出来ないくらい落ち込んでいた。ゴール裏の大勢の、ホントに大勢のサポに挨拶する。彼らもコールをして迎えることしか出来ない。試合が終わって帰りがけにちょっとだけゴール裏を覗いてみたが、みんな無言で黙々とダンマクを片づけていた。もしかしたら、アタマ真っ白で片づけている記憶がまったくないサポも何人かいるかもしれない。
でも、厳しいことになるけど、気になった点を書かせてほしい。ぼくの記憶が確かなら、1失点目の時、攻め込んでいる→ボールを奪われる→内林が一気にゴール前へ→左足を振り抜きニアをぶち抜く→ボールはセンターサークルに戻され山雅のキックオフ。この間、山雅サポはまったく同じ調子で同じ歌を歌い続けてなかったか?S君も「ぼくも気になってました」と言っていたから、たぶん間違いないと思う。
雌雄を決する、まさに『絶対に負けられない戦い』。ぼくの感覚だと、失点の瞬間はサポは歌い続けられる状態ではなくなるのではないのか。一瞬絶句し、で、選手も自分たちも仕切り直しだ!反撃だ!の意味を込めて「まーつもとやまがっ!」のコールを繰り返して鼓舞する。しかし、山雅サポはまるで『1失点などなかったかのように』同じ歌を同じトーンで歌い続けていた。ぼくはいわゆる“ゴール裏サポーター”ではないので、サポート論を打てる立場にはないかもしれない。怒り出す山雅サポもいるだろう。けれど敢えて書きます。“サポート酔い”していませんでしたか?
このMi-Oと山雅の試合は、山雅の経験不足が、クラブも選手もそしてサポにも顕著に表れた試合だったと思う。一方のMi-O。前回大会の敗退を糧に、見事にしたたかなチームを作り上げたように見える。確かに守備はバタバタだったかもしれない。でも、これは想定内のバタバタ。喩えると「夏休みの宿題は8月30日と31日で片づけるとわかっててバタバタ片づけるサッカー」。逆に山雅は「順調に宿題は終わっていくものの、8月15日に課題を1つ思い出したらそれを忘れてたことがショックで何も手につかなくなり9月を迎えるサッカー」とでも言えばいいか。
もう書いていいと思うから書くけど、11月3日に大垣で行われたFC岐阜×ソニー仙台の試合会場でMi-Oの戸塚監督に会った。地域決勝について話題を振ると「ラクなグループに入った」とキッパリと言う。「山雅はどうです?」とさらに振ると、いつもの余裕の笑顔で「普通にやれば、勝てますよ」。実際に、Mi-Oは普通にやって山雅に勝った。でも、もしMi-Oがemergencyを迎えていたら戸塚さんはどうしたのか。昨年の地域決勝では「普通にやれば勝てる」と思っていたTDKに先制され、普通にやれないで岐阜隊は敗れている。そう考えると、前半早々のチャンスをガチャがモノにしていれば、試合はさらに、ずっとずっと面白いものになっただろう。
この試合、バックスタンドの隅でパルセイロのサポがMi-Oの応援をしていた。気持ちはわかる。たとえ来年の北信越が再び1枠になろうとも、ライバルが勝ち上がるのは受容出来なかったんでしょうね。パルセイロのスタッフも来ていただろうか。ツエーゲンの選手や関係者も来てたかな。持ち帰って分析して、もし自分たちが地域決勝に出た場合に役に立つようなことがこの日のアルウィンにはホントにたくさんあった。もし来てなかったら後悔するぞー。岐阜隊が通過する前年の地域決勝の会場でゴリ若頭をお見かけしたのはここ====ThisIsTheErrorMessege====に書いたが、後に岐阜隊関係者に訊くと「地域決勝の勉強の為に行かせた」というのだ。
しかし、なんてったって一番勉強出来たのは当事者たる松本山雅で間違いない。この挫折を糧にどこまでクラブを伸ばすことが出来るか。戦いは、戦場に赴くずっと前から始まっている。
13年間地域決勝を見続けているけど、今年も新たに勉強した予選リーグだった。それは、各地域リーグで得られる経験値もさることながら、地域決勝で得られる経験値を重要視しないといけないということ。今年予選を通過した岡山も鎌鎚もMi-Oもすべて昨年の地域決勝を経験しているし、逆に未経験だった北九州は『余裕』『一番の無風区』と言われながら矢崎とトーキンに思わぬ大苦戦を強いられている。
で、JFLの高崎があまりにあまりなもんで、岐阜がJ2に行こうが失敗しようがそんなの関係ねぇ!たとえ入替戦になったって高崎相手なら楽勝さ、だから3位になればいいんだ♪なあんて思ってたら、もしかしたらヤケドするかもよ。熊谷行を決めた4クラブで突出した戦力のところはないと思う。だから、どこだって3位になるし4位になる。昨年のTDKのような、J加盟通過儀礼と化した昨今の地域決勝で“異端”的な存在のクラブがない分、ぼくらのような古株の地域決勝ファンには少々食傷気味の決勝リーグではあるけど、JFLや地域リーグへの興味を持ち始めたサッカーファンには是非観戦してほしい。Jは土曜日で終わりみたいだし、関東近辺の方は日曜日は熊谷へどうぞ。
最後に、予想大会の結果。
Grp:A | Grp:B | Grp:C | Grp:D | |
股旅宇都宮氏 | 岡山 | 北九州 | 町田 | びわこ |
あさい氏 | ロック | 北九州 | 神戸 | 松本 |
無料試合のS氏 | ロック | 北九州 | 神戸 | びわこ |
運び屋A氏 | 岡山 | 北九州 | 静岡 | びわこ |
Sun'sSon氏 | 岡山 | 北九州 | 神戸 | びわこ |
紫光SDたろう氏 | ロック | 北九州 | 神戸 | びわこ |
おくだ隊長閣下 | 岡山 | 北九州 | 神戸 | びわこ |
元“中の人”P氏 | ロック | 北九州 | 町田 | びわこ |
吉田鋳造 | ロック | 矢崎 | 神戸 | 松本 |
パーフェクトがSun'sSon氏とおくだ隊長。Sun'Son氏は昨年の『岡山だけピンポイント』の雪辱を見事に果たしました。おくだ隊長も2004年から3年ぶりのパーフェクト。やはり私など足下にも及びません。
鋳造は、またしても1つだけ正解。金曜に矢崎×北九州がPK戦になったとの報せを聴いた時に「俺って、もしかして天才?!」と一瞬『神を見た夜』してしまったのがすべての敗因かな。いい加減“穴狙い体質”からの脱却を図らないといけないのかもしれないけど、niftyでやってた予想大会で6年前に上田ジェンシャンをピンで当てた快感が忘れられないんです。こうしてバクチ打ちはバクチを打ち続けるのでしょうね。はうぅー。