吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2007/02/19◆異文化を視た午後2007
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することねえなあと思っていたこの週末だったけど、男子Vリーグの岐阜大会があるのを金曜夜に知った。あ、いまは「Vプレミアリーグ」って呼ぶんだね。同様にV1リーグは「Vチャレンジリーグ」だそうで。以下、プレミアリーグは『VPL』、チャレンジリーグは『VCL』って書きます。とにかく、今年からVリーグがV1リーグを吸収するカタチでこういう名称になったらしい。旧JFLがそのままJ2になったと考えればいいのだろうか。ともあれ、トップリーグに触れるいい機会なので、岐阜メモリアルセンターの『で愛ドーム』に行ってきた。ところで、この『で愛ドーム』って名称はなんとかならんか。


当日券は一番安くて2500円。指定席だと4800円もするそうだ。もちろん、安い2階自由席を買い求める。あと、恒例の公式プログラム。レギュレーションに“入替戦”についてまったく書かれていないのはどうしたことだ。VPLもVCLも同じVリーグ機構の管理になったのなら、なおさら書かなければいけない項目====ThisIsTheErrorMessege====ではないか。

この日の第1試合は、堺ブレイザーズと大分三好ヴァイセアドラーの対戦。堺は、もちろんあの新日鐵====ThisIsTheErrorMessege====の流れを組むチーム。副部長は田中幹保だし監督は中垣内だ。しかし、昨年はレギュラーリーグ3位から坊主めくり====ThisIsTheErrorMessege====を制してチャンプになった堺は今年は現時点で6位と苦戦、坊主めくり権の獲得も厳しそう。一方の大分三好は、昨年のV1東京ダービー観戦====ThisIsTheErrorMessege====の際に第1試合で観た“三好循環器科”だ。昨年1部最下位の旭化成廃部のおかげで昇格を果たすものの、ここまで2周戦って1勝13敗で独自の闘いになっている。このままの成績で沈めば、真っ先に首を洗わなければならない状況にある。
場内のアニメ声の女性アナウンスに辟易しつつ、試合開始を待つ。堺は応援団が数名。男が3人か4人、チアが2人。三好側は誰もいない。そりゃしょうがないわ。と思ったら、自分達のコールを終えた後に堺応援団が「フレー、フレー、み、よ、し!」と始めたので正直言って脱力。三好の選手紹介にも太鼓を叩いてあげている。うーむ。で、堺の選手紹介BGMは、あら懐かしい『大江戸捜査網』の殺陣シーンの音楽ではないか。

試合は3-0で堺の圧勝。苦しい体勢でも打てるアタッカーが堺にはいて三好にはいなかった。三好はサーブカットもだめだし自分らのサーブはネットにかけるし肝心なところでミス連発だし、ラリー時にリベロが上げるトスは前流れだし、ケニア人の右アタッカーもツボに入ればキチンと打てるもののそのツボがあまりに狭い。ストレート負けはいたって妥当だし、1勝13敗もさもありなん。というか、よく1勝を挙げたものだ。====ThisIsTheErrorMessege====サッカーで言えば、かつてJSL1部に昇格した年にチンチンにやられた中央防犯もこんな感じだったのだろうか。

応援団は三好にいないので堺側しか視るところがないのだが、持ち込みシンセに入っている音源は『ルパン』に『笑点』に『冬ソナ』に『UFO』に『暴れん坊将軍』にと各種多彩。『冬ソナ』の時には団長らしき人物が白マフラー巻いて回り出すし、お前ら持ちネタいくつあるんだ。さすが関西芸人は違う。====ThisIsTheErrorMessege====2名のチアのうち、コートから見て右側のコは動きもダイナミックだし腰の入り方もちゃんとしてるし、左のコと出来がまったく違ったのが印象的だった。
試合が終わって、リベロを勤めた11番が短いインタビューを受ける。そして試合球にサインを入れてファンにプレゼントするのだけど、ボールをコートに置いたら見事なキックでキチンと2階席上段にある堺応援団席のド真ん中に蹴り入れた。お見事。


第2試合は豊田合成とサントリー。現在の順位は3位と2位。好カードだ。ぼくの席のすぐ左側がサントリー応援席で賑やかになる。どうせ賑やかになるならチアさんも…と期待したのだけど残念ながら不在。一方、コートを挟んだ反対側に位置した豊田合成の大応援団にはミニスカートのチアさん10名。けっ。なんてね。
サントリー応援団が練習開始。BGMは『野球拳』に『草競馬』に、そうかそうかお前らはそういうノリか。豊田合成側の応援曲は普通にマトモだったと思うぞ。開始前に両チーム応援団でエールの交換。どうやらこれがVPLのお作法らしい。

さて試合だが、もう第1試合とはレベルの差が明らか。スパイクサーブがちゃんと相手コート内に入るし、サーブカットもキチンとセッターに入るからいろんな攻撃が視れるし、またレシーバーの腕もいいのでちゃんと続くラリーになる。意外だったのが、クイック系の攻撃はどちらも多用せず、その代わりにバックアタックが主な攻撃パターンとして組み込まれていたこと。セッターから綺麗にアタックポイントに入ってどかーんと決まると、それは視ていて気持ちがいい。
試合は3-0のストレートでサントリーがモノにするのだが、3セットとも豊田合成も20点以上取っていた。だからほんのわずかの差しかない。それがストレートという結果になってしまうのだがら、セットゲームの面白さというか難しさ。豊田合成は4番のブラジル人選手が第1セットの途中から下がって出てこなかったから、ケガでもしたのだろうか。バックアタックも効果的に打っていたので、彼がもし続行できてたら試合結果は変わっていたかも知れない。

で、応援団。第1セット終了後に豊田合成チアがパフォーマンスを披露。リフトからのジャンプもあってチアリーディングの王道スタイル。先日のJBLオーエスジーのチア隊がダンスを見せる構成だったのと違って、これはこれでなかなかだった。一方のサントリー応援団は、勝利の直後に野郎どもでラインダンスを踊り出し、やはり関西芸人の血は争えない。合成応援団も団長らしき人物が金色アフロをかぶったりしたけど、人数では勝っても芸では浪速芸人に勝てはせん。


さて、weblogに書いた「目の前の試合と違うことを考えていた」とは、やはり入替制度についてだ。と言っても、入替戦の是非とか展望とか、ではない。
現在、2部のVCLでは1周を終えてFC東京バレーボールチームが首位を独走している。このままで行けば入替戦出場可能だし、優勝すれば相手はおそらく大分三好になる。今年のTGバレー隊は視ていないのでわからないが、いかに1勝13敗でも今年の大分三好は昨年視たのよりは明らかに強くなっているから、入替戦でTGが勝つには昨年に比べたらかなりの上積みが要る。とは言え、TGが来年度にVPLに昇格出来る可能性だって、ないではない。

それは、この日ぼくが視た『べったべたにVリーグな応援風景』にガスサポが参戦するということでもある。昨年視たV1東京ダービーで繰り広げられたガスサポのあのノリ====ThisIsTheErrorMessege====がVPLで展開される光景を想像すると、面白いというより恐ろしくなってくる。うまく例えられないけど、アメリカ中西部のカンザス州やコロラド州あたりにイランの飛び地が出来るようなと書いて伝わるだろうか。おそらくそこには相互理解のカケラも発生しないだろう。VPLでは運営基準が公開====ThisIsTheErrorMessege====されていて、「両チームの応援団は事前に打ち合わせをしろ」だの持ち込み楽器の規格だのの細かい制約があるのだが、試合開始前に相手応援団と打ち合わせしてエール交換するガスサポなんて、読者諸兄諸嬢は想像出来るか?ぼくには出来ない。

これまでテレビでしか知らなかったVPLの応援風景は、もうどうしようもないくらい、サッカーのそれと異なっていた。どちらがいい悪いというのではない。もう「違う」としか形容しようがない。その世界にガスサポが入った時の化学反応は、愉しみでもあるし恐くもある。
さて、TGはVPLに昇格し、ガスサポがダンマク通りにVリーグの『常識に抗う』ことが出来るのか。まだJFLも地域リーグも始まってないし、とりあえず3/11の府中====ThisIsTheErrorMessege====は行くしかないかもしれない。

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