cyic.co.uk 吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2006/01/30◆2部リーグの現場。
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こどもの頃、バレーボール中継をよく視ていた。新日鐵と日本鋼管が覇権を争っていて、サントリーに大古がいて、専売広島に猫田がいて、松下のユニ番号がいわゆるレトロなコンピュータフォントになってて、でもうちの家族は富士フイルムのファンだった。まだ弱い頃の富士フイルムだ。ユニがフィルムを意識したデザインでカッコよかった。特に山田修司がお気に入りで、彼は試合が進むにつれてどんどん顔色が青ざめていき、フルセットになるとアタックしてからまともに着地出来なくなる。その頃、富士フイルムに黄金期が来ることも廃部になることも予期出来るはずもなかった。

いま、バレーボールは代表戦を微笑ましくも嘆かわしいくらいフジテレビがネタにしているが、リーグ戦はNHKがたまに放送する程度。ぼくもほとんど視なくなっている。


さて、とある理由で====ThisIsTheErrorMessege====日本バレーボール協会のサイトをうろうろしていると、V1リーグの日程表を視て叫び声を上げてしまったのですよ。そこには『FC東京×東京ヴェルディ』なるカードが書かれていた。ダービーである。サッカーもオフシーズンであり、サポ大結集のヤジりあい罵りあいが視れるかもしれない。実はバレーボールはテレビでは何度も視ていてもナマ観戦は初めて。朝早く起きて、高速バスで東に向かったですわさ。で、weblogに予想クイズ書いたものの、こちらの方====ThisIsTheErrorMessege====に1点で的中されてしまいました。
まさか東名高速バス昼行便が“みどり”で買えないなんて思ってもみなかったぞBoo−っ。高速バスはバステック社運行のもので、座席はまあいいなあという程度。名古屋インターで満員になってしまい途中から乗車不可能に。昼間の東名便に乗るのは初めてだったけど、移動にアクセントが出来るぶん鉄道利用の方がぼくにはいいかな。

東京駅で盟友Sun'sSon氏と合流し、大手町から西葛西へ。入場料は2試合視れて2000円。微妙な値段だが、2部ということを考えると若干高めの印象。いわゆるピッチレベルでの観戦も可能だったけど、見やすさを考えて上の階の応援席へ。第1試合の開始前だったけど、そこはすでに第2試合のダービーを前にTGと緑のサポ連がバナー貼りまくり状態だった。

第1試合は目下首位の三好循環器科とジェイテクトの試合。三好循環器科は大分のチーム。「しらしんけん」====ThisIsTheErrorMessege====なんて言葉、久しぶりに視たような。試合はストレートで三好循環器科が勝つのだけど、実は両チームにそれほどの差はない。これがセットゲームの面白さであり恐ろしさ。あえて差を探せば、ジェイテクトのリベロ君があまり守備で機能していなかったように思えたことかな。

で、その第1試合の3セット目あたりから応援席も埋まり始め、TG側は立ち見も出る状況になる。第1試合が終わって選手が練習に出てくると、緑サポが歌い出す。TG側は余裕かましている感じ。ところで、第1試合がストレートで終わったのに第2試合の開始が10分遅れるってのは、運営としてどうなのだろう。
サポの挑発合戦も愉しい。緑側が「おめえらにとらせるセットはねぇ!」なるゲーフラを掲げれば、TG側は「君達、サッカーもバレーも2部リーグ。」なるバナーを用意。さすがにこれは途中で撤去を命じられたようだが。そして開始前にはスカーフを掲げてYou'llNeverWalkAloneまで歌い出す。さすがだ。やはりダービーなんだろうね。試合中も、両サポともサッカーと同じチャントを歌って選手を煽る。テレビのVリーグ中継で視られる実業団丸出しの応援風景とはベクトルが180°異なる世界。

試合は1セットを緑が、2・3セットをTGが、4セットを緑が取ってファイナルまでもつれる好ゲームの末に緑が3−2で制するのだが、初めてバレーをナマ観戦したぼくには緑の勝利は妥当な結果な気がした。緑のセッター12番はNEC流れらしいが、トスが安定していたのに対し、TGのセッターはレフトに上げるトスがことごとくネットから離れるマイナス方向のパスになってしまい、打点が後ろになってしまって破壊力のあるアタックが打てない。ライトに上げるバックトスは安定していただけに残念。あと、緑の12番がサーブに下がった時のフォーメーションがTGには苦手だったようで、第1セットもファイナルもこのパターンの時に一気に大量失点をして離されてしまった。
これで首位・三好循環器科への挑戦権は緑が得たわけだが、テレビで視る限りパワーバレー全盛と思われる1部との入替戦をどうにか出来そうなのは三好循環器科だけのような気がする。サッカーの世界では『常識』でもバレーの世界では『異質』なサポ連が大集結すれば流れを変えられるかも知れないが。そう言えば、TGサポは「ルールには従う常識には抗う」なるバナーも出していた。明らかにバレーの常識には抵抗をしているように見える。


ま、とにかくいい試合を視たわけだが、本当に“いいもの”を視たと思ったのはそのあとだった。「いや、いい試合だった」とSun'sSon氏と話しながら席を立った時、ぼくの周囲に緊張が漂っていることを知ったのだ。敵意と言ってもいい。殺意とまではいかなかったが、かなりの攻撃性を感じた。ぼくのまわりに座っていたTGサポ達はへこみまくっていたのだ。ぼくらは中央に陣取るコール組とはかなり離れた席にいたのだが、それでもぼくの周囲には明らかに『不機嫌』が充ち満ちていた。帰りがけにトイレに行った際も、TGサポが「ああ悔しい!」とつぶやいていた。
TGサポがバナーで挑発した通り、今年のサッカーでは緑は2部。TGが優位なのは間違いないのだが、逆に言えば「直接対決でへこませる機会がない」ということでもある。その直接対決で逆転負け。面白いわけがないのだ。ダービーで負けるということが、どういうことなのか。こうして、あるべきライバル意識というものは醸成されていくのだろう。それを肌で感じられたことが、一番の収穫だった。ぼくはこの試合をTG寄りで観戦したのだけれど、もしTGが勝っていたらこの雰囲気は味わえなかった。

2部リーグも2回戦総当たり、次の直接対決は最終節だ。J開幕の1週間前でしかも会場は稲城。公式プログラムによると昨年の直接対決は1勝1敗でしかも2試合ともフルセットのがっぷり四つだ。どっちのサポも気合ノリノリの戦闘モードが期待出来る。バレー雑誌などで、この対決はどのように扱われているのだろう。


翌日、金沢在住の右萌え氏からmailあり。女子の名門・北國銀行ハンドボール部の試合で「私設応援団」が活躍して勝利に貢献したそうだが、どうやらこの私設応援団は橙猿サポの連中だったらしい。以前、橙猿の試合で北國ハンド部の選手が応援してくれたお礼なのだそうだ。いい話じゃないのさ。春→秋スポーツと秋→春スポーツのファンのリンク。これからも増えていってほしいパターンである。

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