cyic.co.uk 吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2005/08/19◆何がそんなに“面白い”のですか?
▲home ▲index

J30クラブの限定バージョンも同時発売で話題になった「サッカーJ+」。====ThisIsTheErrorMessege====ぼくが買ったのは加古川駅前で、だったらヴィッセル版も置いてあるかと思ったけど、なかったですね。というわけで購入したのは全国版。

ぼくのような下部リーグマニアも愉しめる内容になっている。その話はあとにして、面白い企画だったのがスポンサー訪問。第1回が“はくばく”なのは、まあ妥当なあたりかな。数年前なら“カニトップ”だったかもしれないけど。次はどこだろう。“オートウェーブ”かな。“でん”かな。いっそのこと“全日空”に訪問して「なんでいまだにサッカーにカネ出してるんですか?」と質問してみるのも一興かもしれない。
Jじゃなければ“エリエール”とか“坂田新聞店”も面白い。豊浜サービスエリアのレストランは“エリエール”という名前で「大王製紙(のグループ)がやってる」という話を聞いたんだけど、本当なんだろか?大王製紙のサイトに『エリエールフーズ』は載ってなかったのだけど。
JFLではデンソーが会社を離れてクラブチーム化するそうな。とはいえ近隣はトヨタ関連部品メーカがひしめいているので、みんなでカネ出し合えばなんとかならん?そしてユニの背中には『吉田鋳造』……それはカンベンしていただきたい。
かつてアクションプラン華やかなりし頃、「このクラブがJに行ったら広告は何が入るか」なんてネタで酒呑んだものです。コスモ四日市がJクラブになったら、背中は“ベビースターラーメン”か、いやいやここはずばり『おやつカンパニー』====ThisIsTheErrorMessege====でしょ。で、胸は“赤福”だよね、星陵高野球部のユニみたいに縦書きで。大塚がJに行ったらジャストシステムはおカネ出してくれるかな、それより“金ちゃんヌードル”はどうだ====ThisIsTheErrorMessege====とか。そんな感じ。バカですねえ〜♪


という話は置いといて、ぼくが気になるのはやはり3部以下について書かれた記事だ。“トーキョー・ワッショイ”の後藤勝さんの『3rdFlightFootball』は、JFLについて書かれたルポ。「JFLの世界を克明に描き出す」とある。今回の題材は愛媛・ホリコシ・栃木。Jを目指すことをシーズン前から明言、あるいは途中から表明したクラブで、第1回だから『JFLへの誘い』的性格でいいのだし、対象はつかみとしてはOK。あまりコアだとJしか知らない読者が退いちゃうかも。内容も問題なし。ただ、3チームに関する記述がそのまま繋がって書かれているので構成が少々わかりにくい気がする。
季刊だから、次回は秋、シーズン終盤に取材をすることになる。「JFLの世界を克明に」というくらいだから、Jを目指すクラブだけに注目することはあるまい。Honda、ソニ仙、YKKの企業クラブか。揃って苦戦を強いられている今年の昇格組3チームか。あるいは佐川ダービー第2戦をベースに佐川3チームの共通点と違いを・・・と思ったらちょっと開催が遅いね。====ThisIsTheErrorMessege====残念。


さて、問題の。あえて“問題の”と書こう。宇都宮徹壱さんの『股旅フットボール』だ。もう少し気の利いたタイトルはつけられんかったのか?という気がするが、それはまあいい。ヘッドラインに「『業界の博徒』宇都宮徹壱が各地で出会ったフットボールについて語る」とある。第1回の対象はグルージャ盛岡。
記事の内容は、「下部リーグの苦労とそれでもその環境で勝負するひとびと」という読み慣れた展開。だから、内容についてどうのこうのは書かない。問題にしたいのは、最終節の部分。宇都宮氏はこう記している。

「ここに断言しよう。日本のサッカーは今『4部リーグ』が面白い!」

この一文を読んで、違和感とも言える複雑な感情を抱いたことをここに4倍角で明記しておきたい。鉄道マニアの方には「種村直樹氏や故・宮脇俊三氏が廃線跡に注目した時のような違和感」と書いたら少々伝わるだろうか。

彼は『4部リーグ』のどこを“面白い”と思ったのだろう?


確かに、現在は3部・JFLより4部に「Jを目指す」ことを宣言しているクラブが多い。先のグルージャもそうだし、他にもロッソ・琉球・Vファーレン・ファジアーノ。静岡FCやバンディオンセもその中か。金沢にもクラブ合併による強化の動きがある。「地域2部」5部まで降りれば、松本山雅にヴァリアンテ富山にFC岐阜。だから鈴木チェアマンも「J3を作る時期が近いかもしれない」という発言をしたりするのだろう。宇都宮氏も、おそらくはそうしたクラブに注目して書いていくはずだ。それは、かつて天皇杯ルポをスポナビに載せた====ThisIsTheErrorMessege====ときのザスパ草津と松任FCへの筆致の違いから明らかだ。
しかし、ちょっと待って欲しい。もし「だから4部が面白い」というのであるならば、それは決定的に間違っている。4部にいるのは、Jを目指しているクラブばかりでは、当然ない。クラブチームとして4部にしっかり根を張ることで健全な運営を行っているところもたくさんあるし、ひいひいぜえぜえいいながら残留に向けた戦いを続けているクラブもある。4部をそこそこ長く視ていると、逆に「Jを目指して」派手な活動をしているクラブの方がエキセントリックに感じられる。


「4部リーグが面白い」と断言する宇都宮氏は、そこまで宣言するのだから、上に書いた「いまは4部だがJを目指す」以外のクラブについても取材記述する“義務”がある。とあえて強気に挑発しておきたい。かつて、それもつい最近に全国リーグのJFLにいながら現在は4部で苦戦し、5部落ちの恐怖と戦うサン宮崎やFC京都バンブ。関東の強豪にしてかつては何度もJFLに挑むも失敗し、今年も4部の首位にいながらついに会社が全国を目指さないことに言及====ThisIsTheErrorMessege====し、それこそ複雑な状況で戦うルミノッソ狭山。他にも「都道府県を飛び出した“地域リーグ”」で戦うことを誇りにするクラブは山ほどある。山ほどあるし、そこにも山ほどの悲喜劇がある。

『股旅フットボール』を読んだ“無料試合のS君”は、ぼくと同じ感想を持ったようだ。「盛岡南で“じゃからん”さんに言ったことと同じですね」====ThisIsTheErrorMessege====と彼は言った。

「『これが4部だ』と思ってもらっては困る」。


宇都宮氏が自ら宣言するところの“地域リーグのクラブにフォーカスすることで、わが国のサッカーのありようを際だたせる”試みの今後に、大いに期待したい。

▲top