吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2002/02/09◆野沢温泉マカロニサラダ事件。(後編)
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バイアスロン競技会場に着いたのは1時間前。にしては結構な入りだと思ったのだが、地元小中学生の動員が多数とみた。いかに彼らを盛り上げるか、かどうかは知らないが場内のDJが「ウェーブの練習!」などとがなっている。会場でウェーブの強制があると噂には聴いていたが、これかあ。まったく、カンベンしてほしい話である。

競技開始。やはりドイツとノルウェーが強い。ものすごい勢いで雪山を駆け上っていく。ぼくらがボーゲンで降りるスピードより速いんじゃないか?そして1周終わると射撃。本当に的をはずさない。5発で5つの的を片付けていく。

パン!「おおっ」
パン!「おおおっ」
パン!「おおおおっ」

マジか。こいつら、まるでゴルゴだ。ドイツやノルウェーにはゴルゴ専門学校とかゴルゴ養成ギプスとかがあるに違いない。

リレーも3人目くらいになると上位と下位にはかなりの差がついた。最下位の選手が射撃を終えて立ち上がる頃には先頭の選手は1周のコースを走り終えて射撃場にやって来ていた。「おおおおおっ」と再びのどよめき。で、我らが日本選手はと言えばこれがお寒い限り。8発も使って的を2つだか3つだかしか落とせなかった選手もいて、大勢の観客の前でお仕置きコースを何周もする姿はかなり情けないものだった。まるで晒し者じゃないか。
優勝はドイツ。DJがここぞとばかり「ウェ~~~~~ブ!」と叫ぶがみんな無視して歓声でランナーを迎える。そうよ、これよこれ。クソDJの仕切りなんか要らないのだ。

競技が終わって帰り道。ドイツ応援団のデカい男達が歌を歌いながら国旗を振って行進して来た。どうぞどうぞ、道の真ん中を堂々とお通りください。なにせオリンピックで優勝したのだから。我々はそのまま野沢温泉の民宿街まで歩いた。大した距離ではない。しかし、手配したのが1週間前なのに楽勝で民宿が取れたので驚いたのだが、さもありなん。五輪の影響で一般スキー客は締め出され、かといって温泉街に宿泊してくれる観戦客も少ないと来ては、民宿側は踏まれたり蹴られたり====ThisIsTheErrorMessege====ってとこだろう。

投宿して、お楽しみの2つめ、温泉だ。野沢温泉には13の外湯====ThisIsTheErrorMessege====があり、ハシゴが出来る。上寺湯→真湯→麻釜湯とハシゴした。ぼくの一番のお気に入りは真湯。高校卒業記念スキーツアーで初めて来た際に、ぼくはスキーではなく温泉と日本酒にハマッてしまったのだ。あの時、健全にスキーにハマッていたら違う青春時代を過ごして全然違う人間になっていたんだろうなあ。ぼくもゲロ袋男も風呂を3つもハシゴしたおかげでヘロヘロになってしまい、宿で晩飯を喰ってから部屋に戻って、「寝ましょう。」と意気投合して19時から22時半まで照明つけっぱなしで布団も敷かずに爆睡。

2人とも似たような時間に目が覚めた。テーブルの上には、戸狩野沢温泉駅前のスーパーで買ったマカロニサラダがある。

鋳造「おーい、起きてるかあ」
ゲロ袋「・・・ええ」
鋳造「・・・マカロニサラダ、どうするぅ?」
ゲロ袋「・・・・・」
鋳造「・・・とりあえず起きよう」
ゲロ袋「・・・だめだ、1m先の煙草を取るのも億劫だ」
鋳造「サラダ、悪くなっちゃうよ」
ゲロ袋「・・・食べましょうかぁ」

まるで残業で仕事を片付けるように黙々とマカロニサラダを食べる2人。ほぼ無言で食べ終わって、「寝ましょう。」なんとか布団を敷いて、それから朝まで再びの爆睡であった。野沢温泉は、効くわあ。


翌朝、朝風呂ということでもう1軒、横落湯につかり、朝飯でめちゃうまの野沢菜漬をごちそうになり、野沢を後にした。長野に出て「しなの10号」で松本へ。ここで、当時は松本に住んでいた例のM君====ThisIsTheErrorMessege====と待ち合わせ、一緒に昼飯を喰いながら歓談。しかし松本では、オリンピックってどこでやってるの?というようなシラケ方だった。長野と松本って仲が悪いのかしら。長野五輪も最終日。アイスホッケー決勝でチェコがロシアに勝ってプラハの春のカタキを討つ====ThisIsTheErrorMessege====ところを街頭のTVで視て、さてそろそろ帰るかと駅に向かうとタクシー乗り場にものすごい大行列が出来ていた。なんでも篠ノ井線で架線故障があって上下線とも運休====ThisIsTheErrorMessege====だとか。並んでいるのはタクシーを利用してでもなんとか閉会式を見ようという人達なのだ。いやあ、土壇場でやってくれましたJR東日本。やがてJR側から放送が入った。「閉会式入場券と篠ノ井までの乗車券をお持ちの方は篠ノ井駅西口までバス代行輸送を致します」うわっ、えぐえぐ~。代行輸送で選民思想導入ですかあ。で、列車の運行状況はというと、ぼくらの乗った列車の1本あとの「しなの12号」がまだ松本に到着していない有様。皆さん、目的地にはなるべく早く行くようにしましょうね。

ぼくらは松本始発の臨時急行「安曇野」に乗った。165系の9両編成、要するに昔懐かしの正統電車急行だ。ヘッドマークまでつけている。めったに走らない列車ゆえ、指定席車には指定券欲しさのマニアさんが結構乗っていて、自由席の方がガラガラ。ぼくらは周遊券利用なので、自由席でふんぞり返ってベロベロと酒呑んで帰ってきた。薮原周辺にはこの列車目当ての写真派鉄チャンも結構いた。


これがぼくらの長野オリンピックの思い出。どうしても冬季五輪というと、バイアスロン→野沢温泉→マカロニサラダという強固なリレーションが張られてしまうのだ。そういうことって、読者の皆さんもあるでしょう。さてさて今日からソルトレーク、なんか異様な盛り下がりに見えるんですが、どうなりますことやら。

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