cyic.co.uk 吉田鋳造総合研究所
travelnotes : domestic
岐阜から5泊6日の飛田給行き(後編)
▲home ▲index <<prev next>>

11月23日 土曜日

「おはようございます」。朝5時半。船内に、利島・新島・式根島へは欠航になったとの放送が入る。これが『島のリアル』か。
まだ暗い中、大島・岡田港に入港した。雨は大丈夫だけど、もんのすごい風。送迎車でレンタカー屋まで運ばれ、原付バイクを借りた。「スクーターで大丈夫ですか?」と訊かれ、大丈夫じゃないけどクルマ運転しないんだから大丈夫ですって答えるしかないじゃん(笑)。6時半に出発して、大島一周道路を時計回りに。

展望台から見える、激しく波立つ海から連想されるのは『津軽海峡冬景色』だ。観光ガイドの通りに、泉津の切り通しとか苔むした参道の波治加麻神社とかも行ってみた。大島公園から波浮港(はぶみなとという地名です)までの16キロは、クルマともすれ違わないし民家なんかあるわけないし、ひとの営みがない環境に携帯電話の電波を飛ばす必要もない。裏砂漠の駐車場までぜえぜえ言いながら上がっていって、駐車場から砂漠入口までぜえぜえ言いながら歩いたけれど、これはアカン戻れなくなったら電波が届かず助けも呼べないのだから確実に死ぬ、死んで猛禽類についばまれる、そんなとてもとても恐ろしい環境だった。

波浮港展望台前の休憩所で缶コーヒーを飲んでゆっくりして、ああこれで移動が続けられる……と思ったのが大間違い。休憩所に着くまでもとにかく風が強かったのだが、休憩所で缶コーヒーを飲んでいる間に強い風に加えて冷たく細かい雨が叩きつけてくることに。ちなみに『よくあたる』と自賛するウェニュ社の天気予報では伊豆大島は9時も10時も晴れになっていた。きっとぼくのいない世界線にもう一つの伊豆大島があるのだろう(苦笑)。
回復をいつまでも待ってはいられないので、10時に強行突破をはかる。波浮港は海沿い(港湾地区)と崖の上の2層構造になっている。港湾地区にスクーターを停めて、大正時代からの街並とかを歩いてみた。といっても、その家々にはいまもひとが住んでいるので手が掛けられているのでレトロスペクティブな感じはしない。突き当たりに有名な鵜飼商店があって、コロッケとメンチカツをいただく、オーダーしてから揚げる、本当の揚げたて。美味しかったです。
スクーターの機動力で上層部の古い建物も観てから撤収。とにかく風が強くて寒いので、コートを着たまま濡れたままの運転。キツいキツい。なんとかお昼前に元町に入れたので、べっこう寿司をいただきに『寿し光』へ。まわらない寿司屋は久しぶりだ。アオダイやクロシビカマスやべっこう寿司など12貫で2,200円。ぼくは満足レベルだと思った。
ホントは午後から三原山展望台近くの温泉ホテルで外湯の予定だったけど、この天候では山を攻めてもしょうがないので、外湯は元町の御神火温泉で。うわっ、ぬるい。38度設定にしてあるようだ。その分ゆっくり浸かって、休憩室で大島牛乳アイスを食べたら、船でちゃんと寝られなかったこともあって1時間ばかり寝落ちしてしまう(苦笑)。その後も天候はそのまんまで、結局3時間近くを温泉施設で過ごした。

スクーターを返却し、予約した民宿近くまで送ってもらう。チェックインして「『くさや』が食べたい」と言うと、「近くに『なんとうかん』という店があるが、予約しないと厳しい」と言われ、速攻で電話。すると、「2名様までならなんとか……」との返事。ラッキー!

しかし、スクーターで走ってても思ったし、『なんとうかん』に向かう途中で夕方の元町を歩いても感じたのが、島内経済の弱さ。店が少ない。活気もほとんどない。午後5時40分に元町港前から各方面への最終バスが出てしまうと、まったくひとの気配がなくなってしまう。現在の伊豆大島全域の人口が約8,000人と聞いて、申し訳ないけど納得してしまった。納得はしてしまったけれど……これはキツい。

さて、『なんとうかん』。フルキャパで20人くらいの小さな店は、営業時間が18時から22時まで、料理のオーダーストップは20時という短期決戦。刺身は種類を食べたいから最初から2人前に。そして懸案の『くさや』は「トビより青ムロの方がお勧めだけど、ちょっと大きいのよね……1人で食べられるかなあ」と女将の挑発(笑)。いやいや、そう言われたら青ムロにするしかないでしょうに(笑)。
レンタルバイク屋の兄ちゃんは、「『くさや』を焼くニオイを嗅ぐと「お、うまそう」と思うけど、観光客は「うわあ!」となってしまうひとも多い」と言っていた。その、青ムロの『くさや』。鼻を近づけてみると、これは腐敗か発酵か?と訊かれたら絶対に腐敗組!というニオイ。生ゴミとか銀杏とか肥●●めとか死臭とか、いろんな形容がされるけど、ウィキペによると『くさや』製造に欠かせない『くさや液』は島ごと、店ごとに違うそうで、そうなるとニオイも違うのだろう。ぼくはそんなにキツいとは思わなかった。で、問題の味わいは……

「うわっ?!」
なに、このウマさ!

とにかく濃厚な旨み。魚全体に旨みが染みついて、数人のコーラス隊を依頼したら大合唱団がやって来たみたいな重厚感。このお店では小宮山さんから取寄せていて「ここのが一番臭くない」とのことだったけど、これは土産というか自分用に買って帰りたい一品。実際、数日前にぼくの宿に泊まった客が『なんとうかん』で『くさや』を喰って、あまりの旨さに翌日も『なんとうかん』に言って『くさや』を買って帰ったのだそうだ。

刺身盛り合わせも、これがまた。クロシビカマス(サビ)、アオリイカ、シマアジ、クロムツ、地ダコ、メジロ、などなど。大島では薬味に山葵ではなく青唐辛子のカケラをつぶして使うのだとか。女将から「青唐辛子をクチに入れるなよ!絶対だぞ!(訳)」と言われたけど、つぶした青唐辛子を持った指を舐めてみたらいろいろと記憶がぶっ飛んでいく辛さだった。味覚を殺したいひとは自己責任で齧ってみよう(笑)。

特筆はアシタバ。====ThisIsTheErrorMessege====『くさや』を頼んだら、これのおひたしか胡麻和えも頼もう。『くさや』は芳醇濃厚だけど、その濃厚さはクチの中で残るくらい強くて、アシタバのあっさりした苦味はそれを綺麗に中和してくれる。生ビールの小に島焼酎ロック3杯、====ThisIsTheErrorMessege====さらに上記3品で3800円って冗談かと思った。伊豆大島、前泊してよかった。めっちゃくちゃ気持ち良くなって、宿に戻ってそのまま轟沈。

11月24日 日曜日

宿の朝飯がまた旨くて。普通に干物とか海苔とか小鉢とかの和食を想像してたのだけど、出てきたのは冬瓜のサラダに明日葉のホットサンドに餃子入り玉子スープに大島牛乳がコップになみなみ。昨夜の『なんとうかん』と同様、「次もここにしよ」って思わせてくれる。元町桟橋近くの『ペンションみなもと』、憶えておこう。

土産は空港でなく市街地で買ってしまおう……と見渡してみると、3階建てビルの2階がブルーシートで覆われた土産物屋が。これはこないだの台風だな。ならばここで買おう。職場の土産のお菓子と、自宅用に明日葉の漬け物と青唐辛子醤油。『くさやTシャツ』という世にも恐ろしいモノも売っていたけど、あまりの恐ろしさに手が出なかった(笑)。おそらく、買っても袖を通すことはないだろうし(笑)。

空港行きバスは、一般の路線バスが立ち寄るという形態。そりゃそうだよね、1日2往復だもん。もっとも、ぼくが空港に着いた時点ではまだ調布行きが飛ぶかどうかわかっていない。調布から他の離島に行くのは全部飛んだけれど、大島行きだけはギリギリまで天候調査するんだってさ。でも、話では新中央航空は元・自衛官とかがパイロットをやってることが多く「腕は確か」だそうで、ここは彼らを信頼することにしよう。喫茶コーナーで時間つぶしをしながら情報収集。午前10時40分くらいになって、ようやく天候調査中のプレートがはずされた。ふう。
ぼくが乗った翌日の竹芝〜大島の夜行便で島にやって来た岐阜サポ・刈谷サポの軍師と合流して、搭乗手続き。新中央航空は手荷物は5キロまで無料、超過する場合には1キロあたり210円を支払う。ぼくは追加コスト1,890円になった。搭乗券には席が書かれてなくて、乗る直前に係員さんが「席はどこそこです」と案内してくれるのは、搭乗手続きの時に体重を訊かれることと関係する。つまり、小さな19人乗りだかの飛行機では左右のバランスを取るために「どの席に何キロのヤツを座らせるのか」が重要な要素で、だから全員の手続きが終わらないと席を決められないのだ。とにかく飛行機が小さいので重さについてナーバス。でも、追加コストに体重加算がなくてよかったよ。
しかし、恐らく乗客は6割程度だっただろう。いくら調布まで25分とはいえ、そこから調布駅まではまた路線バスだし、そこからさらに電車だ。で、12,000円。ジェット船だと運賃7,000円強。2時間近くかかるけれど着くのは竹芝桟橋だ。歩いてすぐで浜松町駅。利便性が違い過ぎる。

飛行機はずっと雲の上を飛び、雲が切れて見えた景色は三浦半島の西岸、葉山あたり。読売ランドの上、京王閣競輪の上、そして調布空港に降りた。空港職員のIDカードに『緑銀杏』のマークが。都の管理なのね。====ThisIsTheErrorMessege====島嶼部へのアクセスの超重要拠点だってこともあるのかな。


これで、鋳造は本州・四国・九州(いずれも離島を除く)の旅客機離着陸空港利用コンプです。今年になってやっつけたのは松本・但馬・出雲・徳島・佐賀、そして調布。北海道で残っているのが帯広・女満別・稚内。生きてるうちにここまではやっつけたいなあ。離島は利用済を数えた方が早くて、大島・隠岐・壱岐・喜界・奄美・那覇・旧石垣、現在供用外の上五島と慶良間。離島までコンプはちょっと考えてないっす。

調布空港から歩いてスタジアムへ。『多摩川クラシコ』でウケ狙い対決?(笑)で川崎サポが無駄に大島往復をやったのが知られているけれど、飛田給へのアクセスに調布空港を提唱したのは、ぼくが知る限りでは横河電機サッカー部(現・東京武蔵野)の公式サイトがアミノバイタルだかで公式戦を開催する際のアクセスガイドに「調布空港から近く、自家用機の方も安心です」とか書いたのが最初と理解してます(笑)。結局、軍師とぼくは空港南側の公園に迷い込んでしまった影響で、大島→調布空港より調布空港→スタジアムの方が時間がかかったという。

J2
東京ヴェルディ 5-1 FC岐阜

最終節にもなって、こんなサッカーしか出来ないからこんな順位なんですごめんなさいって試合でしかなかった。パワーもなければ、戦術も腕もない。勝ったヴェルディも、正直言って何の参考にもならないんじゃないだろうか。こんなネガなことを書いて、お前は岐阜サポの風上にも置けねえ!と怒り出す方もいるんでしょうか。とはいえ、実際にパワーも戦術も腕もないんだから仕方がない。そして、J2というリーグはパワーも戦術も腕もないチームをそのまま置いてくれるような環境ではない、ということだ。


結局、ブービーと勝ち点10差。何の文句もない圧倒的な最下位でシーズンを終えた。先にも書いたけれど、「こんなはずじゃなかった」とは露ほども思わない。昨シーズンの最終戦号『岐大通』====ThisIsTheErrorMessege====に、「大木監督の3年目に何をどう期待すればいいのかわからない」と書いた通りの結果になったのだから。今後は、クラブにとってもチームにとっても所属選手にとっても厳しいオフが待っている。でも、それが正解。厳しくならなければ、状況は変わらない。そして、J3は状況を変えずにすんなり勝ちあがれるリーグではないのだ。飛田給から新宿・品川・名古屋経由で岐阜の自宅に着いたのは午後8時過ぎ。岐阜から5泊6日の長い長い飛田給行き(笑)がようやく終わった。

▲top <<prev next>>