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両生類と爬虫類の広島観戦ツアー(両生類編)
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GW明けの週末に全社中国が広島で開催というのは、水島隊のサイトで結構早くから把握していた。未塗りピッチも土曜に1つ/日曜に1つと潰せそうで、これは高効率な遠征が出来そう。土曜の観戦が終わってから移動すれば新市民で今年のプロ野球観戦ミッションも果たせるし。と、思っていたのだけど。

「そうだ、呉、行こう」。

『片隅に』の聖地めぐりをやったっていいじゃないか。呉には2回行っているけれど、どちらもただのアクセスポイント利用====ThisIsTheErrorMessege====で、呉の街を歩いたことは一度もない。
呉を歩くとなると、頼れる情報源は刈谷サポで岐阜サポの通称『軍師』。「お勧めの居酒屋、ない?」と訊くと『利根本店』と即答。ありがとう。すると「参考資料もあるから長良川の松本戦に持っていく」と。参考資料、とは。

モノの見事にコミケ本。モノの見事に『艦これ』====ThisIsTheErrorMessege====本。わははははははははは。とにかく大喰いの「赤城さん」が『くれちん』====ThisIsTheErrorMessege====の街を歩きまわって喰い尽くしてくれる。で、彼女が『利根本店』で食べるのが、カエル。両生類。以前視た『世界入りにくい居酒屋』のリヨン編で、「カエルの日」というのが設定されててみんなして脂で手をベトベトにしながら食べてたっけ。これは行かねば……

ちょつと待った。今回の観戦は土曜が広島で日曜は三次だ。これも先日視た六角さんの酒呑み番組で、三次ではワニを喰うという話をやっていたではないか。ワニ。爬虫類。
すでに還る道はない(笑)。ピッチ塗り塗りをしながら両生類に爬虫類まで喰える。呉から福山経由で入れば、未乗の謎のローカル線・福塩線もつぶせる。ふはははははは完璧じゃないか明智君(ひさびさの登場)。

2018年5月12日

初発のバスで自宅を出ても間に合ってしまう。新幹線はありがたいねえ。しかし、駅ホームのきしめん屋『住よし』で10人くらいの行列が出来ていて驚いたよ。時々だらーっと寝ながら広島へ。まだ10時前だってのに新市民球場の入口にはもう行列。すごいモノだ。
横川からバスで西都方面へ。10分に1本はアストラムと同じだし、アストラムより安いし、遠まわりもしないので実にありがたい。バス停から10分ほど歩いてのぼれば広域公園の北側に着く。とてもいい天気、木陰の空き地を確保して、のんびりと観戦。

1回戦
NTN岡山 1-1(Pen.6-7) 原田鋼業

支配して押すNTNに、受けてカウンターの原田鋼業。NTNはシュートがポスト叩いたのもあったし。でも原田もちゃんと相手ゴール前まで持っていけている。すると、イラついてたのか後半なかばにNTNの14番がSentOff。特にファールなプレーはなかったし、一発退場だったのでおそらく「口は災いのもと」してしまったのでしょう。
これで主導権を握ることになった原田は、シュートがDFに当たってループになってあらら入っちゃったゴールで先制。NTNは10人だし、ここから同点はキツいか……と思ったら、こんどはアドレナリン貯蔵タンクのバルブを全開放したように一気呵成に攻め込んできて、原田のハンドを誘いPK。これで原田の選手もSentOffしてしまい10人対10人に。PKも決まって同点。
そのまま80分が過ぎ、延長なしで即PKへ。しかし、最初の5人ずつが終わって2対2って、どうよ(笑)。その後は全員が決め続け、10人目のGK対決でようやく原田の勝ちあがりで決着した。

この日の観戦は終わり。バスで横川に戻り、近くのうどん屋で昼飯を済ませてから電車を乗り継いで呉へ。日本にその名を知られた軍港だ。地図を見ればわかる。舞鶴、呉、佐世保。入口が狭く中が複雑で広い。もう「軍港になるしかない」という地形。世界的にも、名の知れた軍港はそういう地形になっている。イギリスのポーツマス====ThisIsTheErrorMessege====、ロシアのウラジオストク====ThisIsTheErrorMessege====、アメリカのパールハーバー。

呉市街地を動きまわるので1日乗車券を買い、まずはメロンパン====ThisIsTheErrorMessege====をいただいてから「歴史の見える丘」へ。子規句碑前で降りて歩道橋を上がると、正岡子規の句碑……はおとなしく鎮座していて。そのすぐ近くにどどーんとあるのが戦艦『大和』関連の塔。相手が人間なら鎮魂の塔で解決なんだろうけど、この塔は何を目的にしているのか、よくわかんない。けれど、『大和』がとにかくデカい戦艦だ====ThisIsTheErrorMessege====というのはわかった。残念ながら生まれる時代を間違えたんだけどね。で、この「歴史の見える丘」から見えるのは、その『大和』を建造したドック。もっとも、そこから見える建物はすでにドックではないのであって、そういう意味でも歴史が見える、のかもしれない。
バスで1区間だけ戻ると、海上自衛隊呉地方総監部。かつての大日本帝国海軍呉鎮守府。『片隅に』でも描かれた呉空襲でも生き延びた====ThisIsTheErrorMessege====建物。一般公開は日曜のみなので残念ながら中には入れず。次回の課題だな。

駅に戻り、自宅プリンタのインクカートリッジが切れていたことを思い出してエディオン様====ThisIsTheErrorMessege====で購入。少し日も傾いてきた。辰川行のバスに乗る。市街地の狭路バス系統オタが踊って喜びそうな道を進む。「鉄管道路」なんてまたそそるバス停を過ぎると、昔の住宅地の中に辰川終点があった。
『片隅に』で主人公・すずが嫁ぐ際に北条家のひとが迎えに来たのが、この辰川。作品内では当時の木炭バス====ThisIsTheErrorMessege====はこの坂を上がってこれなかったことになっている。まあ、実際にバスに乗ってみればこりゃ木炭バスじゃ無理だろなあと説得力が増す。設定では北条家はここより上、ということなのだが、片渕監督から「これより先は聖地巡礼自粛令」が出ているので、ここからは坂を下って通称『三つ蔵』====ThisIsTheErrorMessege====へ。だいぶ下がったところでようやく見つけた。この建物も、よく空襲を逃れたものだ。


さて、夕方も5時近くになったので、いよいよ『利根本店』へ。両生類とのご対面。開店したばかりだったから、余裕で座れた。カウンター席から見上げると、来店した芸能人の色紙がずらり……ではなく、それらは呉基地の潜水艦司令や艦長の方々によるもの。きっと歴代の歓送迎会がここで行われているのだろう。

まずは呉名物だそうな「とり皮の味噌煮」。普段食べなれた鶏皮に甘味噌が絡むと、なかなか形容のむずかしい味わいに。鶏皮と甘味噌がハーモニーを奏でずにてんで勝手に歌っている感じなんだけど、だからと言ってケンカしているわけでもない。「これはこういう曲なの」と言われればそれはそれで悪くない、みたいな。
そして今日の本命、カエルの唐揚げ。2本でトリカラの倍くらいの値段がする。出てきたそれは……これは鶏肉だ(笑)。ではあるが、食べたことのない鶏。目隠しして食べたら「この鶏、なに?」と訊いてしまうだろう。食感はホントに鶏肉なんだけど、肉の中から出てくる脂が洗練されていない。ニワトリのものとは違って、少しベタっとしてて、軽そうでいて重い。さわやかポップロックバンドなのにギターだけエフェクトかけまくってるみたいな。でも、これも「これはこういう曲なの」と言われればそれはそれで悪くない。呉って、そういう街なのか?(笑)

脂っぽいモノが続いたので、酒は日本酒にシフトしよう。すると地元の蔵元である千福の『鬼嫁ごろし』なる酒====ThisIsTheErrorMessege====があるという。『鬼嫁ごろし』。「愛の超辛口!」だそうで、とはいえぼくは高知の居酒屋で「超辛口!」と謳う酒を頼んで「甘っ!」と罵倒した(笑)経験もある辛口族。その挑戦は買ってあげましょうじゃないですか。と頼んでみた。うん、確かに辛い。でも、うまく表現できないけど、ガツンと来ない、腰のすわってない辛さ。これはしょうがないかな?本来、しっかりした辛口の酒を作る地域ではないのだ。心意気を買いましょう、というところか。
〆は、呉海軍カレー。なんでも、海上自衛隊の艦艇は船ごとにカレーのレシピが異なり、呉の飲食店では「レシピを忠実に再現している」と認定された店だけが供することが出来るのだとか。店ごとに味が違うことを海自が証明している、ということか?食べ歩き用に、「ミニ」や「ハーフ」も用意してあるのはさすが。実際の隣席のお客さんも、奥さんが夕食を用意しているのに内緒でカレーだけ食べに来ていた。という状況なのにキチンと「レギュラー」を頼んだところに妥協を知らない海の“漢”を視た思いがしたよ。ええ、ぼくは「ハーフ」でした海なし県族なので(苦笑)ごめんなさい。 と、こんな感じでこれまでに各地で訪問した居酒屋とはかなり異なった印象を持った酒場だった。帰りがけに、お店オリジナルのミニトートバッグも買っちゃった。是非とも、吉田ルイルイに訪問してもらいたい店だ。もう来ているかもね。


気持ちよくなったところで宿に……は向かわない。もう一つ、ハードなイベントを用意しておいた。「両城の200階段」====ThisIsTheErrorMessege====を上って呉の夜景を視るのだ。

バスで上り口近くまで行き、徒歩数分。途中の電柱ではおどろおどろしいフォントで両城の200階段を案内してくれる。やがて、突き当りの上の方に階段が見えた。断崖にあとから貼り付けたような、これからボルダリングに挑むような階段だ。あ、あそこまで、行くの?
入口には案内看板が。映画『海猿』で救助隊員がボンベを抱えてこの階段を上る訓練シーンが出てくるらしい。よし、覚悟は決まった。いざ挑戦。

100段上ったところで息が上がる。後ろを振り返る。ひえええええ。そして、まだ先にある階段を見上げる。ひあああああああああああああ。
ここから先は、20段上がったらストップ、20段上がったらストップ……で、200段に到達。まだあるやんけ!結局、231段ありました。ぜえ。ぜえ。ぜえ。嘘つきぃーっ!200段だって言ったじゃなーいっ!(笑)

てっぺんから少し降りたところの広場で、夜景を眺めた。午後7時半。電車の音、踏切の音、クルマの音、バイクの音、風の音。それらの中に、遠くから異質な音が割り込んでくる。イスタンブールで聴いた、遠くのモスクからのアザーンのようなそれは、海を越えて海上自衛隊の呉基地から聞こえてくるラッパの音色だった。まとまりかけた感情にハンドミキサーを突っ込まれて不均一にぐちゃっとされたような気がした。

呉をめぐる冒険は、今日はここまで。駅に戻ろう……と、待っていたのは、当たり前だが両城の200階段の下り。ひいいいいいいいいいいいいいいいいい。こわい!こわいこわいこわい!
登山は下りの方がツラいというのは常識だそうだが、階段の街灯は少ないし暗めだし、他にひとはいないし、手摺にしがみ付きながら1段1段降りていった。もし手摺がなかったら、八方尾根の兎平のてっぺんに放り出されたような気持ちになって座りションベンしてしまっただろう。とにかく231段だ。1つ降りるごとに、231分の1だけ進んだんだ。そう思いながら降りていった。階段を降りて、ずるずると脚を引き摺りながらバス停に向かった。呉駅までは、バス停1つ分しかない。それだけの距離なのに、ぼくはバスを待った。いい時間にバスがなかったら、何の躊躇いもなくタクシーを止めただろう。

これまで、結構な数の街を訪れた。経験値もそこそこある、と思う。でも、呉はぼくの知らないクセを持つ街だ。1回の訪問で済ますわけにはいかない。そう思いながら広島方面の電車を待った。
電車がやって来る。到着のオルゴールは『宇宙戦艦ヤマト』のメインテーマだった。いやあ、ぬかった。完全に意表を突かれた。最後の最後まで揺さぶりをかけてきやがる。広島から電車で30分のところに、こんなオルタナティブがあったとは。海田市で乗り換え、福山まで普通列車で移動して宿で轟沈。

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