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travelnotes : domestic
地域CL@富山(後編)
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2016年11月13日

宿は魚津と電鉄魚津の間にある。これから富山に向かうのに電鉄魚津を使わないような自尊心は持ち合わせちゃいない(笑)。

で、歩きながら考えた。はじめは、最終日・第1試合の“決戦”、水島vs東御だけ観て、バスの時間を変更して帰ろうと思っていた。第2試合の刈谷vs女川は消化試合だ。でも、本当に“消化試合”なんだろうか。どちらも「地域チャンプ」の名誉を背負って富山まで来ている。逆に、ともに“市原臨海行き”の目がなくなったこの試合でこそ、「何を賭けるのか」「何を持ち帰るのか」が見えてくるのではないか。ぼくは、「観ないで帰ろう」と考えた自分をとても恥ずかしく思った。

で、電鉄魚津。「あ……あれ?」。鋳造認定“日本一腐った高架駅”を構成していた駅ビルは壊され、外見だけはいたって普通に。こうして世の中はどんどん“普通”になっていくのだろう(苦笑)。
最近はアルコール分解性能もめっきり低下して、大抵は日本酒を3合も呑めば“ヘパハイ”を準備しておいても翌日はかなり厳しい体調になるのだけれど、この日は何の準備もしていなかったのにいたって快調。やはり『イミズスタン』の直撃を受けたカラダが日本酒を求めていたのだろう(笑)。とはいえかなり眠くて、上市〜富山は爆睡。電鉄富山駅のロッテリアでコーヒーを飲んでなんとかアタマの動きを整えてから、前日より1時間近く遅いバスで会場に向かった。

さて、“決戦”の時。水島のカウンターが“自家薬籠中”なのは東御だって承知のはず。だから、東御は積極的には行かずに膠着戦に持ち込んで、セットプレーとかで先制して「水島から攻めざるを得ない」展開に持ち込むことをプランニングしているんじゃないか。そう思っていた。しかし、“相手”はさらにそれの上を行っていた。

水島 2-1 東御

試合開始から一気に水島が攻勢に出る。そして、なんと開始45秒で水島にPKが与えられる。ベテラン・山下がしっかり決める。その数分後にもゴール正面からの山下のFKはポストに嫌われるが、さらにその数分後にはまた水島にPKが与えられて山下が決める。もしかしたら、2016年に山下のハットトリックが観れた====ThisIsTheErrorMessege====のかもしれない、と考えると震えるよね。
水島 2-0 東御。こうなると東御は攻めるしかない。これは、ぼくが想定していた東御側のプランじゃないか。「カウンターで仕留める」水島の“思うつぼ”だ。だから、試合は落ち着いた。東御がシステムを3-4-3に変えてサイドを上がり目にすると、水島もすぐに5-3-2に変更してサイドを埋める。「将棋の対局」を観ているような緊張感。しかし、東御は前半の終了近くに喜屋武が直接FKを見事に決めて2-1、これで前半終了。後半は東御が風上になるので、水島は「蹴り返して高瀬頼むぞ」戦法が採りにくくなる。

後半。東御の戦略は徹底していた。「45分かけてボディブローを撃ち続ける」。攻撃は厚く、そして急がず。前半の「将棋の対局」から、後半は「ボクシングのバウト」へ。あとは、この45分のボディブローで水島が倒れるかどうかだ。しかし、明らかに水島DFの動きは鈍くなったものの、なんとかしぶとく倒れずにこらえ続ける。試合開始早々に相手のダウンで稼いだポイントで逃げ切りを図るかのよう。そして、それは成功した。後半の終了近くには東御に「ボディブローの撃ち疲れ」が出てきた。水島は「45分のボディブロー」を耐えしのいだのだ。そのまま、試合終了。水島は見事に勝ち点9で“市原臨海行き”をつかんだ。両チームの選手が、相手側ゴール裏、自分側ゴール裏に挨拶して戻ってくる。そして、東御のGKは座り込んで泣き崩れ、動けなくなっていた。

ゴール裏へ旧知の水島サポにお祝いを伝えに行くと、ちょうどダンマク等の片づけが終わって、第2試合の刈谷サポへの“引き継ぎ”が終わるところだった。大勢の刈谷サポが拍手で水島サポを送る。それに対し、水島サポは高らかに「Bグループを代表して行ってまいります!」と宣言し、「エフシー、カリヤ!(どんどんどんどん)」と“刈谷コール”で拍手への御礼。いいシーンだった。
しかし、これで水島はJFL脱退後に限れば鋳造観戦時は9勝1敗====ThisIsTheErrorMessege====だよ。いったい、どうなってんだ(笑)。


さて、第2試合だ。東海1位の刈谷。2位の三重、3位の鈴鹿と今回の地域CLは東海リーグは“3頭出し”。昨年の関西も“3頭出し”だったが、全部1次ラウンドで消えた。一方、今年の東海は、前評判では『混戦』と言われたCグループを鈴鹿が勝ち点9の完全勝利で“市原臨海行き”。三重もAグループで勝ち点6+圧倒的得失点差を稼いでいて、これから行われる今治戦に敗れても、よほどのスコアでなければ“ワイルドカード抜け”が確実。「リーグ王者」だけ“坊主”でお帰りというわけにはいかない。
一方の女川。石巻日日新聞がすごいしっかりした“地域CL特集号”を作る====ThisIsTheErrorMessege====という念の入れよう。「コバルトーレ女川を『震災復興のアイコン』に使用していない」のは大いに好感が持てる点だが、それでも「地域リーグ王者のプライド」以外のものも背負っているだろう。この試合に、何を賭け、何を持ち帰るのか。

刈谷 1-1(pen.1-4) 女川

前半の5分かそこらで左からのクロスにエース中野がヘッドで合わせてサックリと刈谷先制。その後も刈谷がゲームをキチンと制御していって前半終了。ここまでは「東海」と「東北」のリーグ・ポテンシャルの差が出てるなという感じがした。しかし、後半開始早々にゴール前の混戦から女川が同点に追いつき、さらにしばらくすると刈谷はエース中野が退場処分になってしまい10人に。それでも、試合は互角になったという感じ。刈谷は「10人でも勝ち点3を獲りたい!」との強い意志をプレーに出して攻める。攻める。攻め続ける。しかし、それで獲れなかったから東御戦では終了間際に脚が止まって仕留められてしまったのではなかったか。女川もしっかり対応し、90分では決着がつかなかった。

強く印象に残ったのは、PK戦で勝利した女川の選手の喜びようだった。決勝ラウンドには進めなかった。勝ち点3も獲れなかった。それでも“勝ち”を1つ、女川に持ち帰ることが出来た。彼らの喜びようをみて、やはり女川は「リーグ王者のプライド」以外のものも背負っていたんだな、と思った。復興途上の「女川という街」を背負っていたのだ、と。これは“たられば”だが、もし刈谷がPK戦を制していても、あそこまで喜びを表現しただろうか。

Aグループは三重がバリィをしっかり叩いて勝ち点9、堂々と“市原臨海行き”だ。東海は「リーグ王者」だけが勝ち点1で帰っていく。
でも、刈谷のことを悪く言うつもりは毛頭ないが、もし刈谷がAグループやCグループにいたとしても「“何か”が足りない」という印象を持ってしまったんじゃないか、という気がする。ぼくにはその“何か”はわからない。漠然とした“何か”だ。けれど、その“何か”をこれから探し出せるかが、刈谷というクラブの今後を決めるような気がする。


帰りは名古屋行の高速バス。「北陸新幹線効果」====ThisIsTheErrorMessege====でバスは時間1本、それも結構な乗車率。バス乗り場近くの大型スーパーで「魚津産もずく」を探したけれどみつからなかった。残念。

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