cyic.co.uk 吉田鋳造総合研究所
travelnotes : domestic
2009のピッチ原理主義遠征【益城加世田編】(後)
 home  index  prev next 

平成21年7月5日 日曜日

早く目覚めたので、市電で熊本駅へ。かつては“昭和の香り”が芳醇だった田崎橋方面がなんだかえらくすっきりとしてしまって。新幹線の駅が出来るんだもんね。駅舎も工事中のよう。特に朝飯を喰いたくなる店もないし、早く着いたおかげで普通列車で新八代まで先行することが出来る。ちょっとだけ特急料金を安く上げよう。
『つばめ』で南へ。ほとんどトンネルなんで車窓はどうでもいい。川内で乗り換え。肥薩おれんじ→JR直通の列車はおれんじ側のホームに停車するんだね。休日だけ運行の『快速オーシャンライナーさつま』からは橙色の制服のお姉さんが3名降りてきて、雑誌記者っぽい方の撮影を受けていた。
伊集院で降りる。あら、鹿児島城西高校ってのはここにあるんですか。バスの時間までちょっとあるので、駅前のコンビニで冷し麺を買って店内の飲食コーナーで食べた。
ここからバスに乗って加世田方面に向かうのは、二十数年ぶり。前回は、たしか『夜行かいもん』を降りてそのままバスに乗ったんじゃなかったかなあ。めちゃくちゃ眠くって、うとうとしながら枕崎まで行ったような記憶はうっすらとしか残っていない。車内で『いわさきICカード』====ThisIsTheErrorMessege====を買おうと申告すると運将は「持ってきてない」と、こともなげ。おいおい、ちょっと待ってくれ。ぼくは加世田で降りるので、その際にターミナルの窓口で買ってきて運賃精算することで交渉成立。車内の広告を見てびっくり仰天。市街地運賃で他社と差をつけるなんて、そこまでやるかいわさきグループ(笑)。
加世田の手前で海沿いの道に入り、問題の「吹上浜公園」前を通る。陸上トラックの中では、高校生らしい少年がゴールポストの準備をしているように見えた。ほら、やっぱりこっちでもサッカーやるんだって。危ない危ない、皆さん情報収集は慎重に。やがて加世田市街地に。かつての駅はターミナルになっていて、鉄道敷地にはベスト電器。窓口でようやくICカードを買い、戻って運賃を精算して、バスを降りる。
朝の10時半。バスターミナルには知覧行と野間池行が停まっている。接続を取っているのだろうか。試合開始まで2時間半もあって、これの次の昼過ぎの野間池方面バスでも十分間に合う。街を散策しながら昼飯でも手配するか。しかし、なぜかこの時のぼくは違っていた。とにかく、「早く試合会場に着いていないと危ないのではないか」という焦燥感に支配されていた。なにせ県レベルの大会だ。予告なしに会場変更とかあっても何の不思議もない。万一、そうなった時に迅速に対応できなくてはいけない。とにかく、ここまで来て観戦出来なかったという事態だけは最優先で避けなければ。昼飯も用意せずに、10時40分発のバスで海浜公園へ向かうことにした。

海浜公園は北東=南西に細長い。目的地のサッカー場は南西の隅の方にある。正門近くでバスを降りて、歩いて10分くらいで天然芝サッカー場に着いた。そこでは“試合らしきもの”が行われていた。女子チームに対し、相手の男女混成チームは15人くらいいる。圧倒的に女子チームがうまい。混成チームも時折攻めあがるが、途中交替で下がった女性選手曰く「人数が多過ぎて、攻めあがろうにもそこに味方がいるのでやりにくい」との感想。なるほど。しかし、どちらの選手も「サッカーが愉しくて愉しくて」と言った感じに満ち溢れていた。いいね、いいね。まだ11時過ぎだし、このジャレっこが終わったら全社県予選の準決勝の試合準備に入るのだろう。

さて、天然芝サッカー場の場所はわかった。人工芝サッカー場の場所も確認しておくか、とさらに西に歩くと、見つけた見つけた……あれ?選手が並んでピッチに入っていく。真ん中にいるのは審判だ。これからちゃんとした“試合”が行われるらしい。全社県予選準決勝の前に、県リーグか何かをやるのだろうか。近づいていくうちに疑念がぐるんぐるんと音を立てて渦を巻いていく。赤いユニと青いユニ。青いユニには見覚えがある。間違いない、OSUMI NIFSだ。この日に行われる準決勝のどちらかに出てくる。ってことは……あれ?あれ?
管理棟近くで観戦していたご婦人に尋ねると「天皇杯だ」という。ほう、天皇杯予選ですか。全社予選と同じ日に組むんだ。「ヴォルカと……」え?ヴォルカ?ヴォルカは今日は九州リーグでしょう?話を聴いていた別の方が「違う違う」とすぐに訂正してくれた。「全国社会人の県予選です。赤い方が鹿銀」。この時の鋳造は明らかに狼狽していた。「あのっ、あのっ、全社予選は13時10分からってネットで読んだんですが」「それは第2試合ですね」

「ありがとうございました」

13:10から同時開催ではなく、初めっから人工芝で2試合ダブルヘッダーだったのだ。OSUMI NIFS公式サイトの間違い。もちろん、加世田昼過ぎのバスで着いても第2試合は観れたのだが、申し訳ないがカードとしては第1試合のNIFS×鹿銀の方が面白そう。しかも、第2試合観戦だとバスの時間の関係で帰りはタクシーを呼ばないといけなかったが、第1試合観戦だと野間池→加世田のバスがいい時間に来るので安くあがる。このようにして、最後のマゼンタ地域は殲滅された次第。

試合は、鹿銀2-1NIFS。NIFSがうまく試合に入れない中で、鹿銀は11番の1トップっぽかったけど、とにかく「戦術は11番」とばかりに徹底して彼に預けるカウンターが奏功してNIFSを苦しめた。先制点はゴール前FKをふわっと浮かせて入れて、オフサイドをかいくぐった選手がバーに当てつつネットを揺らす。地力は上に見えるNIFSも同点に追いつくが、鹿銀はNIFSのDFのクリアミスを受けた28番がダイレクト左足で叩き込んで勝ち越し。後半は攻めるNIFSが追い風に、特に終了近くはかなりの追い風になって鹿銀は防戦一方。最後の方はちょっとセンシティブなひとが主審だったら数人の“犠牲者”が出そうなくらいの『肉弾戦』モードになったけど、熱く猛る鹿児島の男どもの闘いではこのくらいの『肉と肉の試合』は標準仕様なのかもしれない。結局、鹿銀が逃げ切り勝ち。昨年まで九州リーグにいた強豪の撃破に喜びを爆発させた。
観戦していて、どうもはNIFS側がキチンと試合に入れていなかったような感じがした。結果は2-1だけど、鹿銀の11番が相手GKと1対1になったシーンが3回くらいあって、これをちゃんとモノにしていれば鹿銀はもっとラクに勝ったと思う。

疲れもあるし、第2試合を視ないでバスで加世田に戻ることにした。15分近く歩いて正門前まで来た。休憩所ではお菓子とかを売っている。うどんも供しているようだ。ぼくはアイスモナカを一つ購入して食べ、バスに乗って市街地に戻った。この『吹上浜海浜公園』の由縁====ThisIsTheErrorMessege====を知ったのは、帰宅してからのことだ。
加世田市街地で見つけた回転寿司屋で昼飯を喰い、腹ごなしにP屋で『地中海』で遊び、残る1時間近くを加世田バスターミナル周辺でうだうだと過ごした。ベスト電器加世田店で購入を検討していた携帯電話パーツを尋ねてみたけど在庫なし。まあ、しょうがないね。

枕崎から加世田経由の空港行直行バスに乗る。鹿児島市街地に出なくても空港バスがあるのは大変ありがたい。実際、谷山から高速に入るとほとんど渋滞もなく空港にに着いた。レストランで“黒豚とじ丼”をゆっくり食べ、ラウンジで寛いでいたら那覇から来る機材が遅れ、結局45分遅れで出発。常滑着も同じくらいの遅れで、めちゃくちゃ速歩きで電車に乗り、なんとか終バスで帰宅出来た。やれやれ。

 top  prev next