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2009のピッチ原理主義遠征【津山山口編】(後)
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平成21年5月31日 日曜日

返し馬氏もぼくも朝から動ける人間で、8時にはもう広島を出てさらに西へ向かっていた。とにかく寄ってほしいところがあったので、岩国からは2号を離れて南へ。柳井市街を抜けてさらに南方向に行くと、平生町がある。広島に泊まったのは、別にどうしても広島焼が喰いたかったからとか、どうしても八丁堀で負けたかったからではない。ここに寄りたかったから、広島泊にしたのだ。永大産業・平生グラウンド。
地図ソフトによれば、現在もグラウンドは存在する。しかし、果たしてそこが日本リーグの行われていたところなのか。それがわかってしまう====ThisIsTheErrorMessege====のが、現在の“ネット検索社会”のもの凄さだ。以前なら、ぶっつけ本番で町役場に駆け込んでその頃をご存知の職員氏がいることを願うくらいの調査手段しかなかっただろう。

それは、現在の『J』環境に慣れてしまうと「ホントにここで日本リーグを戦ったのか?」と俄かには信じがたいほどの長閑な空間にあった。普通の土のグラウンド。屋根なんかない。手前の土手っぽいのがスタンドになっているのか、あるいは土手で観戦したのか。フェンスの外側には「平生スポーツサッカー少年団」による『スーパーウルトラ花だん』。とにかくここが、かつて日本サッカーに確実に足跡を刻みつけたクラブの『ドラマ』の舞台====ThisIsTheErrorMessege====だ。
来てよかった。と思うと同時に、もう一つ別の感情が沸く。ただ来るだけじゃない。天皇杯や全社の県予選、いや地区予選でもいい。ここで観戦したい。そう思わせるだけの環境が平生町に存在していた。

平生から、防府へ。ずっと下道で行ったので、無駄に早く着くこともなく、従って無駄にP屋で勝負することもなかった。回転寿司でたらふく喰って、高川学園グラウンド。試合開始30分前、駐車場はほぼ埋まっていた。
実は前日まで知らなかった。レノファが7試合で既に2敗している====ThisIsTheErrorMessege====ことに。いくら今年の地域決勝は中国は2枠だとはいえ、2位と勝ち点6差はかなり厳しい。もし今日負けたら、リーグ後半で「落車2台」級の展開恵まれがないと先に進めない。そのせいなのだろうか、スタDJも「我々は間違いなくチャレンジャーです!」と何度もしゃべっている。にしては、選手入場が終わって写真撮影も終わって、選手が円陣を組もうとしているのに『We are the Champion』を大音量で流し続けるって、どうなんでしょう。

試合開始。先に訪れた、平生を舞台に活動していた永大サッカー部が『全国区で戦っていた』クラブなら、レノファは『全国区で戦おうとしている』クラブ。そんな、ぼくの中で身勝手に構成された『ドラマ』は目の前でどんどん色褪せていった。それは、開始2分だか3分だかで佐川中国が先制したから、ではない。きっちりラインを保つ佐川の4バックに対し、ただただ愚直に裏を狙うだけの2枚のFWは、縦の動きでそこにギャップを作ろうとする努力もない。中盤の局地戦では、必ずもう一人がこぼれそうなところにいる佐川と、ただこぼれてくるのを待つレノファ。レノファの右SBが低いところでボールを持っているところに佐川攻撃陣が4人で詰めていくシーンもあった。
レノファ、どうしちゃったんだ。昨年の鳥取バードや石垣島で感じた“ひたむきさ”は、目の前のピッチのどこにも存在しない。3点差の状態から、スルーパスに抜け出した多久島がループで決めて2点差にしたわずか2分後にCKから失点してしまう。一番、失点してはいけない時間だ。のびのびと自分達のサッカーをする佐川は、最後に中央から右に展開したボールを右SB星野がダイレクトで流し込んで仕上げ。1-5。現場にいなければ衝撃を含むスコアも、しかし現地にいればそれには何の衝撃もない。いたって妥当なスコアで、佐川中国が完勝した。

会場で返し馬氏と別れ、大道から電車で新山口へ。学生時代の友人からの情報では、「府中は豪雨」とのこと。ということは、携帯から買った東京優駿の馬券構成だけでは危ないかもしれない。1番人気の皐月賞馬は3着を逃すことはあるまいと思っていたのだが。と、発走30分前に、ヒモだけでの3連複だけも100円ずつ保険で購入。そして新山口でふく天うどんを喰い、新幹線ホームに上がったところでこの保険の3連複が的中してしまったことを知る。あれれ、前夜の広島八丁堀のタコ負けを全部取り返して釣りが来たぞ。というわけで、ルンルンの帰宅となったわけでした。まだまだ観戦遠征は続くので、実にありがたいことです。

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