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「名古屋市内から和田ゆき」後半戦(その1)
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今回の全社には岐阜隊も出場する。もし全社の持つ意味が昨年までと同じだったら、1回戦の新日鐵大分戦はまずは駆けつけなければならないカードだった。しかし、今年から全社は地域決勝に向けての敗者復活戦====ThisIsTheErrorMessege====の意味合いを持つ。となると、岐阜の観戦より優先順位が高いカードが出来てしまう。それと、今回は地域代表として橙猿が全社に挑む。そしてもう一つ、当然だがピッチ原理主義者としての吉田鋳造がいる。となると、現地まで行っておいて岐阜の試合を視ないというプランになるのは仕方ないところだと皆様ご理解いただきたい。
ぼくと同じく「ピッチ原理主義者」である“無料試合のS”君も当然この大会には駆けつける。組み合わせ表を見て「月曜に年休をかまして、土曜日は西目→八橋球技のハシゴ、日曜は仁賀保貼りつき、月曜にTDKセンター両面とすれば5ピッチつぶせるな」などとラッパを吹く。もし実際にそのプランを実行したら、謹んでピッチ原理主義者フェダイーン====ThisIsTheErrorMessege====の称号を与えようと思っていたのだけれど、さすがにそこまではやらなかったようだ。実は試合当日、ピッチ原理主義ではないけれどまさにフェダイーンの称号に相応しい人物と会うことになるのだけど、それは後述。


出発は『日本海3号』だ。ならば職場を定時に出れば帰宅して着替えて晩飯喰って風呂まで入れると思っていたのだけれど、この3つをこなしていたら時間ぎりぎりになってしまった。岐阜から米原へ。コンビニまで脚を運んで酒などを買い込み、駅に戻ったら『ニセしらさぎ』====ThisIsTheErrorMessege====接続の『ひかり』が着いたところで、おやおや予想を遙かに超える客が乗り継ぐではないか。喫煙車の自由席でなんとか1席確保することが出来た。意外と乗るもんだね。
敦賀で降りると、同じホームの反対側に『日本海3号』が止まっていた。『ニセしらさぎ』のあとですぐに発車するはず、と指定の車両に行くと、あらららら客が少ないねえ。半分も埋まってないではないか。寝台特急はどこも苦戦だと聞いているが。
ところが、『ニセしらさぎ』が発車した後もまったく動く気配がない。ホームにいる車掌さんに訊くと『サンダーバード』が激遅れしているので、それを待っているとのこと。「ちゃんと定時運転に戻りますから大丈夫」と言うので「象潟ですけど、大丈夫ですね」と念を押すと、意外な応えが帰ってきた。

「お客さんもサッカー関係ですか?」

この応答はまったく予想してなかったのでたじろいだ。なんでも、各車両に「象潟で降りる」というグループ客がいるのだという。そのうちの誰かがサッカー関係だと話したのだろうか。結局『サンダーバード』は35分も遅れてやって来た。これで回復運転出来ると太鼓判を捺すのだから、寝台特急のスジはかなり寝ていると考えていいのかな。『ニセしらさぎ』車中でビール1本呑んでいることもあり、缶チューハイ1本で轟沈したのだけど、途中で何回か目覚めた。福井や金沢でもそこそこの乗車があるのね。検札に来た車掌さんの声で「新津ですね」とか聴こえてくる。

ガクンとした停車の衝撃で目覚めた。時間を見ると5時少し過ぎ。村上あたりだろうと時刻表をめくると実にその通りだったので、寝台から這い出して通路の折り畳み椅子に腰掛けて夜が明ける前の日本海を眺めていた。“笹川流れ”と呼ばれる地域。どっぷりと演歌が流れてきそうな景色を見続けているうちに、だんだんと空が明るくなってゆく。鼠ヶ関を通過したあたりで再び寝台に戻った。鼠ヶ関は一度訪れたいところ====ThisIsTheErrorMessege====なのだけれど、小真木原====ThisIsTheErrorMessege====で観戦とセットだなと思っているうちに結局は未踏のまま。
酒田の手前で本格的に起きることにした。外はいい天気で、庄内平野の眺めには“笹川流れ”で感じた演歌どっぷりの雰囲気はどこにもない。象潟で降りたのはラランジャの関係者と、既に青いユニで武装したこども3人連れた若い夫婦。胸スポンサーには見覚えがある。「フェルヴォローザの応援ですか?」と尋ねたら少々驚いていた。
象潟で電車待ちが1時間近くあるので、15分ほどのところのコンビニまで買い出し散歩のついでに、蚶満寺====ThisIsTheErrorMessege====を訪れることにしたら、境内は猫だらけでちょっとびっくり。参拝を済ませて駅に戻るとちょうと普通列車が来る頃合だった。みちのく“走ルンです”で仁賀保まで。車内では高校生らしき年代のお嬢さんが2名、「がんばれ!TDKサッカー部」と書かれた黄色いチラシを読み耽っていた。
仁賀保駅から会場までは徒歩。ボランティアさんが一緒にナビしてくれるが、もう少しわかりやすい地図を用意すれば人を配置するほどではないかな。受付でプログラムを買い求め、会場へ。スタンドは立派だし芝も綺麗。おそらく国体に備えて改築したものだろう。野球場にも使える構造になっている。コンビニで買った朝飯を喰う。
夜行バスツアーでやって来たさるっぱども====ThisIsTheErrorMessege====は開始1時間前からハイテンションで準備万端。「にかほ!(どどどん)にかほ!(どどどん)」とコールして拍手を受けていた。懐柔策にも抜かりはない。やがて、おなじみ“無料試合のS”君もやって来てともに観戦。ぼくらの後ろには、岐阜隊の吉田・平岡両選手がノルブリッツの偵察に訪れていた。試合開始直前に北電応援団もやって来て、第1試合の開始。

内容的には、目を見張るようなプレーもなく、五分五分。前半にハンドで得たPKを西川監督自らが決めて先制も、前半ロスタイムにセットプレーからまさに一瞬のスキを突かれてノルブリッツ同点に。前半が終わったところで岐阜隊の偵察コンビはいなくなった。得るところなし、と判断したのだろうか。もしそうなら、正直言って「それもしょうがないな」という試合ではあった。
ノルブリッツの不幸は「北海道リーグにノルブリッツを脅かす好敵手がいない」ことに尽きる。一方の橙猿は、4部の標準レベルは維持している。かつて、本当に“橙猿”だった頃に比べるとかなりの進歩だ。そして何より、ここはサポの存在が大きい。ノリの良さはツバイゲンを完全に凌駕している。試合は延長でも決着がつかずPK戦へ。橙猿は延長後半にPKを与えるもGK水上が阻止、PK戦でもその戦闘能力を如何なく発揮してノルブリッツを退けた。2度目の全国大会挑戦====ThisIsTheErrorMessege====にして初勝利にさるっぱも気勢が上がるが、PK戦に突入したおかげでぼくらはダッシュで移動せねばならん。各会場を結ぶシャトルバスを待ってられず、仁賀保駅まで歩いて戻ってタクシーを拾い、TDKスポーツセンターに移動する。ここで一度S君と別れる。彼はA→Bの順、ぼくはB→Aの順に観戦だ。

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