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よさこいソーランの週末に札幌近郊ツアー(第4話)
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栗山市街地に近づくと、遠くからでも照明施設が見える。栗山ふじスポーツ広場だ。中に入ると、夢のはじまりJ挑戦・コンサドーレ札幌のイラスト看板がある。ふむふむ、そういう時代からの施設====ThisIsTheErrorMessege====なのだ。もう選手達はピッチ端で整列を始めるころだった。北海道リーグ、サンクFCくりやまとトヨタ自動車北海道の試合。
トヨタは苫小牧で観た。サンクは札幌時代に大宮公園で観た====ThisIsTheErrorMessege====ことがある。この試合、圧倒的なサンクのペースで進んだ。しかし鮮やかな崩しで押しまくるのに詰めが甘すぎで得点機となるとそう多くはない。前半はスコアレスで終了。
ハーフタイムにサポさんと話をした。サポさんと言っても試合開始から観戦していた初老のご夫妻の奥様の方だけど、ぼくが借りているマジェちゃんに「乗ってみてもいいですか?」と話しかけてきたのだ。奥様によると、サンク自体は栗山に移転しても、選手は多くが札幌に住んでいて栗山まで通って来ているのだとか。ご夫妻も札幌から応援にかけつけている。なるほど、まだサンクは栗山のサッカークラブとしての認知度は高くないのかもしれない。実際、栗山サッカー場には上に書いたコンサフクロウの絵はあってもサンクに関する表示はパッと見だが見あたらなかった。石狩に対する南空知のクラブとまではいかないのかな。
後半もサンク押し気味。しかし持っていけるのは相変わらず「押し気味」まで。いつしか観客の中にタイコ隊も登場し「さぁーんくえふしー!」と声援を送っているが、後半もだいぶ過ぎた頃にサンクのDFが警告2枚で退場になってしまってからは、動きも止まってトヨタの大反攻にあい、終了間際は逆に自陣ゴール前に釘付けになってしまう。なんとか凌ぎきってスコアレスドローで試合は終了した。勝ち点3取れたとも言えるし、勝ち点1取れてよかったともとれる。それより問題なのは、鋳造は北海道に来て2試合、180分ゴールを視ていない。困った。

栗山から再び単車で国道を北に進むこと数分。廃屋だか廃車体だかを改造したかのようなラーメン屋『醤油屋本店』がある。ここも“こんびに”さん====ThisIsTheErrorMessege====情報。なんでも新札幌に支店を出したほどの評判の店。店内は昭和ノスタルジアに満ちている。もっとも、それだけで新札幌に支店が出せるはずもなく、味で勝負出来るからの評判のはずだ。『醤油屋』を名乗るのだからと醤油ラーメンにしたのだが、なるほど、しつこくなくスタンダード。次に来ることがあったら『小鳩ラーメン』にしてみたい。


と、ラーメンを食べたおかげで次の目的地・江別までの時間が怪しくなった。岩見沢から江別東まで1区間だけど高速を使う。横風が強い。江別東で高速を降りて北へ。最近出来たばかりの石狩川をまたぐ美原大橋を使って、栗山と同じように遠くからも見える照明施設の方に向かう。北海道電力・江別サッカー場。ここでは、ノルブリッツ北海道とRシュペルブ釧路の試合が行われる。
北海道リーグの王として君臨し、ほとんどディナモ・キエフになっているノルブリッツと、昨年はぜえぜえひいひいの残留を果たしたRシュペルブ。2試合連続スコアレスドローを観た鋳造としては、そろそろゴールを視たいとも思うし、いやいやこのカードがスコアレスで終わったらそれは貴重なものを観ることになるというambivalent。

しかし、そんな微妙な観戦者意識は開始直後のノルブリッツベンチからの指示で吹き飛んでしまった。「初めの5分はとにかく前からねー!前から!」の指示を受けた選手達、ガシガシとプレスをかければRシュペルブの選手達は簡単にボールを奪われてしまう。そして開始3分、Rシュペルブのゴールはいとも簡単に破られてしまった。開始から5分経過。「もう少し、前から行こう!」と指示。さらに続くプレスサッカー。8分が経過したあたりだろうか。「よーし、ノーマルね」と指示。「はい、ノーマル戻すよー」と選手達で確認している。
まるで練習試合じゃないか。リーグ公式戦なのに。前半途中で3-0。このままで終わるとはとてもじゃないが思えなかった。その時、ぼくのアタマの中では鈴木慶一の『Yes,Paradise,Yes』====ThisIsTheErrorMessege====オリジナルと少し違う歌詞で流れ続けていた。

Yes, Paradise, Yes.
Yes, Paradise, Yes.
この一戦は棒に振って 次の一戦本気出そう

Rシュペルブは前半終了間際にも失点し、4-0でハーフタイムに。

後半からはぼくはゴール裏に観戦場所を移した。フォトジェニックだったからだ。ピッチの向こうに土手があり、その向こう側には大きな工場があり強い風に排煙を流し続けている。その光景は、テレビで視た『シーズン・チケット』====ThisIsTheErrorMessege====の予告編を思い起こさせた。雲が低くたれ込めたイングランド北東部、行ったことのない街、ゲーツヘッド。====ThisIsTheErrorMessege====
そんなぼくの無意味な感傷とは関係なく、Rシュペルブは戦っていた。彼らは決してこの一戦を棒に振ろうとはしていなかった。後半に限ってはスコアレス。もちろん、ノルブリッツの攻勢が緩くなったこともあるが、終了前にはRシュペルブのシュートがポストを直接叩いたシーンもあった。4-0で試合は終わった。

午後3時。駐車場に観光バスの姿はなく、釧路ナンバーのクルマが数台停まっている。Rシュペルブの選手達は、おそらく何台かのクルマに便乗して江別まで来て戦い、そして帰っていく。すぐに帰れるわけじゃない。江別を出るのは3時半か4時ぐらいだろう。札幌から釧路まで高速がつながっているわけではない。彼らが釧路に帰り着くのは何時なのだろう。翌日は朝から仕事という選手だって多いはずだ。日曜の午前10時キックオフを否定されるのは少々つらいものがある。
しかし、釧路×函館の試合なんて、想像しただけで眩暈がしてしまう……と思ったら、やはり釧路×函館戦は厚別サブと江別====ThisIsTheErrorMessege====だった。だよね。無理だよ。

試合観戦を終え、ラーメン2杯食べて札幌に戻った。2軒とも“こんびに”さんお勧めの店だけど、驚いたのが高砂駅前の『麺工房』。月火休みで営業時間が11~15時って、強気営業もいいとこなのだけど、それで成立する規模だったし、それで成立する自信があるのだろう。ぼくは15時ちょうどくらいに店に入って「まだやってますか?」と訊くと「いいですけど、鶏白湯スープは終わっちゃいました」とのこと。どうやらそのスープが強気営業の秘訣らしい。なもんで普通スープの塩ラーメンを食べたのだけど、十分うまかった。
最後に食べたのが『銀波露』。醤油・塩と来たので味噌にしたのだけど、千歳『王将』と違いしっかりした味噌ラーメンだったので、ハシゴだと少々つらかった。先に『銀波露』に行けばよかったのかな、もしそうしたら『銀波露』で量的に満足して高砂には行かなかったかな、なんて思ったり。

単車を返却して、空港バスに乗った。よさこいソーランの影響か市内は渋滞気味で、20分延で到着。なんとか間に合った。空港のバス降り場からチェックインカウンターの間に土産物コーナーがあるのだけど、帰路に就く踊り子さん達が通路の真ん中で団体で立ち止まったりして鬱陶しいのなんの!6月のオフシーズンに集客資源を作り上げた地元の知恵を否定する気はまったくないけど、ぼくにとってよさこいソーランの苦手度は最後に裏ドラが2枚乗って倍満級になってしまった。名古屋へは臨時便に乗って帰った。

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