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travelnotes : domestic
milkland2004(第1話)
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そもそも、この時期に北海道に行こうというきっかけは、いつものようにサッカー観戦だ。今年、北海道リーグ1部に「Rシュペルブ釧路」という、これまた名前を聞いただけで観戦欲をそそるチームが昇格してきた。なんでも、釧根地域から1部で戦うクラブが現れるのは初めて====ThisIsTheErrorMessege====なんだそうな。これは是非とも早いうちに観戦しておきたい。
しかし、それにしても釧路である。ただ行って観て帰ってではあまりに芸がないし、しかしぼくは普通自動車は運転資格を持っているだけで技能はまったく錆びたまま。====ThisIsTheErrorMessege====となると現地で単車が借りられたらいいなあ、せっかくだから道東の大地を走りたいなあということになる。で、試合開催スケジュールを視てみると、9月の養老3連休になんとなんと鶴居で試合が組まれているではないか!これを逃す手はない。しかも3連休の直前に、ぼくは当直勤務の予定が入っていた。「当直明けなんで年休下さい」の要求もすんなり通りそうである。ああ、音を立てて外堀が埋まっていく。17日の金曜日は当直明けの年休をぶちかまして北海道まで移動し、土日を単車で走りまくる。で月曜の養老祝日は自宅でおとなしく体力回復に努める。完璧な計画だ。
さっそく調べてみよう。YSP帯広でマジェのレンタルをやっていた。帯広かあ・・・釧路までは距離があるが仕方がない。それに帯広周辺にも、行ったことがなくて機会があれば是非行きたいポイントは散在していた。連休絡みなので、夏休みに入るずいぶん前にレンタルバイクは予約確保してしまった。



さて、16日の当直は意外なほど地獄を見ずに終了、明けの17日は9時過ぎに余裕で職場を出て岐阜に戻った。最初の計画では職場に旅行カバンから何から全部持っていってそのまま空港に直行のつもりだったのだけど、ヘルメットの輸送手段を考えてなかったのだ。むき出しでメットを職場に持って行くわけにもいかない。おかげで名古屋→札幌の飛行機が想定より1本遅くなってしまった。
いかに問題なく終了とはいえ当直明けに変わりはない。空港に着くと早めにチェックインも済ませ、待合室でうとうと。乗ってからもうとうと。機内の記憶はほとんどない。

千歳空港に到着。前回来たときにはなかったのか気づかなかったのか、『北海道ラーメン道場』====ThisIsTheErrorMessege====なんてのが出来ていた。名古屋駅地下にも似たようなのがあるけど、列車の乗り継ぎまで時間もかなりあるし、せっかくだから食べていこう。これから帯広に向かうのだから、帯広から出店している店で食べた。まあ、可もなく不可もなく。
JRで一駅、南千歳で特急『スーパーとかち』を待つ。しかし寒いぞ。名古屋ではTシャツ1枚で全然問題なかったのだが。じゃからん嬢から「ここ最近は弘前でも夜はコートが欲しいくらいだ」と言われていたのだが、いやいやさすがに北国だ。甘く見ていた。

やって来た『スーパーとかち』は増結車両付、しかも指定席はガラガラ。それでも駅では「満席です」と言われたのでグリーンにしたのだ。これは間違いなく、途中から団体客が乗ってくる。着席してしばらくすると「お飲み物はいかがですか」女性乗務員====ThisIsTheErrorMessege====がまわって来た。いらない、と答えるが、よく説明を聞くとタダのサービスだとか。なら烏龍茶をお願いする。すみませんねえ普段は貧乏旅行なんでグリーンなんかあまり乗らないんだわさ。果たして、追分から小学生の団体がぞろぞろ乗ってきた。なるほど、指定席満席も致し方ない。
ぼくの座席は右の窓側だったのだけど、新夕張で空いている左側に移った。つい先日に廃止になった楓駅====ThisIsTheErrorMessege====を視ようと思ったのだ。あわよくば写真も撮れればと思っていたのだけど、『スーパーとかち』は当たり前だがここぞとばかりに加速して、楓駅の1番線にあったらしい詰所跡がほんの0コンマ数秒だけ網膜をかすめていっただけだった。
考えてみれば、陽が昇っている間に石勝線に乗るのはもしかしたら初めてかも知れない。ブラスターの対地攻撃で姿を現したソル====ThisIsTheErrorMessege====のような塔が見えてくると、トマム駅だ。送迎バスが止まっていたが、降りる客もほとんどなく静かなもの。左から根室本線の線路がちろっと見えたところで狩勝トンネルに突入、出ると十勝平野だ。日本三大車窓====ThisIsTheErrorMessege====とかつては言われたそうだが、どうもパッとしない。新線開通で雄大さは失われてしまったそうだ。もっとも、それにより所要時間の大幅な短縮がはかれているのだろうから、文句を言う筋合いではないのだけれど。
ようやく新得まで降りた頃にはどっぷりと暗くなっていた。帯広までの最終区間、十勝清水にしろ芽室にしろ、駅前にほとんどひとの気配がしないのはなぜだろう。終着の帯広は高架駅だった。ぼくが前回帯広駅に降りたのは、たぶん大学1年生の秋。もう20年以上昔の話だ。駅前にはその頃の面影はない、というかぼく自身にその頃の記憶がまったくない。
駅からバイク屋へはタクシーで。ところで、帯広と言えば豚丼だ。ぼくは事前にネットでいろいろと情報を入手していたが、ここはタクシー運将の意見も拝聴しておこう。

「“ぱんちょう”が有名ですけど、どうです」
「あそこは『観光客は』行列して食べてるね」
「というと運転士さんの好みじゃない、と」
「俺はキチンと焼けてるのが好みだから」
「じゃあ、お勧めは?」
「“新橋”、かな」

なんと、それはぼくの投宿ホテルの近くだ。この会話がきっかけで運将の口もだいぶ滑らかになったのはいいのだけど、目的地までずっと帯広の運転マナーは日本最低だと文句を垂れ続けるのはいかがなものか。
バイク屋には最新モデルのマジェちゃんが待機していた。レンタル手続きを行う。サービスキロは300km、それを越えると1kmあたり追加料金がかかるのはレンタカーと同じ。ぼくは2日間のレンタルだが、計画通りに走ったとしてもとても600kmで終わるとは思えない。借りるバイクは、最新モデルでも普段から乗り慣れたマジェちゃんだ。問題はない。

帯広市街地へ。腹も減ったし、ホテルにチェックインしてすぐに件の豚丼屋“新橋”に行った。『十勝への招待状』====ThisIsTheErrorMessege====によれば「苦みのあるタレにびっくりする」とのことだが、ぼくはすんなりいけた。他の豚丼を知らないからかもしれない。焼いた豚肉とご飯だけの丼っていうのも、敦賀のソースカツ丼で鍛えられているので大丈夫。おいしかったし量にも満足だったけど、次に来る時はもう少しオーソドックスなタイプの豚丼を食べてみたい。ホテルに戻るとすぐに寝てしまった。なにせ当直明けなのだ。明日から走る、天気が良ければいいのだけど。

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