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地域リーグどうでしょう(第3話)
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日曜日。目覚ましは5時にかけたがそれより前に目覚めてしまう。いつものこと。5時半から朝食が食べられるのは実にありがたい。バイキングということもあって和食系でかなりガツガツと食べてしまう、すみません貧乏性なんです。6時の送迎バスで空港へ。いかにも『どうでしょう』な旅になってきた。
千歳行はAirDo====ThisIsTheErrorMessege====の運行。名古屋にいると縁がないAirDoは初めての搭乗だったけど、飲み物の提供がコーヒーと日本茶しかなかったり、機内誌が貧弱だったり、ああなるほどこういうところでコストを切っているのねと明確にわかる。眠さと疲れで意識をなくしつつ、千歳へ。もっと涼しいかと思ってたけど、それほどでもない。

さて、千歳に着いたらすることがある。しかも可及的速やかに。到着ロビーから出発カウンターに駆け上がる。

「15時45分の名古屋行、まだ空いてますか?」

そう、この日の帰りの札幌→名古屋も19時20分の最終便しか押さえることが出来なかったのだ。15時45分発の名古屋行は羽田出発段階で空席4。バースデー早割の便変更は出発空港でしか行えない。ぼくが羽田から千歳に移動している間に売り切れている可能性もあったわけだ。果たして「まだ大丈夫です」の応えに心底安心。3時間半早く帰れるってのは、大きい。実に大きい。

目的地は苫小牧、JRで行くことにする。南千歳駅で乗り換え、苫小牧行の電車を待つ。この駅の感じは身に覚えがあるぞ。欧州旅行で利用したDuesseldorfFlughafen駅と同じだ。そんな感慨に浸っていると、ピッ!と鋭い汽笛。振り返れば、やって来たのは『北斗星』だった。一度は乗ってみたいとは思うのだけど、ぼくの場合なにせ旅の基本は貧乏性と来ているので、時間を潤沢に使うという発想にどうしても立てない。客車列車の最後尾が見えなくなる頃に、苫小牧方面の電車がやって来た。
苫小牧。日なたで風がないと「あれ、暑いぞ?」と思うけれど、一度日陰に入ると、あるいは風が吹いてくると、ああここは北海道なんだとわかる。目的地の緑ヶ丘公園は駅の北側にある。市営バスに乗って「総合運動公園」で降りる。バス停から歩いて10分のところにサッカー場があった。ピッチはサンスポみえと同様に完璧だし、なにせこっちにはスタンドもある。天気がよければ最高の環境のように思えた。

ここでの試合はトヨタ自動車北海道×ブラックペッカー函館。ブラックペッカーはかつて函館日吉で北電とギリギリの試合をしたのを観たことがあるので、おそらく有利に試合を進められるだろうと思っていた。気になる選手は函館の19番。左WBだと思われるけどパスセンスもありコーチングもしっかりしていて、なかなか。逆に、あれれ~?と思ったのが函館の長身FW選手。印象的には、うーむ韓日W杯の時のハカン・シュクールかなあ。しかし前半終了間際にそのFW選手が打ったシュートが相手DFにあたりゴール。後半にはトヨタ北海道が右からの速く低いクロスをヘッドで綺麗にあわせて同点とし、このまま90分終了かなと思ったところ、件の函館のFW選手がゴリゴリとドリブルを仕掛けたところ倒されてPKをもらい、主将がきっちり決めて2-1で函館の勝利。うーむ、なにがどうなるかわからない。たしかに函館の方が展開力とか個々の精度はトヨタ北海道より上だったけど、後半途中に運動量が激減したりDFの集中が露骨に切れたりするのは課題かと。リーグ制覇はむずかしいかな。

かくして、名付けて『地域リーグどうでしょう』の旅は目的を達した。土曜日に九州リーグ+日曜日に北海道リーグなんてのはそう簡単に出来る旅じゃないし、正直言うけどもうやりたくない。やっぱ疲れますよ。


運動公園近くのラーメン屋「一国堂」で味噌ラーメンを食べ、苫小牧駅前のデパートで思うところあっていろいろと買いこんで、もうあとは帰るだけだ。駅には岩見沢行の単行ディーゼルカーが停まっていたので、せっかくなので沼ノ端まではこれで行くことにした。しかし沼ノ端駅は枯れきっているね。
南千歳で乗り換えて空港へ。職場の土産を揃え、さあもうすることはなくなった……………そうだ!違う!思い出したぞ北海道に残した課題!

スープカレーを食べるんだ!

札幌のローカルグルメだそうだけど、千歳空港のカレー屋にもちゃんとあった。あったのはいいんだけど、どう形容したらいいのだろう。まずいわけじゃないんだよ、たぶん。でも、とりあえず「次は札幌の本場の店で食べてみよう」と思ってしまうようなものだった。これで本格的に活動終了。
じゃからん嬢からの情報では東京優駿ではコスモバルクは2番人気だそうだ。そう言えば、南千歳から苫小牧に向かう電車の中で見た道新スポーツでは1面でバルク日本一いける!みたいなノリだったなあ。北海道の希望の星だもん、さもありなん。でも、ってことは1番人気はアンカツか。大丈夫かなあ、舞台はダービーだぞ。ここで搭乗時間になりメール情報は終わり。「名古屋からの情報によりますと、現地の天候は曇り、気温は30度と報告されております」との放送が流れて真剣にげんなりする。30度かよ~。
約2時間弱過ぎて、名古屋空港に無事着陸。ターミナルで携帯の電源を入れると、優駿の結果報告が入っていた。そうかあアンカツがダービージョッキーかあ。バルクは8着。これも勝負の世界の現実。うまやま師からもメールが来て、ハーツクライなんか買えるか!とご立腹。もっとも、師は最終レースで枠連1点に2万張りの渾身の大勝負に出て見事に単日黒字決算に。さすがだ。本人も「うまやまの看板は下ろさないぞぉ!」と宣言してきた。ぼくですか?今回のダービーは“ケン”を決め込みましたから。もし買ってても当たってなかったですね。勝負しない勇気ってのも、大切です。なんてね。


かくして30代最後の週末はこんな風にバタバタと過ぎ去っていった。ぼくらしいと言えば、らしいかも。

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