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地域リーグどうでしょう(第2話)
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5月29日、土曜日。朝食をコンビニで仕入れ、博多駅近辺の地下街を彷徨った。とにかくアビスパのポスターが見あたらない。西鉄はダイエー一色だったのだけど、かつて福岡市交はアビスパ応援モードだったはずだ。しかし、今度開通の七隈線====ThisIsTheErrorMessege====の告知キャラにダイエーの選手を使っていて、アビはどこに行った?目立たないところにようやく日程ポスターを見つけた。2部に甘んじる現状では仕方ないのかもしれないが……………。

博多からソニック3号で大分に向かう。今回利用するのは「2枚きっぷ」だ。要するに往復割引券なのだけど、その割引具合がすごいのだ半端じゃないのだ。「2枚きっぷ」は6,000円、つまり片道3,000円だ。「4枚きっぷ」だと片道2,500円になる。もちろん特急指定席料金付き。ちなみに正規で博多=大分を買うと乗車券だけで片道3,570円する。いかに半端じゃないかわかるだろう。
これだけのダンピングを仕掛ける理由は、もちろん高速バスの存在====ThisIsTheErrorMessege====だ。所要時間はあまり変わらずに、しかもバスは福岡の大繁華街・天神を通り、しかも往復割引で片道2750円。4枚回数券だと片道2,000円で売っている。まさに仁義なき戦いだ。料金サービスは利用客にとっては大変ありがたいのだけど、どっちもペイラインに達しているのだろうか。
ぼくもバスの方が安いのは知っていたが、とにかく今回の旅行では渋滞遅延が最大の敵だったので、鉄道利用にした次第。車内でうつらうつらしながらのんびり車窓を眺めているうちに、大分に着いた。特に語るようなことはなにもないが、驚いたというか困ったのが天候。雲の切れ目から覗く太陽光はかなり暑そう。天気は西から崩れるんじゃなかったのか?

大分からは豊肥線で三重町へ行く。大分で若干時間に余裕があったので、駅前のコンビニで日焼け止めクリームを買い、そして大分名物“だんご汁”を食した。極太の平麺の味噌仕立ての野菜入りうどんと言ったところだ。食べ終えて、みどりの窓口でオレンジカード購入。入口の足拭きマットはトリニータ柄だった。でも、あれ?トリのJ2時代に大分に来たときは駅員さんも全員が青いTシャツを着てトリニータ応援モードだったはずだ。今日はなび杯があるはずなんだけど。
大分から三重町までは普通列車で1時間弱かかる。本当に、ただのひなびたローカル線だ。三重町着。ちょうどJRバスの臼杵行がやってきたところで、数人の客を乗せて出て行った。三重町の中心街は駅から少し離れていて、そのせいか駅前は閑散としている。
ここから目的地の大原陸上競技場までは徒歩で10分くらい。地図を見たら結構近くで楽勝じゃんと思っていたのだけど、駅から競技場までの間に見事な河岸段丘があるのでぜえぜえ上らないといけないのだ。

たどりついた大原競技場では、九州リーグの全勝対決、沖縄かりゆし×ホンダロックの試合が行われる。NHK沖縄が取材クルーを出していた====ThisIsTheErrorMessege====のに驚く。しかしサポらしき姿を見かけないのはどうしたことだ。一方のホンダロックは応援団が大旗まで持ち込んでいる。試合の方は、開始早々のチャンス『にょ』====ThisIsTheErrorMessege====がキチンと決めて先制するも、そのまま膠着状態になり前半終了。この45分を観る限り、ホンダロックも手足が出ないというほどではなく、一瞬を決められるFWの差なのかなあと言った印象。かりゆしの加藤監督====ThisIsTheErrorMessege====もこのままじゃいかんと思ったのか、後半開始から前線にヨシカ====ThisIsTheErrorMessege====と長田を投入、スタメンFWを残したままさらに前線を強化して一気に押し込もうというのだろうか、しかしおかげでロックのカウンターを受けきる能力は落ちてしまい、同点勝ち越しまた同点と白熱した試合になる。観ている方は面白い。両監督もかなりヒートアップし始め、ロックの選手のケガにかこつけてテクニカルエリアの外まで出て別の選手に細かな指示を出す福田監督に対し、加藤監督はHey!FairPlay!FairPlay!と身振り手振りで大袈裟に抗議する。結局、終了間際に得たPKをヨシカがキチンと決めて3-2でかりゆし勝利。うーむ、でも圧倒的な強さが視れたわけでもないし、九州の1枠を守れるかは他のチームを視てみないとわからないなあ。

試合終了と同時に大原を離れ、徒歩数分。サンスポーツランドみえがある。大原からもサンスポみえでのNW北九州サポの応援は聞こえていた。それくらい近い。到着すると、ちょうど試合が終わって選手がサポのところに挨拶に来ているところだった。3-1でNWの勝ちだそうだ。
第2試合はヴォルカ鹿児島×アルエット熊本。ヴォルカサポはカメラマンを含め2名。一方のアルエットは10名くらいのサポが応援にかけつけていた。地域リーグに落ちてもサポが生き残って機能しているのは実に嬉しい。このサンスポみえというところ、芝は完璧と言っていい状態に整備されていて、プレーにはなんの問題もない。問題があるとしたら、観戦系の設備がまったくないことだ。まさにAtThePitchで観戦応援していくことになる。

明日はヴォルカとNWの試合があるせいか、NWサポは残って観戦していく模様。なかには、今日の21時から夜勤があって、終えてから明日また来るなんておっしゃる猛者サポもいて驚く。「片道4時間半だよな」と仲間に確認しているところをみると、大分在住じゃないな、おそらく北九州からだ。いやいや、とんでもない。
で、その第2試合はアルエットがプラン通りの試合を85分過ぎまでやってみせた。前半なかばあたりで先制し、ヴォルカの脅威・FW西をマークし仕事をさせない。このまま1-0で逃げ切りか?と思ったのだけど、終了間際のセットプレーでヘッドで叩き込んだのはやはり西だった。NWサポの一人が言う。「やっぱ西は別格だ」。90分が終了。九州リーグは90分で決着がつかないとすぐにPK戦になる。この時のNWサポの会話は聞いてて愉しかった。

「PK、どっちでやるんだ?」
「審判が決めるんだよ」
「違う違う、審判とマエダコージが決めるんだ」

思わず笑ってしまい、話の輪にちょっと入れてもらう。昨年の高岡コアでの地域決勝で、前田が開始早々に主審に対し「おいおいシロートかぁおい!」と威圧した話をすると、やっぱりなーという感じで納得してた。結局、PK戦はサドンデスに入り5-4でヴォルカが勝利。アルエットサポは崩れ落ちてしまい、ちょっと立ち直れなさそうだった。地域リーグでこれだけの応援戦が繰り広げられているってのは、東海地区からするとかなり羨ましい感じがする。しかし戦力的な面を考えると、いまのヴォルカやアルエットがかりゆしを止めるのは不可能かもしれない。

三重町の駅に歩いて戻り、九州横断特急に乗って大分へ。検札に来たのは“つばめ”のエンブレム付の制服を着た女性客室乗務員。手際が悪いんだこれがまた。ここで例の地域リーグ大好きS君からメール。「“九州横断特急”に乗ったって、人吉行ですか?====ThisIsTheErrorMessege====」………あのなあ。
大分では10分接続でにちりんシーガイア。ぼくの前に乗った女性はUBのTシャツを着ている。そうか、今日のなび杯はトリ×赤軍だったんだ。携帯サイトでチェックすると、赤軍が完勝の模様。もっとも、有害萌え萌えからのメールに寄れば今日のトリは梅田が戦線復帰したとのこと、明るい材料だ。じゃからん嬢からメール。「博多に向かってるんですか。もしかしてパスポート持参?」……………韓国に行け、ってのか!みんなでよってたかって、いったい俺にどうしろと。

ぼくの乗ったにちりんシーガイアは特に遅延することもなく終点の博多に到着した。ダッシュで地下鉄駅に降りて福岡空港行の電車に乗り、着くとこれまたダッシュで全日空の発券カウンターに駆け込んだ。

「20時40分の羽田行、まだ乗れますか?空いてますか?」

一番はじめに書いた、ぼくの今回の航空券はバースデー早割。ルールでは、出発当日に出発空港で予約便より前の同区間便に空席があれば変更が出来ることになっている。ぼくが今回押さえておいたのは最終便の羽田行、21時30分発。JR九州は特急に遅延が出ることがあり、====ThisIsTheErrorMessege====それを考慮して遅い便を予約しておいたのだが、遅延なく博多に戻れたのなら少しでも早い便に乗りたい。果たして、空席は余裕で存在し、ぼくは1本早い便で羽田に向かえることになった。ありがたい。

とにかくそんなわけでギリギリで搭乗手続きを終え、機内へ。乗るのはぼくが最後なんじゃないかと思っていたのだけど、あとから乗ってくる若い男達がいる。体格もよく、浅黒く灼けていて、スポーツ選手のグループなのは間違いない。さて、何のスポーツだろうどこのチームだろう、と注視してびっくり。締めたネクタイは臙脂色で赤白黒の盾のエンブレムが……………


レッズですかぁ?!


顔と名前が一致したのは、入ってきた順番に室井、山瀬、岡野、山田ノブ、トゥーリオ。室井はハンサムでした、トゥーリオは男前でした、岡野は目立ってました、ノブはオロオロしてました。オーラを放っていたのは山瀬。いやあ、かっこええわあ。男が視ても溶けちまいそうなくらいかっこ良かった。

彼らが板付から帰路につく理由、それはぼくが三重町から板付まで移動したのと同じ。大分→羽田の最終便が早くて間に合わなかったのだ。レッズ選手団も17時も試合が終わってからバタバタとバスで移動したに違いない。いやいやしかし、早めに動いた甲斐があったと言うものだ。

羽田に着くとホテルへ直行。どうでしょう旅行を名乗る以上、宿は当然『羽田東急』しかあり得ない。====ThisIsTheErrorMessege====チェックインして、実は埼玉出身であたしには浦和の赤い血が流れている!と断言するじゃからん嬢に羽田行飛行機の件をご報告。彼女はそうした遭遇の経験がないそうで、うわあレッズですかあ恨めしい……あっ間違えた羨ましいと実に正直な感想が飛んできた。疲れもあってサクサクと寝てしまう。

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