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函館~仙台(2)
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競技場の中は既に満員状態だった。陸上競技場に向かう客が少なかったのは、もうみんな中に入っていたからなのだ。ぼくのチケットはA自由席。バックスタンドすべてが対象なのだけど、函館千代台はメインとホーム側G裏だけ改装してあってバックとアウェーG裏は芝生なのだ。なかなか差別的な扱いをしてくれるじゃないか。バックスタンドには着席どころか立席の余地すらなく、しょうがないので鹿島側のゴール裏のわずかな隙間にねじ込んで観る。ついにマクサンドロどころかロブソンまでベンチ外か。もはやなりふり構わずだね。配られていたMDPにも「ホームなのだ。よそゆきのプレーはいらない。ずる賢く、泥臭く、勝たなければならない。最も無様なのは負ける事だ」と悲壮感全面展開。しかしサッカーそのものは、まあ確かに悲壮感漂うものではあった。もちろん中盤は鹿島が支配するのだけど、鹿島の方もかなりヘタレているので退屈極まりない。千代台は函館空港の着陸コースの下にあるようで、時折飛行機が低空でやって来る。YS11なども見る事が出来、退屈を紛らすことが出来た。
後半0-2となったところで札幌ユース上がりの新居====ThisIsTheErrorMessege====がゴール。その後、鹿島・平瀬のPKが失敗になり一気のカウンター、ここが一番盛り上がった場面だったが、残念ながら本職のFWではないパワープレー要員のDF曽田だったおかげでシュート打てず。結局最後は長谷川に押しこまれて1-3。しかしこの選手も息長いね。

試合終了と同時に競技場を出た。千代台の電停には臨時電車も待っていた。さすが函館市営、しかし電留線もないのに、結構綱渡りの運用だよなあ。万が一札幌ががんばってロスタイムに同点になって延長とかになったらどうするんだろ。もっとも、そんなことはあり得ない!ときぱっと割り切ってのことかもしれない。そこらのコンサファンより情勢分析は冷静だったりして。
電車を松風町で下りて、ラーメン屋「鳳蘭」へ。ほうらんだ。おおとりらんではない。函館のラーメンらしく、ただラーメンと頼むと塩が出てくる。ビッグ焼売つきの定食を頼んだ。おばちゃんが「電車がすごい混んでる、サッカーが終わったんだ」と話しているので、「3-1で負け」と話すと「いま調子悪いんでしょ」と即答が返ってきた。サッカーに詳しいようには見えない。きっと道内でもかなり厳しい報道がなされているのだろう。相手は去年のチャンピオンだからと軽くなだめておいた。ラーメンは塩味なのであっさり。絶品というわけではないが、本州のそこらのラーメン屋のよりはうまく感じた。

函館駅の中に入る。連絡船時代の面影はない。行き止まり式のホームにもノスタルジーはなかった。スーパー北斗に打ちひしがれた札幌サポや修学旅行生や乗り込んでいく。大阪行の寝台特急日本海が出ていった。5両組成なのね。青森で増結するのだろうけれど、寂しい光景ではある。
ぼくの乗る快速海峡は狙い通りの50系客車。しかし、50系=ワインレッドと刷り込まれているおやぢ鉄道マニアには、ドラエモンカラーはちょっとカンベンだなあ。もっとも乗ってしまえば関係ないのだけどね。函館の経済は五稜郭に移ったと言う話は書いたけれど、五稜郭駅は名ばかりで公園とは結構離れているし公園方面に行く路面電車も廃止になったしで、うら寂れた雰囲気は隠しきれない。ここから列車は函館湾をぐるりと回っていく。茂辺地あたりまで左手の車窓に函館山と街が見え続けた。夜に青森側から入ってきたらさぞ旅情をかき立てられる風景になることだろう。
木古内までは江差線、要するにローカル線だ。貨物輸送のメインルートでコンテナ列車がガンガン走る路線のはずだが、路盤が悪く乗り心地はイマイチ。木古内を出て左に松前線の廃線跡を確認すると、海峡線の高規格線路になって乗り心地も劇的に改善。青函トンネルに入る。要するにただのトンネルなので、乗っているだけだからどうということはない。最低地点を通過したからと言ってファンファーレが鳴るわけでもない。トンネルに入る前は深い黄昏時だったのだが、出た時には完全に夜になっていた。驚いたのは津軽今別駅で降りた客がいたことだ。三厩に行くのだろうか。
青森駅に到着。疲れたし食べたいものもあったのですぐに駅を出て市営バスで市内へ。市役所前で降りて「中華料理えんぶり」を探す。ここの海鮮チャーハンや海鮮焼きそばがうまいらしい。しかしようやく見つけた店には張り紙があって、先日はボヤ騒ぎを起こしてしまい申し訳ない復活開店準備中なのでしばし待たれよとのこと。なんだよー楽しみにしてたのにー。しかたない、歓楽街を歩いて今日の宿・ホテル青森へ。青森一の格だそうで、確かに従業員の態度もぼくが普段泊まる安ホテルとは全然違う。海鮮中華屋にふられたのでホテルの部屋で速報Jリーグまで視て、ラーメンを食べに夜の街に出た。どこもパッとしない中で、平凡パンチの表紙などを飾ったレトロ風の店に入ってラーメンを食べた。魚系のダシが全面に出ていて好みがわかれそう。店員の態度もあまり良くなく、ちょっと幻滅。ホテルに戻って寝てしまう。

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