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travelnotes : domestic
1996/11/03 五戸町
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なんとなく、どこかに行きたい気分だったってのは、あるんです。ちょうど11/3に大学のOB会が仙台であったものだから、
「よし、天皇杯1回戦は東北だ」
との結論が出たのは早かったんです。1回戦、東北では3試合がありました。仙台ではソニー仙台、盛岡では盛岡ゼブラの試合が組まれていましたが、五戸町でも試合があるっ!と知った瞬間、ほかの競技場はどうでもよくなってしまったのです。「うえのはつのやこうれぇっしゃ・・・」なんてゴキゲンに歌いながら北に向かったのでした。

八戸駅が街のどっぱずれにあるのは知っていましたが、ホントに何もなくてビックリ。で、ぼんやり五戸行の始発のバスを待っていると、なんとなんと、タイコ担いだサポーターな方が2名いらっしゃるじゃないですか。その方々も夜汽車で来たので、五戸町役場のサポじゃないことはわかる。でも、

・・・・・なんでサンフレッチェなの?

尋ねると、「普段はサンフのサポーター。勤務先が三洋電機なので」とのこと。なるほど。柏でレイソルvsサンフを観て、その足で乗り込んできたのだそう。タフな方々です。

小型のバスに揺られて約1時間、五戸駅====ThisIsTheErrorMessege====に到着。「会場まで臨時バスがある」という話でしたが、街と会場のあいだに温泉があるのは調べておいたので、ちょっと坂道を上って朝風呂。ゴキゲンですわ。10時過ぎまでのんびりして会場入り、それでも時間は圧倒的に余っている。まだ係の方も来ていない会場にいてもしょうがないので近くを散策すると、南部地方の物産展とかいうのをやっている。五戸駅の方が「会場まで・・・」と言っていたのは、試合会場ではなく物産展のことだったのです。で、そのアトラクションとして天皇杯1回戦ということらしい。なかなか豪快です。物産展といっても地元の方向けですから生鮮食品とか生活用品系統が多く、残念ながら旅人が買い求めるようなものはほとんどない。ただ、馬のモツ煮込みはうまかった。さすが南部地方だなあと舌鼓を打ちつつ、この馬はどこを走っていたのだろう、盛岡?水沢?なんて考えてしまう。で、考えながら結局何杯も喰ってしまうんだから、人間なんてそんなもんです。

試合の方は2-1で五戸町役場の逆転勝ち。でも、三洋電機の自滅という印象が強かったなあ。とにかく試合が延長戦にならなくてよかった。急いで仙台に行かないと、OB会に遅刻してしまう。私は急いでバス停に向かいました。八戸行のバスの窓から

「坂とサッカーのまち 五戸町」

という看板が見えました。なーるほどねえ。いつか、レイソルの下平がこのチームの監督になったりするのかな。鹿島、というよりNEC山形の手倉森兄弟がコーチ、とか。


私が五戸町で五戸町役場SCを観たという話は、その後各地で失笑の渦を起こしたそうです。でも、人口が1万いない街のチームが全国に撃って出た、その緒戦を生で観た約600人の観客の一人だった、というのはいまでも誇りに思っています。

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