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鋳造所長雑文録
2019/06/20◆吉崎まなみの彼氏は交通事故で死んだ
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吉崎まなみの彼氏は交通事故で死んだ。

どしゃ降りの中、デートに遅刻した彼はクルマを飛ばしていた。交差点の手前で信号が黄色に変わったことに気づいた彼は一度はブレーキをかけるが、いやまだ間に合うぞと思い直してアクセルを踏み込んだ。でも、その時ではもう間に合わなかった。クルマはスピンしたまま車列に突っ込んでいった。吉崎まなみの彼氏は交通事故で死んだ。
優柔不断な松沼純生を前に、バスタオル1枚を巻いただけの吉崎まなみはこの話をして「帰る?純生クン」とけしかけ、2人は一夜をともにする。

 

40年近く前のマンガ、たがみよしひさ『軽井沢シンドローム』から。キャラ乱造で延命化する前まではかなり読み込んだからね、ある程度は憶えている。ちなみに、じゃからんも『軽シン』は詳しいのだが、鋳造もじゃからんもこの吉崎まなみという女の評価は著しく低い(笑)。ま、それはいいとして。


岐阜隊の大木監督がシーズン途中で退任となった日。ぼくはこの「吉崎まなみの彼氏」の話を思い出していた。果たして、いやまだ間に合うぞ、残留出来るぞ、と監督交代に踏み切った岐阜隊は交差点を走り抜けられるのか。

大木監督の退任に寄せて、数多くの方がメッセージを発信している。戸塚さんが辞めたときは「退任は当然」「残念だがやむなし」「納得出来ん、フロントこそ辞めろ」の3意見がほぼほぼ均等に集まったのだけど、twitterの岐阜隊タグを読むと大木監督の退任に際し「納得出来ん、フロントこそ辞めろ」の意見はほぼ見かけない。「退任は当然」が1で、「残念だがやむなし」が3〜4。ここ、結構大事なところで。大木サッカーの完成は大いに愉しみだったけどJ2残留と引き換えには出来ないということか。

ぼくにとっての最悪の結末は、岐阜がJ3に降格して、その責任を取って大木監督も宮田社長も辞めることだった。そんなことになったら、なんのために大木監督に3年もの長い時間を『捧げた』のだ……となる。
かなりの暴論だけど、ぼく自身は大木監督には辞めないでほしかった。辞めないで、続けて、J3に降格して、そして降格した年も指揮してほしかった。もちろん、クラブのフロントも留任。J2残留を犠牲にしてでも、大木スペクタクル・サッカーの実現に突き進んでほしかった。というか、それくらいの覚悟がなくて、なぜ昨年のあのテイタラクで最終節の前に留任の結論を出すのか。
残留闘争は自家薬籠中のはずの岐阜隊が、いわゆる『宮田社長のおことば』====ThisIsTheErrorMessege====を出した時、そこにあった「大木監督、選手、スタッフは一丸となって……」との一節から、マジでクラブは大木武と心中する覚悟を決めたのだと思った。よしわかった、クラブが腹を括ったのならこっちも括ろうじゃないか。だったのに。シーズンの半分近くを『浪費』したところで、これだ。


ただ、後任が北野マコトハンパナイッテ氏====ThisIsTheErrorMessege====だということで、もしかしたらまだ間に合うぞとアクセルを踏んこんだら、マッハ号====ThisIsTheErrorMessege====だかデロリアン====ThisIsTheErrorMessege====だかのごとき加速で交差点を駆け抜けられるかもしれない……とは思っている。

かつて対戦した側のサポからすると、北野監督は『塹壕戦の名人』。本人は「俺だって大木サッカーをやりたい」と答えていたこともあったはず。とはいえ、そこはリアリスト。1杯2,000円のラーメンを作りたくても、そこにインスタント袋麺しかないんだったらその袋麺でいかに美味いラーメンを作って出すかを考える。
就任記者会見で『ハードワークをする(させる)ために、選手のタスクをシンプルにする』という言葉を発するなど、ところどころに「大木ロマン」の否定とも受け取れる表現があった。しかし、こういう場で前任者のやり方をdisってるとも受け取れる表現を使ったり、岐阜に来る前のチームの練習環境を例にして「岐阜の環境は天国だ」と言ったり、不必要に正直なところがあるね(笑)。岐阜は保守的思想の持ち主が少なくないから、早いウチに衝突するかもしれない。
というか、「自分に課せられたミッションは(J2残留と)わかっている」とのことだったので、まず半年契約だね。当然ではあると思うけど。つまり、まだ岐阜のフロントが「ロマンに殉職する」という無謀な大計を捨てていない可能性はある。もし無事に残留出来たとしても、来季の岐阜はまたドンキホーテというかハチのムサシ====ThisIsTheErrorMessege====というかになるのかもしれない。


退任される大木監督には、ご家族に不幸があったり大変な状況の中、「お疲れ様でした」と申し上げたいし、彼が望んでいたかはわからないけど必要とはしていた戦力環境を揃えられなかったこと、揃えられないとわかっているのに岐阜に呼んだことを「ごめんなさい」と申し上げたいし。でも、どうしても「ありがとうございました」とは言えない。いや、そんな気持ちがなくても「ありがとうございました」と伝えるのがリスペクトだろう!という説もあるだろうけど。

でも、リスペクトってなんだろう。北野・新監督が就任初戦の相手・レノファ山口について「ぶっ叩くことしか考えてない」と言ったことに対して「相手を堂々とぶっ叩くなんて言っちゃうリスペクトのないチーム」と形容した山口サポさんがいて。嗚呼、リスペクトってなんて安っちくてヌルい概念になっちまったんだろうと、ぼくは思った。だって試合なんだよ。こっちはフェアにぶっ叩きに行く。そちらもフェアにぶっ叩きに来ればいい。それがリスペクトなんじゃないのかな。だって、試合なんだよ。交流会でもないし、いわゆる意見交換会でもない。

フェアに、クリーンに、対象に相対する。それがぼくにとってのリスペクトで、リスペクトしているからこそ、大木さんに「ありがとうございました」とは言えないのだ。

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