cyic.co.uk 吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2017/08/22◆皇帝のいなくなった八月
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しばらく雑文を書いていませんでしたね。8月に入って少しずつ“準備”をしていまして。まあ、それはおいおい書く機会もあるでしょうということで。まずは岐阜隊からみを。

7/22 第24節
岐阜 0-2 町田

京都に勝った時も「問題は次の新横と町田だ、特にリアリスト町田とどう戦うか。2試合で勝ち点1はミッション、勝ち点2なら上出来」と言っていたのだけど、まあ予想通りに勝ち点0でございました。

町田のゲームコンセプトはとてもハッキリ、そしてしっかりしていた。受け身にならず走り切れ。プレスをかけろ。90分動き切れ。岐阜の暑さは知られているとは思うのだけど、「これでへばっていては町田では生きていけない」とでも言うように序盤から突っかけてくる。でも、観ていたぼくらには無謀には見えなかった。プレーから滲み出る、「この暑さの中でも走れるだけの訓練は積んで来たはずだ。それを見せてみろ」との相馬監督の強いメッセージ。もちろん、試合終了近くには動きの量も質も落ちた。それでも、カラダを張ってクリーンシートを貫いた。相馬監督も記者会見で試合が終わった時に倒れていたのは自分達(町田)の方だったと言っている。町田サポの皆さんはチームを頼もしく、誇らしく思えただろう。

この日の岐阜はとにかくサイドを使った。まるでサイドからしか攻めるなとプレーに“縛り”をかけた====ThisIsTheErrorMessege====みたい。なんかヘンだな……と感じたのだ。なんだろう、この違和感。

大木サッカーは、いつ完成するのだろう。いや、永遠に完成しなくてもいいけれど、いつ「このサッカーで勝ち負け」のレベルにまで到達するのだろう。今季のホーム戦で一番ガチにキツかったのは、「ペンペン草1本も生えない日照りのような戦術」だった片野坂さんの大分。町田は、あの大分ほどではなかった。でも、その町田のプレスをかいくぐれない。これは、やはり選手のボールコントロール技術に行きつく気がする。『フットボール批評』で風間大僧正が「ボールを止める」技術に対して粘着ともいえる執着(笑)を披露していたけれど、ウチの武将や大僧正が好きだろうと思われる、いわゆる『わぁい、あかりバルセロナ大好き〜』なサッカーは「選手がボールを失わない」ことを前提に設計しないと成立しない。出す側も、受ける側も。さて、今季の岐阜の選手で、これを前提に出来る選手がどれだけいるか。今季を残留で乗り切ったとして、結構な数のメンバー交代を余儀なくされるだろう。また、大木サッカーは1から作り直しだ。そりゃバルセロナには「いつでもUnder Construction」な建造物====ThisIsTheErrorMessege====があるけど、そこまで参考にしなくたって(苦笑)。


大木監督の言う『Money for Value』という考え方。====ThisIsTheErrorMessege====お客さんに何を見せておカネを払ってもらうか。こういうテーマをしっかり持っている監督はありがたい。プロ向きだ。ここまではいい。さて、何を見せようとしているのか。「勝つところを見せようとしている」がテーマではないのは間違いないだろう。それが目的なら、リアリズムに溢れたJ2標準のサッカーをするだろう。大木監督は「魅力的なサッカーで勝つところを見せようとしている」がテーマだろう。ここまではいいよね。ぼくも納得だ。「魅力的なサッカーで勝つ」チームを作るのは時間がかかる。これもOK。問題は、納期だ。
この『納期』という概念は風間大僧正のサッカーについて使われたテーゼだが、もちろん大木監督にも通用する。もし納期が今季の上半期だったら、もう出来上がってないといけないけれど、もし納期が今季中だったら、チーム構築にまだ時間をかけて構わない。が。

(♪Che Vuole Questa Musica Stasera♪)
「タケシです………1年かけて、ようやくやりたいサッカーが出来るようになりました………パスも前線でつながるようになりました………綺麗なゴールも決まるようになりました………お客さんも喜んでくれています………でも、いまチームはJ3にいます………タケシです………タケシです………」

この下半期にお客さんにおカネを払って見てもらうモノは、上期と同様に魅力的なサッカーで勝つチームが出来上がっていく「過程」ということになる。でも、シーズンも後半になって「入場料の対価として提示するのが過程」というのが正しいとはぼくには思えない。「いらっしゃいませ!当店は絶品のマグロ料理をご提供します!」と謳った店に入って「じゃあ、マグロ刺身定食の“特上”をください」と注文したら「かしこまりました!いまから大間までマグロ獲りに行ってまいりますので、しばらくお待ちください」と出て行って、客は漁船据付のカメラで捉えたマグロと格闘している映像を見ながら漬物をかじりながらお茶を飲む。たしかに、特上のマグロ刺身は味わえるだろう。でも、それっていいの?という。

7/30 第25節
岐阜 2-0 群馬

試合前。庄司の出場停止====ThisIsTheErrorMessege====が絶妙のタイミングでやって来た、とぼくは思っていた。ほとんど“皇帝”としてのプレーだった庄司の不在。致命的かもしれないこのハンディキャップを、最下位ながら降格圏脱出に燃えて挑んでくるザスパ相手にどうクリアーするか。「皇帝のいない七月末」====ThisIsTheErrorMessege====に注目だった。しかし、それは壮大な勘違いだった。
残念ながら、対戦相手のザスパは降格圏脱出に死に物狂いではなかったのだ。見るからに、ノープラン。DFは怯えてただ下がるだけ。『岐大通』のライター陣が揃って指摘していたのが「これ、去年のウチのサッカー」。試合後には、「カテゴリーが2つくらい違った」というキツい指摘をする仲間もいた。これでは、快勝の理由が「庄司不在の状況を綺麗に消化したから」とは断言できない。
とは言え、収穫は明らかに悠斗。先制点のトリガーになった群馬DFからのパスのカット。これまでの庄司だったらまず行かない、というか行けるポジションにいない。カットした悠斗が自分で上がって最後は『時空戦士』……っぷりが少しおとなしくなったクリスチャン。====ThisIsTheErrorMessege====2点目は悠斗のCK直接、というかニアに立ってたスイルが逃げてGKがQBKになったもので、あれはGKのせいにしたら可哀想。スコアは2-0だけど、負ける気がしねえ、そんな試合。これで『庄司ステージ』と『悠斗ステージ』の2つのアンカー・スタイルが用意出来たと思った。対戦相手によって使い分けることが出来るかもしれない。暫定の“臨時共和制”政府はとりあえずうまくいった。


古株の岐阜サポは、ザスパに特別な感情を持っている。まだ東海1部だった頃、地域決勝の前に天皇杯で対戦しているんだけど、カムアウトするけどサポの他にチームスタッフも「いけるんじゃね?」と甘く見ていた部分がある。結果、「地域リーグ風情の岐阜がなんかブイブイ言ってるけど、ちょっと揉んでやる?」という感じで戦力と経験値の違いを見せつけられて0−3。岐阜はこれで地域決勝に向けて「これではダメだ」とネジを巻き直し、JFL昇格を勝ち取った。いわば「オトナの世界」を教えてくれた相手がザスパだ。実際、岐阜がJ昇格2年目にザスパに初勝利を挙げた時、メインスタンドで「やっとザスパに勝ったあ〜」と叫んだ古株サポもいたのだ。

そのザスパの、サポの試合後の選手の迎え方。ブーイングだったね。それもちょっと荒れ気味の。あれれ、わかってないのかな?と思ったけれど、そう思ったのはぼくだけじゃないみたい。岐阜サポは不本意ながら残留争いの場数は踏んでいる(苦笑)から、わかる。もうブーイングで迎える時期は過ぎているということを。
補強をするにしても、選手を全とっかえ出来るわけじゃない。いまの選手にがんばってもらわないと、降格だ。『この状況を変えるのは自分達次第』のダンマクで、ぼくやぼくの仲間が感じたのは「サポが選手を突き放している」ということ。「一緒になんとかしよう」ではなく「なんとかしろ」。クラブ内にもかなり根深い問題があるのはいろいろ見聞きしている。端的に言うと餓死しそうだったんで毒まんじゅうと知って食べたら猛毒だったってことなんだろうけど、それでも喰っちまった以上はそれで戦うしかない。

8/11 第27節
岐阜 1-1 岡山

こんなにも、前半25分までとそれ以降で内容が変わっちゃうとは。いや、岡山が。
序盤は、すみざりーんにされた昨年の長良川====ThisIsTheErrorMessege====と同様に「おたくとは練習の質が違うのですわ」という感じの展開で、序盤のままだったら0−3で負けもやむなしだった。ところが、そんな風に圧倒されながらも、なんか中盤でボールが拾えてサイドに展開とか出来るようになる。これ……もしかして、雉さん止まってない?
後半になっても岡山の動きの悪さはそのまんま、なんか左右の脚にそれぞれ1キロのアンクルウェイトを巻いてプレーしているかのよう。これは明確に、岡山はこの日の長良川の湿度の影響を受けている。序盤でヤンチャぶりを発揮した豊川は警告もらって後半の早めに下がるし、前半のうちに古橋や福村が轢いていってくれるまでその場に凍りつき、それからむやみにのたうちまわる哀れなウサギになってしまった澤口はパッチ当てるような交替で下がったし、3枚目も警告持ちの塚川。積極的な戦術的交替ではなくすべて慌てふためいて穴に蓋をしたかのよう。そんな岡山相手にゴールを割れない。ケンセーには申し訳ないがFW属性の不足は顕著な気がした。しょうがないんだけどね、そういうタイプじゃないだろうし。でも、もし時空戦士が負傷しないでそのままいたら勝ち点3まで行けたような気がする。
同点ゴールは庄司のダイビングヘッド。あの庄司が相手ゴールエリアまでやって来るなんて有史以来なかったことだ(比喩)。これに関しては武将が「なんでもっと早い時間からやらないんだ」とご立腹だったんで、選手で決めたんだね。というか、庄司が「あそこ(GKの前)薄くなるんで、俺、行ってくるわ」と言い捨てて上がってしまい、悠斗は「お、おう…………」とスウィーピングを引き受けたんじゃないか、なんて話をしていた。悠斗のユーティリティーが発揮されたね。この試合のMoMは彼だと思う。

とにかく、八月に、岐阜に皇帝はいなくなった。CBに守られた状況でパス出ししか選択しない皇帝はいなくなったのだ。ぼくはそう思う。

8/20 第29節
岐阜 0-1 讃岐

『結局、ここに帰ってくる。』というウイスキーの名広告コピーを思い出させてくれる試合だった。白状しよう、ぼくは嬉しかった。あの『北野式塹壕』が戻ってきたことにだ。
もしかして、北野さんは今季をチームを新たなフィールドにシフトさせるための実験に使ったのかもしれないな、と思った。マジノ女学院のように。====ThisIsTheErrorMessege====でも、それはうまくいかなかった。残留争いに巻き込まれた。よしわかった、防御戦に戻そう。何年もかけて濃縮してきた「1−0で勝つ」血が釜玉には流れている。だから、いつでも戻せる。おそらく、残留の達人の域に達しつつある釜玉サポは「別に残留闘争がやりたいわけじゃねえんだよ」とは思いつつも「大丈夫、これが出来れば残留闘争は戦える!」と思ったんじゃないかな。

意外だったのは、試合後に岐阜ゴール裏が選手をブーイングで迎えたことだ。まあ、不満があったからブーイングなんだろうけど、何が不満だったんだろう?この試合で不満に思うことがあるなら、それはこれまでの試合でも不満に思うことだったはずなんだ。もし、半年以上かけてチームが完成していないことに対する不満の顕れだったらわかるんだけど。たぶん違うよね。
この日の『北野式塹壕』を破れない岐阜の現状は、たぶん今季の残り時間で打開出来ないだろう。今季は大木サッカーの“種蒔き”と割り切って、メンバーの入れ替えを経たうえでの来季に期待、だね。あ、ぼくはこの今季のメンバーで2年目の成長した大木サッカーを!なんてニュートリノ1個分も思っていませんから(きぱっ)。


下位の状況次第では、もしかして今年も『岐大通』にJ3順位表を載せないといけなくなるんじゃ……?と心配してたんでちょっとした小ネタを用意していたんだけど、どうやら最下位は固定されたっぽいし、J3を視ても権利持ちのワンツーはないかな?====ThisIsTheErrorMessege====という感じなんで、どうやら残留は大丈夫みたい。でも、ボツにするには惜しいくらいうまく作れた(笑)んで、ボツネタとして公開====ThisIsTheErrorMessege====します。ボツネタのままで終わりますように!……わははははははははははのはー(笑)。

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