吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2015/07/26◆お久しぶりの雑文です
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人間には長所も短所もない、あるのは“性格”だけだ

「中古マンション買って引っ越すか」という話があるということだけは、旅行記にサラッとだけ書いた。結局、ずっと家賃を払い続けてる生活というのも無理だし、このトシでいまからローンを組むのも非現実的だし、幸いなことにウチには実家に若干の貯えもあったので、資金流動の活性化を狙った「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」====ThisIsTheErrorMessege====を活用させていただこうと、と親と交渉、なんとか資金のメドもたった。

「中古マンションは管理で買え」「中古マンション探しは数をこなせば目も肥える」と、専門家や中古マンション購入の先輩方からご助言もいただく。こちら側の選択条件として、第一に「ぼくらはもうそこで老いて死ぬ」というのがあった。だから、まずはバス停まで近いこと。スーパーまで近いこと。バスに乗って病院まで行けること。こどもはいないしこれから作る気もないので、学校とかの条件はない。そして、岐阜市。出来れば駅の西側。近い方がいいから。
まず、すぐ近所に結構というか相当安い物件があった。あまりの安さに「これは絶対に何かある」とは思ったけれど、そもそも「中古マンションというものがどういう風に売られているのか」もわからないので、とりあえずと不動産屋に連絡した。で、中を見せていただくと……

「うわあああああああああああああ」

これはもう、ほぼ“放置”に近い。中古マンションって、こんな状態で売りに出されるの?聴けば、所有者(名義人)が亡くなったけれど資産価値よりローン残債の方が多いので相続権利者が全員放棄してしてしまった『管理物件』なのだった。あーなるほど、それならわかる。管財の弁護士さんからしたら、もういくらでもいいんでゼニにしたいという状態なのだろう。往生値段なのは理解できたけど、入居までに相当のリフォームが必要になるし、築年数を考えるとさすがに手は出せない。
次に考慮した物件は、いまより部屋は狭くなるが値段は高め。居住効率より“ステータス”を載せているようなタイプで、ぼくらのような現実主義者には向かない。そもそも、バス停からもスーパーからも遠いし、さらに専門家の情報ではたこの物件の地域は「自治体活動」に『異常』と言っていいくらい熱心====ThisIsTheErrorMessege====なのだそうで、これは落ち着いて暮らせないな……と、視察することもなかった。3番目は、居住者がいる物件だったので視察不可で、その居住者はマイホームを買うだかで売りに出していたのだけど、その買う話が頓挫してしまって『売る』話も消滅。

結局、4番目に考慮した物件を購入。『駅の西側』に拘り過ぎていた視点を広げたら、ふっと目についたのが岐阜駅の南南西。バス停もスーパーもすぐ近くにあるし、バスで病院にも行ける。そりゃスポンサー・セイカ様からは遠くなったけど、鋳造家の経済を考えたら逆に好作用だったり(笑)。さっそく不動産屋に連絡して見せてもらうと、逆に「なんでいままで誰も買わなかったの?」というくらいの好物件。なんでも、メインの道路が近いので「音が気になる」という視察者が多かったのだそうな。でも、ぼくもじゃからんもそこそこ旅慣れているので“夜の繁華街”のド真ん中の安ホテルで夜通しガヤガヤの中で寝るのなんてしょっちゅう、この程度の音でどうにかなるほどセンシティブではない(笑)。じゃからんも気に入ったようなので、これはもうすぐに手を打つべきだと確信。値段交渉とかで時間をかけたくないので、もとの売値に対し「100万円未満切り捨て、これで一発でどう?」と投げかけ。時間をかけたらもっと安く出来たかもしれないけど、その分だけ居住中の賃貸マンションの家賃もかかる。しかも、その賃貸マンションの火災保険が7/23で満期になる。さらにさらに、職場では秋のシルバーウィークに特大のイベントが予定されているので、8月になったら週末も休めるかどうかわからない。7月の“海の日連休”しか転居を仕掛けられる時がないのだ。ありがたいことに、売り主さんも一発回答で納得してくれて、売買契約を6/8、「売買契約後の破棄は違約金1割」としての購入決済日を6/18と設定した。

実際に見た物件は2つだけで、それで決めてしまったことになる。約30年前の就職の際も、最初の1社の訪問で自分の中では決着してしまった。どうやら、いろいろ視ると決められない性格なんだろうね。
萩尾望都の『メッシュ』に「人間には“性格”しかない。それがその場でいい方に作用すれば“長所”になり、悪い方に作用すれば“短所”になるだけだ」とかいう表現があったと記憶している。物事をすぐに決めるひとを「決断力がある」と呼ぶか「せっかち」と呼ぶか、その逆のひとを「思慮深い」と呼ぶか「優柔不断」と呼ぶか。とにかく、ぼくはこの50年をそういう風に生きてきた。

街のはずれでシュビドゥバァー

さて、売買契約を無事に終えた日に「物件の購入には先に住民票を移しておく必要がある」と言われたんで市役所とか警察とかの手続きも済ませて。これでもう、購入決済日の前に転居の準備を粛々と進めるしかない……という、果たしてその数日後。勤務日の午後5時に、

「突然忍び寄る、怪しい労務係長」

に遭遇したわけだ。まさに歌に出てくるまんま。====ThisIsTheErrorMessege====招かれた部屋には部長と労務課長がいた。まあ、この2人が揃っている個室に呼ばれるのだから目的はわかるが、さすがに上に書いた“秋の特大イベント”があるので、職場内の配置替えだろうと見切っていた。だから、「異動だ、外に出る」と言われた時には瞬間で体温が1度下がったね。どこかで血液が凝固したかもしれない。だって、だって通えないところに異動だったらマンションの購入キャンセルだよ?違約金1割だよ?百万で済むレベルの話じゃないよ?「(どどどどどどどどどどどどどどど)どこなんです?」と訊いて異動先を知ったぼくはまた体温がもとに戻ったさ。嗚呼、その職場なら岐阜から通える。しかし、サラリーマンの世界には「マイホームを買ったヤツは遠隔地に異動させてもローンを抱えてるから抵抗できない」という都市伝説があると聞いたことがあるが、自分がそのシチュエーションになるとは。ちなみに、6/18の“決済日”に不動産仲介屋にその話をしたら「ありますね」と即答だったので、もしかしたら都市伝説ではないのかもしれない(苦笑)。

というわけで、13年以上いた職場を離れることになったわけ。自分の転居と、職場の異動の平行タスク。さすがにキツいよね。そんな中でも岐阜の試合とか中国リーグとか合歓の郷とかには行っちゃうわけだけどさ。
でも、さすがに7月に遠征は入れられなかったね。岐阜のホームが精一杯。新横戦も『聲の形コラボグッズ』買ったら帰宅して作業に入らざるを得なかった。ぼくの方の荷造りはそこそこの進捗だったけど、じゃからんはキツかったと思う。一応、いまの仕事は“世を忍ぶ仮の姿”で、本当にやりたい方の仕事の資料がわんさかある。なにせ、6年前に転がり込んで来た時には『鉄道コンテナの直づけ』で越してきて到着を見ていたぼくは腰が抜けたわさ(笑)。なもんで、手続き関係は全部ぼくがやりました。
転居は“海の日”3連休。土曜夜にアウェーZ戦に行って金沢でしこたま呑むとか、宇和島で天皇杯愛媛予選とか、全部回避。金曜夜にレンタカーを借りて、土曜は引越屋を使わない精密機器とかすぐに使う食器や生活雑貨とか。日曜が本番で、3トントラックで2往復。ぼくが6年前の転居の際に使ったウェルカムバスケット社の対応がよかったので、今回は相見積るも取らずにそこで決定。ホントは“本番”終了の日曜夜に旧居に戻って掃除をするつもりだったけど、夕方にじゃからんが新居に合流したら2人とも完全に“売り切れ”。晩飯はデリバリーピザだったもんな(笑)。典型的“夜型人間”のじゃからんがぼくより先に沈没するなんて。
で、月曜の朝早くに旧居に行って掃除。その甲斐あってか、賃貸屋が良心的に「6年間住むことの経年劣化」を認めてくれた====ThisIsTheErrorMessege====のもあって、もしかしたら「追い銭ナシ」で決着するかもしれない。で、昼に新居に戻って、2人とも“再売り切れ”(笑)。じゃからん曰く「鋳造が『売り切れた』ってよく言うのがどういう状態を指すのか、初めてわかった」とのこと。


そんなわけで転居P/Jは無事に成功。もちろん、ホームラン====ThisIsTheErrorMessege====のエリアが想像より狭かったとかの想定外事項はあるけど、想定外事項がある程度あるのは想定内(笑)。でも、月曜朝は『岐大通』磐田戦号の締切だったけど、自分の担当である「J3順位表」を作りきれたのは磐田戦前日の夜だった。

岐阜に秋の訪れを告げる風物詩

だいたい、秋になると「下部リーグ」の順位表を載せるのが『岐大通』の不本意な“伝統”(笑)だったのだけど、今年は新横戦に負けた段階で「Z戦の結果に関わらず、磐田戦から載せる」と決めた。「“まだ”早いのではないか」と『岐大通』スタッフにも反対意見はあったけど、掲載に踏み切った理由は2つ。
1つは、岐阜隊のホーム戦が磐田戦を含めてあと8試合しかないこと。もう1つは、今季のJ3におけるカターレ富山の現状。おそらく、『岐大通』のメイン読者層は「J2から町田、鳥取、富山が落ちた」ということくらいしか認識していないだろう。いま、岐阜隊がどれだけ「J3に“近い”のか」。間違いなく、岐阜隊のMDPはそんな情報を載せるはずはないし、載せてはいけない。ウチらがやるしかないじゃん。

果たして、岐阜隊はJ2で戦っていける『クラブ』なのか。かつて、「J2から降格したらクラブは消滅する」という危機感は岐阜サポのほとんどに共有されていたし、ぼくもそうだったかもしれない。でも、J3を視ていると認識はだいぶ変わってくる。実は、「J3で生きていく」のはそんなにむずかしいミッションではない。予算規模も、現在よりずっと小さくてもやっていける。かつての岐阜隊は、J3がない中でJ3規模のB/S====ThisIsTheErrorMessege====で必死になって生き残り戦を行っていた。さて、藤沢さんが大々的に関与してきて、ラモス監督がやって来て、元・代表も何人かやって来て。B/Sは大きくなった。で、その結果は?

B/Sが大きい状態になってから岐阜サポになった方々には厳しい現状だろうけど、古株系は「だったらB/Sを小さくすりゃいいじゃん」ということになる。キツい言い方になるけど、問題は「J2にいないとクラブ存続の意味がない」という“偏見”であり、そういうスポンサー様は落ちたら降りていくだろうし、降りていっていただいて構わない。梅雨明け早々に「J3順位表」を載せる決意をしたのは、読者の皆さんに「J3に落ちることの恐怖」を感じてもらうことではなく「J3で生きるということ」に現実感を持ってもらいたかったから、なのだ。その「J3で生きる」現実感に答を出したのが大分であり水戸であり、彼らが勝つようになったことで降格圏に落ちた栃木も答を出した。別にラモス監督に辞めろと言っているつもりはない。思ってはいるけどね(苦笑)。
このまま何もしなければ、おそらく岐阜とJ3との距離はさらに近くなる。クラブが「それでいい」という答を出したのなら、それでいい。クラブもサポも『J3を生きるFC岐阜』についての共通のイメージを持つ必要がある、とぼくは思っている。『岐大通』に梅雨明け早々から載せた「J3順位表」が、それの手助けに、少しでもなれば。


で、ある程度の惨劇は覚悟していたアウェーのZ戦は土壇場でのドロー、ホームの磐田戦は2-0の完勝。ここで勝ち点4イケるとは思ってもみなかったよ。でも「J3順位表」は残留決まるまで止めないからね(苦笑)。
磐田戦は現地で観てたけど、とにかく、風。南から北への強い風。しかも、それがときどき止まる。後半、風下だった磐田はやりにくかっただろうね。でも、ナナさんがピッチコンディションを考え過ぎたんじゃないか?という気はする。つないで崩すスタイルをほぼ放棄して、長いのを当てて戻してサイドにという仕掛けばかり。で、守備に関してはクロスに対する甘さに磨きがかかっちゃってる状態で、ウチにしては珍しくその弱点を徹底的に衝いてましたね。2点リードしてからは5バックにして試合のクローズを狙うとか、「やれば出来る」とラ将は言ったそうだが、岐阜隊は『攻殻機動隊』とコラボでもする気かしら(笑)。誰かがラ将をゴーストハックして試合のクローズをやってのけてラ将自体は気づいてないとか(笑)、磐田のDFはインターセプターで眼を盗まれてオウンゴールしたとか、選手入場時のBGMの磐田選手用遅効性ウイルスを仕込んでいたとか。

私、やっとわかったの。

で、ようやく次の週末がやって来た。とにかく荷解きをしなければいけない。じゃからんと決めたのは、引越屋さんの段ボールでそのまま保存することだけは避けよう、と。それはわかっているのだけど、どうしても『第一歩』が踏み出せない。今回のぼくの部屋は少々狭いのだけど収納スペースはそこそこ広い。しかし、じゃからんほどではないにしても、こちらにもそこそこの書籍や資料がある。それを「アクティブ」と「インアクティブ」にわけて、「インアクティブ」は保存箱に移して押入に収納してしまいたい。せっかく荷解きをするのだから、これまでとは違った部屋の展開を作るチャンスにしたい……

鹿目まどか
「私、やっとわかったの。叶えたいことみつけたの」

そうだ。俺は…………
俺は『模様替え』がやりたかったんだ!(笑)

通販で高効率の収納ボックスを買ったり、使用の効率を考えたり、さらなる断捨離を実行したり。かつての部屋ではスペースの関係で使えなかったインテリア・グッズも展開したり。ま、“ミッション”最終終了の目標はお盆くらいなんで、ゆるゆるとやって行きますよ。さすがに転居疲れもあるし、とにかく暑いし、しばらくが遠くに行く元気もないしね。

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