cyic.co.uk 吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2013/12/04◆蹴球の記録保管師( Football Archivist )の行程
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『鋳造総研』を移転させた時に「社会人蹴球記録資料室」は同時公開にしなかったのは、リニューアルを考えていたから。デザイン的なモノ====ThisIsTheErrorMessege====もあるし、2部リーグに対応させたかったし、なにより旧サイトでの制作に関しては「入力は人力です」====ThisIsTheErrorMessege====とばかりに「ち・か・ら・わ・ざ♪」で作ったHTMLデータだから間違いもありそう。というより、リファレンスで使用した資料そのものにも間違いがある。====ThisIsTheErrorMessege====リニュするからには、なるべく納得のいくカタチで出したい。さて、どうやって参考資料の間違い部分を直せるか。

県協会の事情。

岐阜県サッカー協会は「サッカー要覧」という年間資料を整備していて、県内のチームが地域リーグに所属している時は地域リーグのデータも載せている。ぼくは岐阜隊のデータを調べるのに県協会に何回かお邪魔してたから、こういった『要覧』はどこの県協会でもしっかり残しているものだと思っていた。
ところがどっこい(笑)。こうした『県サッカーのアーカイブ』というものに対しては、県によってものすごぉーーい意識差があるのだった。あくまで「総会」用資料としての『活動のアーカイブ』というより『予算・決算報告』になっているところもあるし、実は県協会ルートでの調査には早々と限界が見えてしまった。神奈川県協会は理事さんが代わってからアーカイブの重要性を認識して行動に移されたりもしているのですが。
実に興味深かったのが静岡県協会に電話で『要覧』の存在を訊ねたときで、「県内の試合については1種から4種までしっかり残してあるけれど、“その上”については、まったくない」と。まあ、静岡くらいの“サッカー大国”になると県内の大会数も参加チーム数もハンパじゃないだろうから理解出来るんだけど、なんかその先に「静岡にとっての“その上”は『東海』じゃなく『全国』だ」という思い上が……じゃないや矜持があるようにも、ちょっと感じてしまって。感想には個人差があります(笑)。でも、この話を地域決勝@五十公野の際に「あの宴会」で話したら、静岡生まれの参加者が「わかるぅ〜〜〜」と言ってた。

横浜通い、などなど。

県協会ルートで早々と壁に当たったのだけど、そういえば……と思い出したのが、「中日新聞のスポーツ欄には東海リーグの結果が載っていたな」ということ。となると、全国の地方紙の縮刷版を漁れば、間違い部分の修正がきくかもしれない。
でも、これは大変なリスクを伴う。地方紙の縮刷版を調べるならその県の中央図書館と相場は決まっている。しかし、間違いになってる試合が具体的に「何月何日に行われたのか」がわからないので、当該シーズン中のすべての縮刷版をめくらないといけないかもしれないし、そもそもその地方紙に結果が載っている保証がない。東北リーグの結果を調べに秋田や青森の図書館まで行って空振りだったら……体力的にも経済的にも、プロジェクトの道のりが個人で行うには遠大過ぎる。まさに「定年退職してから死ぬまでにまとめ上げる」な世界ではないか。ところが。
ネットで新聞縮刷版の存在を調べていたところ、『新聞ライブラリー』====ThisIsTheErrorMessege====という組織の存在を知った。横浜は関内、というか日本大通り駅近くにあるのだけど、全国の地方紙の過去分がマイクロフィルムとして保管されているというのだ。ここに行けば、秋田や青森の図書館まで行かなくても秋田魁新報や東奥日報を調べることが出来る。素晴らしい!ということで今年は地域リーグ行脚は控えめにして横浜通いに勤しんだ。
とはいえ、初めから順調に調査が進んだわけではなく、キチンと調べておかなかったせいで『ライブラリー』訪問初日が臨時休館日だったなんてイベントも。新幹線で往復2万、泣きながら手ぶらで帰るわけにもいかず、だったら!と意を決して日本における『知』の一大拠点・国立国会図書館に突入したり。ここにも『ライブラリー』ほどではないけど新聞の縮刷版はあるので。
アウェー愛媛戦の試合前に松山の県立図書館行ったり、その翌日を休みにして神戸市中央図書館に行ったりと、遠征でも図書館を有効活用。ぼくの好きな本である『雨の温州蜜柑姫』に、「これらの本を全部私のモノだと思ってもいいのだわ!」と主人公・醒井涼子が気づいたシーンで「『図書館を利用する』とはそういうことなのだ」と作者・橋本治が注釈を入れているのだけど、今回のプロジェクトではホントに図書館が役に立った。あと、JSLカップや、まだ載せてないけど終了間際のJSLの資料などについては、あの御茶ノ水『JFAハウス』内にある「日本サッカーミュージアム・リファレンスルーム」にも大変お世話になった。

ただ、新聞記事の集中検索でも当然限界はあった。ああした試合結果の掲載は新聞社が取材しているわけではなく、試合運営側が情報提供をしてそれを掲載するという形式なのだろうと思ってて、つまりしっかり記録が載っていてほぼ完璧にたどれたリーグは運営サイドがキチンと新聞社に結果を送っていた結果なのだろう。もちろん、そうでないところもあるわけで。

収集を終えて。

データの収集は夏くらいにはほぼ終了。実は、こうしたデータ収集が愉しくなっちゃったというか、データ収集で満足しかかった時期もあった。でも、これって明確に『手段の目的化』というよくない事象。目的はあくまでサイトのリニューアルであり、データ収集はその手段の一つ。かくして、続いての作業はHTMLコードの書きなおし。夜にコツコツ、朝にコツコツ、休みにコツコツ。もっぺん全部打ち直してたら「続・入力は人力です」になっちゃうので、旧サイトのHTMLコードを一度表計算ソフトに読み込んで、マクロで分解してからデータチェックを行い、新サイト用コードを再構築するというマクロを自力で組んだ。これによりデータ間違いは大幅に減少したと思うし効率も激しアップ。こうして、リリース日は大幅に遅延したものの、なんとか地域決勝@五十公野の前に新サイトを公開することが出来た。やれやれ〜。

『年寄り』の仕事。

先日、『コミュサカ』さんのネット番組を視聴してて思ったのだけど、いまは若いサッカーファンの皆さんが普通に地域リーグの現状とかを語り合うという状況で、ぼくら年寄りは隔世の念を感じて涙がほろほろと。
だとしたら、ぼくら年寄りが貢献出来て自分の居場所を作れるのは何かとなったら、「過去の記録の整理」というのは重要なテーマなんだろうなぁ、と。未来は若い方々に見ていただこう。もし彼らがふり返る必要が生じた時に、そこに過去を整理して残していくのは年寄りの仕事だ。
でも、当たり前だけどこれってかなり地道な作業。ぼくが約1年半かけてデータ整理も含めたリニューアルを終えられたのも、単純に「そうした作業が好きだから」でもあって。岐阜隊のデータも初年度から集めてみて愉しかったし、基本的にアーカイヴィストなんだろう。じゃからんも裏の仕事(笑)はアーカイヴィストだし、まぁ“似たモノ同士”なんだろうね。

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