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鋳造所長雑文録
2013/09/07◆監督交代に関するあれこれ
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ホントはAFCフットサルクラブ選手権で気分が高まった話を書きたかったのだけど、やっぱりここでは岐阜隊のことを。


ついに、行徳さんから辛島さんへの監督交代。そんな風な噂はある程度以前からちらちらと流れて来ていたけど、バージェとユーキの獲得はその噂を払拭するに値する補強だと思った。昨シーズン、あれだけ動けない走れないウメツァをサブで拘り続けたのは、行徳さんにとってのFW像とは「後ろからトップに当てた時にキープ出来る選手」であり、今季でタイラや樋口カッターを1トップで使ったのは「そういう選手がいなかったから」である、と思っていたから。だから、ユーキやバージェといったFWの補強は行徳さんの意向が働いたもので、となるとクラブは行徳体制で残留のミッションに挑むハラをカタめたのだな、と。実際、バージェは神戸戦で「1トップカウンター」のFWが何をするべきなのか完璧にわかってるプレーを披露して、勝利に大きく貢献してくれた。
で、水戸戦での敗戦を受けての監督交代。タイミングとしては最悪ではないだろうけど間違いなくベストでもベターでもない。「替えるんならもっと前だったんじゃないのか」という思いはある。成績を考えると替えるなら前季終了のタイミングだったと思うけど、その頃の岐阜隊は△○○●○と戦績的には復調気配だったんだよな〜。

「結果が出ないから交代」。結果とは目的達成度であり、選手育成が目的のユースのクラブと違ってJリーグのトップチームには『興行』という要素が少なからず存在する。「負けても来るのが真のサポだ!」なんて強がる御仁もいるだろうけど、一般のお客さんは勝つトコを視ていい気分になりたいから来るってのが第1優先なんだってば。
だから、結果が出なくてクビになってしまうのは仕方がない。結果を出すのが仕事だからね。では、現在の岐阜隊において、その目的達成度の「目的」って何?となると、これはもう『J2残留』としか考えられない。つまり「アンタじゃだめだ、落ちてしまう」とクラブが行徳さんを評価したということだ。「成績不振により」って書いてあるもんね。その意味では、大宮の監督交代よりはまだ理屈は通っている。
「この成績は監督だけの責任か?」と短絡的に火が点いてしまうサポがいるのも事実だし実際そうもなったのだけど、現時点で責任を明確に出来るのは監督だけという、当たり前の話。その「選手の責任か、監督の責任か、クラブスタッフの責任か」というのは現時点で100/0で明確に出来るものではない。戦えていない選手は来季の契約非更改という責任の明確化がされるだろうし、戦えない選手を揃えてしまった強化部スタッフも来季は職探しをしないといけないかもしれない。

ちょっと戻って、「この成績は監督だけの責任か?」を少し突っついてみる。『岐大通』に書いたことだけど、ソメの劇的なゴールで長崎に勝った試合。勝ちはしたけど、前半における長崎と岐阜における「攻撃面のコーディネートの差」は震え上がって逃げ出したくなるほどのものだった。ここで疑問が出てくる。「攻撃を作る能力が監督にないのか、監督が作ろうとする攻撃を具現化する能力が選手にないのか」。でも、それは試合だけ観てわかるものではない。だって、『攻撃を作る』という作業は試合ではなく練習で行うものだから。だから、その過程を見ていないぼくは「攻撃が作れていない」という感想を持つだけだ。
それは、辛島さんに替わった後の岐阜隊のサッカーについても言える。「監督が替わってもやってるサッカー同じじゃん」となったとしても、「スタイルを変える能力が監督にないのか、監督が変えようとしているスタイルに順応する能力が選手にないのか」は、練習をキチンと視ないとわからない。

辛島さんが指揮する岐阜隊をぼくが観たのはこないだのヴェルディ戦だったけど、ミオ君が相手選手に突っつきに行って戻るとことか、「どこでどうしてどうやって」という部分が少しずつ試合に出てきているなあとは思う。「どこでどうしてどうやって」というルールをキチンと作る監督さんだったら、前で勝負したがるデズやんがベンチにも入れなくなったのは納得出来る。けど、そうした“辛島サッカー”が完成したときにはシーズン終わっちゃってるんじゃ?という不安も大きい。やっぱり、監督を交代するなら、遅過ぎたんだと思う。
じゃあ、なぜこの時期に替えたのか。それは、岐阜隊の夏のド派手な補強ともリンクしてくる。あくまで想像だけど、Jのクラブサイドには、来季から始まる『J3』がどういうリーグになるのかの通達が7月くらいにはされたんじゃないかという気がする。それで「なんてこった!こりゃあ、『落ちたって来季もJリーグだ』なんて言っていられないぞ」と危機感が急激に高まった、とか。讃岐や町田がドカドカと補強に動いたのも「来年J2に行っておかないととんでもないことになる」という判断だった、とか。あくまで想像ですけどね。


とまあ、とりとめもなくグチったわけですが、これは強く言いたい。サポが行った「成績不振で解任になった前監督のお別れ会」をクラブ公式サイトが速報ニュースで載せる====ThisIsTheErrorMessege====って、どういうこと?サポが自分らのブログとかで広めるのはまったく問題ないけどさ、いくら「ご招待いただきました」と言っても、公式が載せちゃあアカンでしょ。

苦しい時に監督を引き受けてくれて昨年も残留のミッションは果たせて、そうした功績の行徳さんに対してサポが「お礼とお別れの挨拶をしたい」と考えるのはまったく不自然ではない。それは「成績不振で解任になったけど、その責任が行徳さんだけにあるとは思ってない」というサポ側からの意思表示でもある。もう一歩踏み込めば、「成績不振として行徳さんを解任したクラブへの『抗議』」と受け取ることだって出来る。それに対して、明らかに『解任した側』であるクラブの広報部門がそうしたイベントをクラブ公式サイトに載せるって、おかしいでしょ。自分達でクビにしたんでしょ。

内部事情はわからないけれど、表層だけ見れば「広報部門は強化部門の決定(監督交代)を支持していない」とも受け取れてしまう。それに、これはヴェルディ戦の際に何人かの岐阜サポ友人も言ってたけど、新監督になった辛島さんの立場は?一種の内部昇格だからまだいいのかもしれないけど、外から招聘した新監督だったら「なんだあてめえら?!」となりかねない。
もう恥ずかしいやら情けないやら。自分達が選んだ監督を切る。ことの重大さを理解していたら、こんなことは出来ないはずだというのがぼくの感想なんだけど、どうなんでしょ。

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