吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2010/04/06◆『異界』で行われた「天皇杯都予選」のこととか
 home  index  prev next 

正直言って岐阜隊については積極的に書くネタがない…というか、相変わらず積極的に書くと消極的な内容に終始してしまうような気がして(苦笑)。なもんで、ここでは是政と小平に行ったことについて。


小平の朝鮮大学校での試合は午後2時からだから、自宅をゆっくり出ても大丈夫なのにかかわらず、初発のバスで出て早い新幹線で上京したのは、せっかくだからちょっとバクチでも打っていこうかと。
以前もどこかで書いたかもしれないけど、ぼくは公営ギャンブル『バッハ』====ThisIsTheErrorMessege====のうち、いまだにBだけ1回も的中させていない。打ったのは、丸亀(場外)・唐津・常滑。そろそろ、この地獄のループから脱出しないといけない。だいたい第1Rは11時過ぎに開始だから、3レースくらいは挑むことが出来るだろう。
この日、首都圏でやってた開催は戸田・江戸川・多摩川。江戸川は遠いんで無理として、カード的には戸田、小平に近いのは多摩川。さて、どうしよう。そこで、「どうすべえ?」と岐阜サポ随一の競艇通に問い合わせたら『多摩川で一択!』と即答だった。じゃあ、多摩川にしよう。

高架線になった武蔵境から、「こんなん武蔵境じゃないやいっ!」と思いながら、西武多摩川線。おそらく初乗車ではないか。で、競艇場前=是政の1駅間が未乗車で残るわけだなコレが(笑)。
たった3Rだけのために専門誌を買うのも勿体ないので予想屋ブース周辺をウロウロしてたら、前日に出した今日の予想分を貼り出しているありがたいトコが1軒だけあった。タダより安い情報はない。ありがたやありがたや。件の競艇通に多摩川の傾向を訊くと「センターが比較的強い」との情報も。
果たして、1Rを前日の予想屋お勧めのセンター3号艇から3連単で行くと1番人気でキチンと決着してくれて、生まれてはじめて舟券ゲット!2Rと3Rはキッチリはずした(苦笑)けれど、ちゃんと浮き分は確保して、件の競艇通が「多摩川で一択!」と即答した理由、場内食堂へ行って『牛炊』を食べる。
ちょっと待ってよ、何よ、このウマさ。もし近所にいて昼飯時になったら、わざわざ入場料100円払って食べに来たくなるぞ。件の競艇通が「飛田給で試合日に出せばバカ売れするぞ」と言っていたけど、いやまったく納得です。


無料バスで府中本町まで====ThisIsTheErrorMessege====行って、JRで国分寺。ここから西武バスで朝鮮大に向かうんだけど、ネットで乗り場を調べたら「国分寺駅北入口」って書いてあるから北口のさらに北にあるんだろうとテキトーに歩いたけどバスターミナルが全然見つからない。通りがかりの女性に声をかけたら、あ~ららら、多摩湖線ホームのあたりですか!急いでかけつけるも、乗りたかったバスは2分前に行ってしまいました。ま、時間はあるからいいけどね。

しかし、こんなトコに“専用道”があるなんて。この歳になるまでまったく知りませんでした。ターミナルからの出口には「歩行者も進入禁止!」と書いてあったけど、地元の方は結構平気で歩いていたり。この専用道、結構長いし離合出来るスペースがほとんどないんで、西武バスは北側の専用道入口にも交通整理員を配置している。うわあ、こりゃタイヘンだあ。国分寺駅北口の再開発がいつケリがつくかわかんないけど、しばらくはコンフューズな状況が続きそう。ムサビ行バスに乗って『朝鮮大学校』で降りる。

正門からして、もうハングル。守衛さんに「サッカー観戦に来た」と申し出て、場所を教えてもらう。サッカー場の手前には大きな体育館があって、そこで活動をしてたらしいこども達が軒下で昼飯のプルコギ焼いて喰ってたけど、このカオリがもう!もう!もうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!ちゃんと昼飯喰ってからやって来て、本当によかった(笑)。

天皇杯東京都予選、FCコリア×東京日動海上火災。関東1部×2部。レベルの低い試合になるわけがない。TokyoFootballによると、コリアはFW11のポストプレーに注目だそうだけど、たしかにすごいカラダをしてる。「主な活動拠点は格闘技です」と言われても納得してしまいそうな感じ。しかし、たしかにカラダにまかせてのプレーでは凄さを見せるものの、脚に故障を抱えているのか空中戦ではあまり脅威になっていない。それより、ぼくが注目したのはCBの33番。キャプテンを張ってたけど、東京海上のカウンターにキチンと対処していて、こりゃあなかなかコリア守備陣を破るのは大変そうだ。監督さんの指示は朝鮮語====ThisIsTheErrorMessege====で、コーチからの指示は日本語のように聞こえた。前半はスコアレス。
ハーフタイムにちょっとだけ校内を散歩してみた。特にどうということはない、普通の見慣れた“学校の景色”。なんだけど、風景を故意に捻じ曲げているものがあって、もちろんそれはハングル表記。当然かもしれないが、校内で日本語はほとんど見かけることがない。デリケートな施設だから校内の写真公開は控えるけれど、屋上に出されたメッセージは

「ウリ インミネ ウィデハン スリョ キムイルソン デウォンスニム マンセ!」

少しだけならハングルは読めるんで「我々 人民の 偉大なる 首領 金日成 大うぉんす様 万歳!」はわかった。ウォンスだけはその場ではわからなかったけど、帰宅して辞書で調べたら、ウォンス=元首。なるほど。壁には朝鮮半島北部の地図も貼ってあって、西暦2010年は「チュチェ99年」====ThisIsTheErrorMessege====とも書いてあった。来年はかの国はもの凄いことになるのだろう。その他、トイレを借りに体育館内にお邪魔したのだけど、中の表記はホントに全部ハングルでした。きっと眩暈がするひとも多いだろうなあ。

後半。あれ、コリアCBのキャプテン33番がいない。交代か。でも、ケガとかしてなかったような。そういえば、ハーフタイムの散歩時に彼がクルマの裏手で着替えているのがチラッと見えたけど、あれは、ユニの交換という意味じゃなかったのか?!もしかして、夜から仕事とか?どっちにしても、コリア隊の守備に不安が生じたのは間違いない。
後半なかば、北側から南に攻めるコリアは中盤からのシュートを大フカシ。すると、コリア隊ベンチのみならず試合の運営さんも「うあああああああっ」とアタマを抱えた。実は、運営さんがアタマを抱えるのにはわけがあって。

この朝鮮大学校グラウンド、サッカー場のピッチそのものは立派な人工芝グラウンドなのだけど、学校敷地の南西角にあって、西側と南側のフェンスが「サッカー場」にしては“低い”====ThisIsTheErrorMessege====のだ。北から南に攻める側がシュートを大フカシすると、フェンスを越えていってしまう。で、やはりデリケートな学校施設だからか、西側や南側に“裏口”というものがない。反対側の、敷地の南東角の正門まで行って外に出ないとボールを取りに行けない。しかも、南側フェンスのすぐ南には小川があって、最悪の場合はサッカーボールがどんぶらこどんぶらこ……という次第。前半にも東京海上の選手が2本連続して大ホームランをかっ飛ばし、ハーフタイムに運営さんの一人が小川に脚を入れながらなんとかボールをサルベージした====ThisIsTheErrorMessege====のだった。コリア隊コーチが運営さんに「シュート技術がなくてすいません」と苦笑しながら謝るという光景は、非常に切実な事情があったのだった。
試合はスコアレスのまま、終了近くになると東京海上の押せ押せになる。やはり33番の抜けた穴は大きかったか。しかし、コリアGKがすばらしいセーブを連発する。コーチの指示も、終了近くはアツくなったのか朝鮮語になったみたい。90分がスコアレスで終了、PK戦へ。審判が南側ゴールを使用すると宣言すると、すかさずコリア隊コーチが「北側じゃないの?」と確認するが、なんでも北側ゴールはちょっとピッチ状態がよくないらしい。これでどっちもPKの大フカシは出来なくなった(笑)。

PK戦は、後蹴りのコリア隊5人目が失敗して5-4で東京海上の勝ち上がり。でも、負けたコリア隊も引きずる感じもなく、非常に爽やかな試合終了の光景だった。コリア隊のFW11はPKを蹴らず。脚のケガでどうにもならなかったらしい。終了後のミーティングで、コーチは「PK戦にまで行ってしまったのが敗因だな」。


この大会「東京カップ」は天皇杯東京都予選(社会人ブロック)を兼ねており、で、wikipediaによればFCコリアは天皇杯全国大会への出場資格がない。しかし、「施設面や経営面でJ1に昇格が出来ないJ2クラブはJ2リーグを戦う意味がない」なんてことはないのと同様に、コリア隊にとって、その先にどうしても超えられない壁があったとしても、この大会に参加する意義はもちろんあるわけで。わざわざ東京まで新幹線で往復しただけの甲斐があった試合だった。

 top  prev next