吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2009/12/25◆天皇杯をめぐる冒険
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●3回戦@秋田・松本山雅1-4FC岐阜

前日はガス&山雅系の知人と合流して、岐阜支援旅団構成員中で一番を誇る呑み助に勧められた『酒盃』====ThisIsTheErrorMessege====でディープな夜。なんでも日本酒は秋田の地酒しか置いていないらしい。天の戸酔辛→刈穂山廃→飛良泉中取り→由利正宗山廃→白滝山廃→五風十雨→まんさくの花→雪の茅舎(ぼうしゃ)→雪の美人→……以下不明(笑)。6時半から閉店まで。もう終バスも行ってしまった。濃い話をどろどろと。そして、当然だが会計も濃かった(爆笑)。にも関わらず、ホテルの手前のコンビニでパスタ買って喰ってから寝る鋳造はケダモノです(笑)。

翌日。呑んだ量にしてはダメージは小さい。「いい酒は朝が知っている」====ThisIsTheErrorMessege====って、本当でした。適当に時間つぶして、それでも試合会場の八橋陸上に着いたのは開始1時間くらい前なのだけど、いやあ恐ろしいくらい閑散で。嗚呼、不憫なり秋田県協会。いまごろスタンドの8割だかが赤く染まってるはずだったのに。きっと、秋田県協会関係者には「アンチ山雅」が何人か出来たのだろうなあ(苦笑)。正面入口で知人の山雅サポを発見。「ガチで行かせていただきますよ!」と、軽く宣戦布告。向こうは弾丸応援バスも出したようで、岐阜サポより人数多い。さすがの動員力だ。
あまりに暇そうにしている岐阜側スタンドに詰めている秋田県協会の方と話をした。なんでも、2回戦の前に入場方法やエリア割などについて赤軍派のリーダー級の方と打ち合わせを済ませていたのだそうで。そんな皮算用なコトことするから……という方もいらっしゃるでしょうけど、あれだけの動員力があるなら、それくらいの準備は要る。でも、山雅に負けてしまって全部パア。秋田県協会の準備も皮算用も全部消滅。もちろん、ぼくが話をした方も県協会の方、サッカーについては完全に“中の人”なのだから山雅2-0浦和という結果については受け入れているでしょうけど、でも恨み節のひとつもあるかもね。結局、公式入場者数は560人だそうで。

試合。序盤から山雅隊の前線が強めにプレスかけてきて、いつものようにウチの最終ラインはバッタバタ。いくら涼しい秋田とはいえこのプレスが90分続くとは思えないから、きっちり耐えておけば勝機はおいおい……って、おそらく赤軍派さんもそう思ってたのかも。前半途中にCKから吉本のヘッド。後半早いウチにゴール前をショートパスで崩して最後はコーイチ。あのパスワークでコーイチがフリーになっちゃう山雅隊のDFは、どうでしょうね。しかし、心が折れない山雅隊は陽介が1点返すと前線が俄然元気になっちゃって、反対側のゴール裏からだから何がどうなってるかよく見えなくて恐いのなんの。逆に山雅武装隊からしたらカモン!カモン!ってところだったのでしょうけど、前半と違ってウチのDFが安全策を選んでいたみたいだったし、結局はこの山雅タイムを凌いだら、あとはもうこっちの試合。秋田が突っ込んできたところを倒されて得たPKを和正がキッチリ決め、仕上げはコーイチがヘッドで落としたのを優大が蹴りこんで。こう言っちゃナンだがカテゴリー通りの結果ではありました。

帰宅してから、録画しておいたこの日のスポーツニュースを視ると、「岐阜が勝った」ではなく「浦和を破った松本が負けた」な論調で、まあしかたあるまい。4回戦は『我々が主語』で行こう。


●4回戦@熊谷・岐阜1-0千葉

関西リーグカップの決勝が未開の地・三木防災の補助競技場という悪魔の囁きを振り切って。前日に刈谷でJFLを観てから、新幹線で上京し、以前から寄りたかった三鷹の某スポーツバーへ。マスターが『ウチ』と呼ぶのはガスじゃなくて横河なのね。まずここでポイントアップ。そして、先日の天皇杯・大分×横河の試合映像を見せていただく。PK戦、横河の6人目がはずして試合終了。それでも、J1相手に大健闘の横河の選手達は大分津留のピッチを1周して観客に挨拶する。暖かく拍手で応える観客の皆さん、それでもPKをはずした6人目の彼はどうしても彼らから遅れて歩いていくことになる。そして、メインスタンドに到達する横河の選手一団から遅れてようやくやって来た彼をずーっと待っていたのは、大分のポポビッチ監督と通訳の2名だった。6人目の彼の肩を抱き、一声、二声かけるポポビッチ監督。「うわあああ………」と唸ってしまった。ぼくらは、日本サッカーはまだ“ここ”にたどり着いていない。そう思わざるを得ない映像だった。
やがて、mixi仲間もやって来て、派手でいて若干ブラックなサッカー談義がどんどん濃くなっていく(苦笑)。ぼくはマイルに釣られて宿を江東区森下なんぞに取ってしまったので、泣く泣く途中離脱。宿が三鷹近辺だったら日が変わるまで呑んでただろうなあ。

翌日。そりゃ熊谷で午後1時なら、吹上『どんまいじゃん』に行かなくちゃ。おそらく、今日の岐阜隊の対戦相手がチャイバでなくトリだったら今日は臨時休業だった====ThisIsTheErrorMessege====のだろうけど(苦笑)。「岐阜のひとだっけ?」大将はぼくのことを憶えていた。ホントは舞茸の天ぷらで昼間っから焼酎のそば湯割りをゆっくり……といきたいのだけど、さすがにそれは激しく旅行目的を逸脱する(苦笑)ので、大盛りをがっつり喰って、熊谷駅に着くと岐阜隊のカメラマン嬢がタクシー列に並ぶところだった。ありがたくシェアして会場へ。観客4000人弱。ごめんねごめんね、動員力弱くてごめんね。

試合。和正====ThisIsTheErrorMessege====不在ということもあって、覚悟はしてた。けど、運動量でカバー。あと、チャイバが「…わざとか?」ってくらい正吾に持たせてくれたんで、中盤ゆるゆるのすっかすか(苦笑)。いかにエジリでも後半は修正するだろなあ…と思ってたら前半終了直前に吉本が押し込んで先制。後半はさすがに正吾は自由じゃなくなったけど、どんどん攻撃的選手を投入するチャイバは、攻撃は厚くなったけど厚くなっただけ(苦笑)。ウチのDFがポカやんなかったこともあり、そのまま終了でした。最後は足をツる選手続出で、その度にチャイバサポからブーイング。ごめんねごめんね、ウチの選手ヒヨワでごめんね(笑)。
ところで、後半ロスタイムのアレを入れられないネタFWはコーイチか?あの後で追いつかれて負けたら、坊主刈りぐらいでは済まされんぞ。岐阜族の中でも「コーイチの罪は重い。あれを入れていれば『J1相手にアイーダが歌えた====ThisIsTheErrorMessege====のに』」。というわけで、ついに公式戦でJ1に初勝利。来シーズンを愉しいモノにするためにも、是非ともチャイバはエジリ氏を監督に留任させてくださいませませ(笑)。

帰宅してから、録画しておいたこの日のスポーツニュースを視ると、カテゴリーが下の岐阜が勝ったのに「降格の決まった千葉が敗れた」な論調。あ、あ、あれ?そうかそうか、負けた方が主語になるのが天皇杯なんだな。それなら、岐阜隊が主語になるのは元日までお預けだ。何の問題もない。


●準々決勝@瑞穂陸・名古屋3-0岐阜

開門少し前にチケットだけ交換のために瑞穂に着いたんだけどさ。なんなんだこの岐阜サポの群れ(笑)。NG側もガチですごい人数が来ていた。別に名岐でも濃尾でもいいけど、いいねいいね、この雰囲気。

試合は、明確に『実力差』。W杯南アフリカ大会に出場する他国代表選手が、ウチにはいなくて向こうにはいた。J2相手だとキープして持って上がれる正吾がことごとく奪われた。J2だと普通は入るようなシュートが止められた。後日、喫茶店でこの試合に出場した選手と偶然会ったんで話をしたんだけど、彼も「菅と西川のワンツーで抜け出して撃ったシュート、あれは普通入るんだけどね」と言ってた。南アフリカでも日本代表のゴールを守りそうな男は、やっぱり違うね。
試合終了後。かつて、フロンが準決勝で散った時に『ウハウハ』のあゆみ奥様がボロボロに泣いているのをNHKにぶっこ抜かれた記憶がありますが、なんかわかる気がした。リーグ戦の最中のカップ戦開催で負けたのと違って「まだリーグ戦が残っている!切り替えてリーグ戦だっ!」って風にはならないもんね。終了後に武装組の連中の何人かと話をしたけど、そのうちの2人には背中で号泣されてしまったし、ぼく自身も菊池が最後の挨拶に来てくれた時は声が詰まって「キクチ」コールが出来なかった。

ある意味、残酷な終わり方かもしれない。でも、「達成感」はあるね。『燃え尽きた』というよりも『燃やし尽くせた』という感じ。地方都市の小さなJ2クラブのサポやってるひと達に、たとえそれがラックの成せる業だったとしても「『天皇杯で勝ち残る』って、いいモンだぜ」って、話したい。そんな気分。諫早まで行ったあの年の草津サポ====ThisIsTheErrorMessege====も、そんな感じだったのかなあ……。

この日のスポーツニュースを視る。いよいよ岐阜隊が主語に……「準々決勝の残る1試合は、名古屋グランパスが勝ってベスト4が出揃いました」。……………そうかそうか。そういうことか。よくわかった。そのケンカ買った!>NHK。いつの日か、元日の国立で勝って、イヤでも主語になってやろうじゃないか(笑)。

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