吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2007/06/26◆優秀なコンテンツとしてのFC岐阜
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一月ぶりの雑文更新。前回は大阪でフットサル→韮崎で決定機ゼロの試合の週末記録でしたが、その翌週は父の七七日忌の準備などで、その翌週は出勤&当直で、その翌週が七七日忌で、その翌週は現実を北海道に逃避してしまった。ちょっと職場関係でいろいろありまして現実をシビアに見据えないといけない事態に陥りましたが、まあハッピネスは辞書にも載ってる通りで幸せなんて人それぞれということで。


で、23日の土曜日は自宅で洗濯したり布団干したり『どうでしょうDVD』視たりで過ごした。外はすんごいいい天気だけど、金曜夜の職場帰りに呑んだもんで単車が駅前に置きっぱなしなんですねえ。どこにも行けないんですねえ。まあ、どうせ夕方には長良川に行くんだし。

昼飯を早めに喰ったら豪快に昼寝してしまい、起きてからスカパで『べ』の快勝を視て、バスを乗り継いで長良川へ、到着は開場の20分前。シーチケホルダーだからこんなクソ早い時間にいる必要は全然ないのだけど、今週から私は岐阜ホーム戦において「サポ」らしい仕事を一つすることにしたのです。それは『私製MDPの作成』。オフィシャルMDPもあるのだけど、それとは違って“サポの声の載るMDP”を出そう、という企画。イメージとしてあるのは、かの“ベ・マニア”。====ThisIsTheErrorMessege====もちろん、あそこまでのモノはそう簡単には作れないが、とりあえず出来るところまでやってみよう、と。金曜夜に岐阜市内某所で600部刷りまして。配布にあたっては岐阜隊運営で獅子奮迅の活躍をされているN村氏にお伺いしたところ、快諾をいただいたので開場と同時に人海戦術で配布開始。G裏組の皆様のご協力をいただき、600部を70分で配布完了。受け取る時に「ありがとう」と仰ってくださる方もいて、なんかいいねえ。ただ、次とその次は金曜夜の試合になるので、開場時には間に合わない。部数はコントロールしないといけないね。しかし、労働のあとのビールはうまいねえ(笑)。
さて、カテ1に座ってスタメンを聴く。おお、松江いきなりスタメンかあ。停止の深津に代わって菊池。脚をケガしてるコジはスタンドから。本人は「大丈夫っす。歩けるようになりました」と言っていたが。カテ1には前監督の戸塚さんの姿もあった。さて、監督が替わって岐阜隊のサッカーがどう変わるか。

変わりましたねえ。サイドが積極的に仕掛ける。それはいいのだけど、仕掛けた後のバランスが悪い。守備的MFとの連携がまだ出来上がってない。なもんで上がったサイドの裏にポイントを作られてしまう。2失点ともそこから仕掛けられてのもの。まあ、やり方変えてまだ数日だもんね。次節のホンダ戦までには修正されると思うけど、というか修正されないとホンダにフクロにされるような気がする。

一方、攻撃は戸塚時代にはあまりというかほとんどなかった「サイドがガンガン高いところで仕掛けていく」攻撃が視られた。先制された直後の同点弾は、右深くからの低いクロスに合わせたのは松江ではないか。その後、片桐がハット。でも、やったぜカタギリ!と拍手出来るのは1点目だけかな。2点目は右足トーキックではないかと思うけどゴール前で持ち過ぎる悪いクセはそのままだし、3点目はなんと相手GKが片桐にパスしてくれたもの。ちょっと厳し過ぎる?いやいや、期待してるからこそですよ。
チーム戦術としても未完成度ありあり。サイドチェンジパスの数が鳥取と全然違う。「鳥取はサイド攻撃だけ」という言説もあるだろうけど、「サイド攻撃」をモノにしているのは鳥取の方だった。まだまだ道のりは長いね。でも、“変化を志向した”という点では評価したい試合だった。


試合が終わって、22時から居酒屋で大宴会。ぼくは騒ぐより語っちゃうタイプなんでここでも何人かと顔をつきあわせてヒソヒソ。暗いねえ(苦笑)。もちろん「監督交代の是非」「戸塚サッカーとは何だったのか」とかの話題も出たけど、ここで書き記しておきたいのは、メディアについてだ。

この日、カテ1には某テレビ局のスタッフ氏が来ていた。彼は試合中、ずっと仏頂面だった。「岐阜が勝っていてこんなに燃えてこないとは」と独り言を言った。「なぜゴール裏は『今西辞めろ』ダンマクを出さないのか」とも言っていた。戸塚さんに対する思い入れがひとしおなのだろう。こういう“戸塚哲也に対する思い入れ”を前面に出すメディア関係者は、彼だけじゃない。
でも、それって、サッカークラブを扱うメディアとして正しい姿なのだろうか。

今回の監督交代。是非の解釈はひとそれぞれだろうが、交代そのものは「まったくあり得ない前代未聞の事象」ではない。昨年の横浜FCはたった1試合の敗戦で監督を替えた。岐阜隊のこれまでの戦績、10勝3分け3敗は昇格1年目にしては上出来もいいとこなのだが、それで納得出来る内容ではない、との解釈も出来る。シーズン半分近くを終えて、チームに何らかの変化をつける必要を感じたのだろう。

ごく普通にあり得る話だと思うのだ。監督交代というのは。にも関わらず、このメディア関係者の過敏な反応は、何故なのだろう。

「岐阜隊のメディア展開は選手の顔が見えない」というのは、ぼくも以前から感じていたことだ。フィーチャーされるのは、戸塚さんやゴリ若頭であり、そこにあるのはあえて悪意を込めれば「サッカーで売る」のではなく「キャラクターで売る」クラブと、それにリンクしたメディア。まるで日本代表の周囲で語られる『スターシステム』のようではないか。
監督交代が知らされた木曜夜に某ディープ岐阜サポがぼくに言った「メディア関係者はFC岐阜を『コンテンツ』としか考えていないのではないか」という指摘は、実際正しいような気がしている。彼らが岐阜隊に求めているのは「サッカークラブとしての魅力」ではなく、「コンテンツとしての優秀さ」なのではないか。この文を打っている現在、テレビでは草津×C大阪の試合を流している。かつてはザスパ草津も「超優秀なコンテンツ」としてメディアに扱われたクラブだったというのは、草津サポは面白くないだろうけど、おそらくたやすくは否定できまい。

ぼくは戸塚さんが経営していた居酒屋に何度か行ったし、彼とも何度か話をする機会があった。戸塚哲也という人間は大変に魅力的で、おそらく彼と接したことのあるひとは同じ感想を持つだろう。それでも、ぼくが追いかけているのは「戸塚哲也が指揮する組織」ではなく「岐阜を拠点に活動するサッカークラブ」なのだ。


こんな話を0時過ぎまでして、その後で駅前“びったれ家”でラーメンを替玉つきで喰ったもんだから、帰宅は2時過ぎ。日曜は9時近くまで寝て、雨の中を列車で津まで行って東海2部を観戦。押されっぱなしのマインドハウスがGKの抑え損ねに詰めて先制するも2分後のコニカミノルタが同点。面白い展開なんだけど、雨ざんざかざんで風もあって、こりゃ後半まで視るのはつらいなあと思ったら、主審が笛を吹くと選手が中央で整列、その後ベンチに引き上げてくる。あれ?と一緒に視ていたランポーレ関係者に訊くと、なんと試合は12時開始だったのだとか。三重県協会の嘘つきーっ!でも、試合自体1-1のドローとのことで、つまり前半はスコアレスだったわけで、苦行の時間が半分で済んだと思うことにしよう。第2試合はランポーレとトヨタ蹴球団なんだけど、あと2時間耐える根性はないのでたったか帰ってきた。

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