吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2004/05/08◆夢が見れない機械がほしい
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新潟・反町監督辞任の記者会見。「4点取るだけの攻撃力はあった。でも7点も取られるようではどうしようもない。」いままでの彼の記者会見映像と同じ、淡々と自己分析をする口調。続いての映像は駒場で行われた浦和×TGの試合、なんと8-0で浦和の爆勝。後方からの縦1本のパスにDFラインをすり抜けGKと1対1、飛び出すキーパーの頭越しにループ気味に打ったシュートはクロスバーに跳ね返されるものの、キチンと詰めてヘッドで押し込む福田正博。隣には同じようにゴール前に詰めていた北澤豪が何故か赤いユニを着て・・・・・。


『夢はいつも終わりから始まるって知ってるかい?』
知らねーよ、バカヤロー。ちなみに上に書いたのは6日夜の夢。なんだかなー。


『東玄関警備日誌』を読んでる方ならご存じかと思うけど、そのちょっと前には、課長と打ち合わせ中に北朝鮮で核施設に事故があっていきなり黒い風に襲われる夢なんてのも見ている。でも、これまでにぼくが見た中で最大級に破壊的なダメージを与える夢、それは『朝起きて歯を磨く夢』だ。この夢の破壊度はメガトン級だよ。なにせ起きて出勤の準備をしてるのだから、夢の中で。いくらでも遅刻出来るよね。
『夢を見る』という構造はどこまで解析できているのだろう。ぼくの知人に心理学専攻が2名いて、うち1名はかなり突っ込んで研究しているはずなんだけど、こんど尋ねてみようかしらん。「夢は専門外!」とか言われて蹴り飛ばされるかもしれないけど。


実はぼくは学生時代に夢の中で2回死んでいる。

1度目は、なんとなんとこれがノコギリ引き。====ThisIsTheErrorMessege====自分が地面に埋められていて、見えるのは夕焼け空と時代劇に出てくるような役人の足だけ。誰かの声が聞こえる。「いまラクにしてやる」。次の瞬間、視界が真っ白になった。普通の白ではなく、曇りガラスのような、少しザラザラ感の入った白だ。しかも、自分がものすごく軽くなったように感じる。ああ、俺って死んだんだ。で、死んだぼくは自分の死体を探そうとするのだけど、なにせ視界は真っ白なのだから見つかるわけがない。あっそうか、魂に目はないんだもんなと妙に納得したところで目覚めた。すげえ夢だった。ノコギリ引きの夢を見たのはこの1度だけ。

2回目は、核ミサイルで死んだ。ノコギリ引きの夢から2、3日後。場所は何故か札幌近郊、江別のあたり。なぜ江別だったのかはいまだにわからない。破壊し尽くされた街、ぼくは他の子供たちと散乱したガレキをひっくりかえしている。遠くに鉄道の線路があり、架線柱が並んでいるのが見える。空を見上げると1条の光がすーっと走って、遠く彼方の地上に落ちる。すると、ぼくの視界がまた真っ白になった。ノコギリ引きの時と同じ、曇りガラスの白。そして同じような軽くなった感じ。
その翌日夜にも、実はまったく同じシチュエーションの夢を見ている。ガレキの広がる平地、遠くに見える架線柱。違ったのは、警笛が聞こえてそこに電車が通ったことだ。空を1条の光が横切る、しかしその光が地上に届く前にぼくは目覚めた。それ以来、死ぬ夢は見ていない。


夢、見たい?

ぼくは見たくない。それが幸せな夢だったら、醒めた時に現実はそうじゃないとわかって不幸な気分にになる。もし不幸せな夢だったら、せっかく現実から切れられる時間になんでまた不幸せを疑似体験しなくちゃならないんだと不幸な気分になる。どこにも救いというものがないではないか。『警備日誌』には「もっとマトモな夢が見たい」と書いたけど、よく考えたら全然そんなことはない。

眠った次の瞬間が朝だったらどんなに幸せだろうと思う。4日の夜は、久々にそういう夜を過ごせた。眠った次の瞬間は朝だった。その夜の酒が深かったせいなのか、それとも。夢が見れない機械がほしい。

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