吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2003/03/09◆totoが、どうかしましたか。
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本当は違うテーマについて書きたかったのだけど、どうしても納得出来ん部分があるので発作的に。


土曜日は東京に出かけて映画観たり====ThisIsTheErrorMessege====サッカー観たり写真展観たり====ThisIsTheErrorMessege====酒を呑んだりした。柏サッカー場では他会場の結果として「京都3-2大分」とだけ出て、だから西京極で何が起きたのかを知ったのは日曜のスポーツ報知だった。

しかし読んでいて腹の立ってくる記事である。「疑惑の失点」なんてデカ見出しが打ってあるけれど、いったいどこが疑惑なのだろう。totoゴールの的中率がものすごく下がったから疑惑なのか?そんなこと言ったら、試合前日で確定した投票%で0-0がダントツ一番人気の試合だったら両チームはまったくゴールを狙ってはいけないことになるじゃないか。ある行為が疑惑となるのは、その行為によって特定の組織なり人間なりが利益を得ることがわかっていて、その組織なり人間なりに利益を得させるためにその行為が恣意的に行われた場合、でしょう。小林監督が「おい寺川、もしウチの選手がケガしてプレーが止まったら、ボールを相手に帰すフリをしてロドリゴに出せ、そしてロドリゴは気づかなかったフリをしてゴールに入れろ、そうしたら京都は怒るだろうから1点入れさせてやれ、いいな」と指示を出したような場合だ。あまりにバカバカしい妄想ではないか。
この記事には椅子男だかの話として「処罰はまったく考えていない」とのコメントが載っていて驚いた。椅子男がこう答えたということは、どこかの記者が「処罰は考えているか」という質問をしたということだ。マジか?なぜ処罰が必要なのだ。処罰が必要なのは不正行為が明らかになった時だ。つまり、上に書いたように小林監督が「おい寺川以下同文」と耳打ちしたような場合。「そんなことはなかったと言い切れるのか?」という反論は当然出るだろうが、「『なかった』と言い切れなければ『あった』とみなして処罰する」のか?可能性があっただけで処罰するのか?それって、「こいつはハードタックルをかますかもしれない」ってんで試合開始前に戸田にイエローカードを出すようなものじゃないか。

この記事では「無効か再試合にするべき」とまとめている。この意見には65536歩くらいなら譲ってもいい。ただし、それは再試合ではなく無効にすること、つまり京都-大分戦については全投票者的中とすること、そして次が大事なのだが、今回のtotoゴールで1等だった4名には3300万円以上の、2等だった190名には約30万円の確定配当金を払った上で無効にすることだ。なぜなら、彼らは的中させているのだから。おそらく催行側は大赤字になるだろう。

目の前のサッカーの試合とtotoとは独立した関係だ。試合は京都が3-2で大分に勝利している。どこにもルール違反はない。ロドリゴのゴールを取り消さなかった審判をやり玉に挙げるバカもいるみたいだが、ロドリゴだってルール違反はしていない。マナー違反があっただけだ。大分側はそのマナー違反を認めて京都に1点プレゼントしている。ここで問題になるのは両チームの総得点が1点ずつ上積みされたことで、だからこの事件を問題にするとしたら京都や大分と同じグループである名古屋グランパスのはずだ。不必要に総得点が上積みされたことで若干ではあるが名古屋の予選突破の可能性が下がったのだから。他に試合結果に対してクレームをつける立場はサッカーの試合を行う側には存在しない。従って再試合にする必要などないのだ。
ただ、一番正しい解決方だとぼくが思っているのは、このまま放置しておくこと。催行者が結果に介入したらバクチは成立しない。時代劇に出てくる、賭場で畳の下から賽の目を変えるという姑息なヤクザの親分と同じ事だ。競輪でも競馬でも、催行者が介入するのは不正行為などに限られる。武豊が落馬したから単勝馬券は全部払い戻しなんてことを始めたら誰も競馬なんかしないだろう。totoがバクチとして定着するためには、今回の事件は放置しておくしかないし、これが放置できないようなら胴元は辞めた方がいい。

日本のペーパーメディアはなぜこんなことがわからないのだろう。どうせプロ野球もオープン戦だからネタないしってんでセンセーションに飛びついたんだろうけど、それにしても間抜けな話だ。

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