cyic.co.uk 吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2003/01/03◆天皇杯決勝のことなど。
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いまから5年半くらい前にも国立競技場の同じような席でサッカーの試合を観ていた。フランスW杯一次予選のマカオvsネパール。その日はとにかくものすごい風雨で、ぼくは次の試合の日本vsオマーンを観ないで途中退場し、柏の居酒屋でSun'sSon氏と呑みたくったのだけど、この日ぼくの印象に残ったのはマカオでもネパールでもなく、国立に行く前に武蔵野市の陸上競技場で観た、関東リーグの横河電機とエリースFCの試合だった。横河の左サイドにすっごいイキのいいのがいて、スピードで相手DFを千切ると質のいいクロスをゴール前にぼんぼん放り込んでいた。近くに座っていたリーグ通から教えてもらった。浦和レッズをクビになって横河電機に移籍してきた、鈴木慎吾だった。


第一資料室の入替戦旅行記でも書いたけど、昨年に続いて国立に行った。正午に千駄ヶ谷集合。案内の兄ちゃんはメガホンで「鹿島側の自由席は満席になりました!」と盛んにがなっている。入ってみると、キックオフまであと1時間半を切って京都側自由席は7割程度の入り。
開始前に、日本と韓国がFIFAからフェアプレー賞を受賞したとの報告がある。授賞式はマドリーで行われたそうで、ネットではかなり手の込んだブラックジョークではないか?という解釈もあった。で、賞金1万ドルをユニセフに寄付するとかの報告を岡野さん====ThisIsTheErrorMessege====が読み上げているのだけど、その間も鹿島サポは自分達のchant====ThisIsTheErrorMessege====を歌い続けていた。こうして鹿島サポは嫌われていくのだなあ、と思う。

試合の方は、書きたくない。というくらいの前半だった。もう、両チームの動きの質に差がありすぎる。大舞台の経験値の違いがそのまんまプレーに現れている。柳沢のループがクロスバーにあたったところをエウレルがヘッドで押し込んで鹿島が先制。とてもとても妥当な試合の流れに見えた。前半は1−0で折り返したけど、もうこのまま鹿島が試合巧者ぶりを発揮して粛々と45分を消化するんだろうなあ、と思った。とにかく鈴木慎吾が、もうだめだめ。プレースキックも全然合わないし、味方へのパスもカットされまくり。ぼくは上記の通り横河時代に一目惚れしてしまった慎吾ファンだが、京都が勝つためには慎吾を下げて帝王====ThisIsTheErrorMessege====を入れなければ打開できないのではないか。2−0になったら退場して呑みに行っていたかも知れない。
ところがどっこい。後半の京都は「何が起きた?」という感じで中盤を支配してしまう。カネにまかせてハリー君でもバイトで雇ったのかな?あるいは島津製作所のタナカさんが革命的打開策を発見したとか。慎吾とともに逆サイドの富田も前線に顔を出す機会が増え、互角以上に渡り合えるようになる。そして後半始まって数分、FKを慎吾が蹴ると智星のアタマにピッタンコ。今日、慎吾がした初めてのまともな仕事が同点ゴールのアシストとは。その後もどっこいどっこいの展開。鹿島は、柳沢のポジション取りがまず過ぎる。オフサイドかかりまくり。一方、京都は両サイドがガンガン張り出して松井が下がり目で2列目から仕掛けるようになり、観ていて楽しいのなんの。結局、パスカットから松井のロングクロス、黒部→慎吾→黒部のワンツーで決勝点が生まれる。今日の慎吾の2回目の仕事。試合終了の頃は松井がほとんど動けなくなっていたけど、なんとか持ちこたえて京都が初優勝である。いやあ、あの17連敗の京都が、あの西濃にV負けしてJFL優勝を逃した京都がねえ。しかし黒部は、強いし打てるし、いいFWじゃないですか。大塚製薬に移籍したら2代目シアラーと呼んであげよう。そして慎吾。表彰式の前にサンガの大旗を振り回してはしゃぎまくっていたのが慎吾だった。そりゃそうだ、5年半前は関東リーグでプレーするサラリーマンだったのだから。夢のような気分だっただろう。

表彰式。審判の表彰の際に鹿島サポから大ブーイング。曽ヶ端の退場に対してだろうか。でも、もしあれでレッド出さない審判がいるとしたらモレノくらいだろうなあ。表彰式が終わって、鹿島サポから太鼓のリズム。お、ついに勝者を讃える気になったか?と思ったら、出てきたchantは「かしーまあんとらーずっ!」………空気が読めないというかなんというか。鹿島サポってばこうして嫌われていくのだなあ。でも、それもまたいいんじゃないか?とも思う。別に他チームのサポにどう思われようと、関係ない。「ぼくのプレミアライフ」に「みんなに嫌われて/みんなに嫌われて/みんなに嫌われて/それでいい♪」という『セイリング』の替え歌====ThisIsTheErrorMessege====が登場するが、サポってのはそういうものでもいいとぼくは思っている。JFL時代にガスサポも同じようなことを主張していた。試合終了後のエール交換に応じないガスサポに対しあるチームのサポからクレームがついた時、「ぼくらは自分のチームを応援するために足を運んでいるのだからエール交換はしません」と。


2日は自宅のTVで箱根駅伝を観た。今年の箱根に関しては、ちょっと言いたいことが。20チームにするのは別にいい。問題にしたいのは、そのうち1チームを学連選抜にしたこと。これまで、駅伝をエモーショナルに伝えていたメディアの言説『母校のタスキをつなぐ』という美意識を放棄したわけで、もちろんメリットもあるのだろうけれど、これってどうなのかなあ。変革を志向しないぼくは歳を取ったということなのだろうか………って、1年前に雑文シリーズを始めたときも同じように「ぼくも歳を取ったのかも」なんてことを書いたような気がする。と、オチがついたところで、2年目の雑文スタートです。今年もよろしく。

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