cyic.co.uk 吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2002/08/13◆W杯総括シンポジウムに参加して。
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8月10日土曜日、13時過ぎにシンポジウム====ThisIsTheErrorMessege====の会場に着いた。基調講演はサッカーライターの草分け的存在の賀川浩氏。====ThisIsTheErrorMessege====それに、3人の講演者がそれぞれのテーマで話す。最後に聴衆も交えての討論会。しかし、13時半の開始時間になっても、聴衆席は30人程度しか埋まっていない。あとで聞いた話では、東京会場ではもっと参加者も多く盛り上がったということ。単純に宣伝不足なのか、サッカーの世界ではおなじみの東高西低====ThisIsTheErrorMessege====の一つの現われなのか。
賀川氏の基調講演は、申し訳ないが半分近くを眠って過ごしてしまった。印象に残ったのが「決勝トーナメント」という表現について。日本では「決勝トーナメント」が一般的だが、これは大変な誤り====ThisIsTheErrorMessege====らしく本当は「2次ラウンド」なのだそうだ。何度も強調されていたので、よほど腹に据えかねていたのだろう。もっとも、フランスW杯までは1次リーグの事を予選リーグ====ThisIsTheErrorMessege====と言っていた向きもあったはずだし、こうしてメディアもファンも経験値を積んで行くのだろう。
基調講演の次は、英国大使館広報部長のスーザン木下氏。流暢な日本語を使う英国女性だ。「フットボールの母国からみた2002年大会」というテーマ。ファンとの交流があってよかったという好意的な話もあったが、やはり「過剰なフーリガン報道」には一言言わずには済まないという感じで、「英国人をイメージで語るのはやめてほしい、行動を見てほしい」と切実な訴えがあった。
次の講演はライターのジュン・ハシモト氏。「市民が伝えた2002年大会」というサブタイトルで、サポーターズプロジェクト2002====ThisIsTheErrorMessege====の説明。この「市民から」というサブタイトルにちょっとキナ臭いものを感じたのだけど、これについてはのちほど。このプロジェクト自体については、これこそ韓日の両方でやったら面白いデータが取れたのではないかと思うんだけど、どうだろう。フラッシュムービーも「さあ感動をどうぞ」みたいな感じがあってちょっとイマイチだった。
最後の講演が、ぼくがこのシンポジウムに参加しようと考えた直接の要因、宇都宮徹壱氏====ThisIsTheErrorMessege====の講演。「メディアが伝えた2002年大会」というサブタイトルだったけど、「メディアが伝えなかった2002年大会」になることは氏のネットでの活動を読んでいれば明らかだし、実際にその通りだった。サッカーファンがマスメディアを疑い出したのはいつ====ThisIsTheErrorMessege====で、乖離が決定的になったのはいつで、と時系列で整理してあったのでわかりやすかった。韓国は「共催」なんてこれっぽっちも考えていなかった、彼らには「分催」でしかなかった、日本からの一方的片思いは却下されたのだ、という主張も的を射ていると思った。残念なのは、氏が話した出来事のほとんどはぼくもネットでリアルタイムに経験していたことだったことだ。

休憩を挟んで質疑応答ということだったので、宇都宮氏指名で質問状を書いた。氏はネット掲載の自身の連載日記で「韓国とトルコの3決では、試合終了後の暖かな交流に感動した!非常に感動した!」====ThisIsTheErrorMessege====というようなことを書いていたが、ぼくの感じでは単純に「トルコは朝鮮戦争の友軍だったから」に過ぎないように思えた。韓国サポが「アズーリの墓」だとか「ヒトラーの息子」だとか罵詈雑言の限りを尽くした相手はいずれも第2次大戦で侵略国・日本の同盟国だったわけだし、韓国サポの採った「対戦国で異なる、辛辣な態度と友好的態度の違い」は、実は歴史にこだわっただけなのではないか。
この質問はディスカッションで取り上げられ、ぼくは聴衆席からマイクでパネリストに質問をすることになった。宇都宮氏はこの難癖?に対して「今回のW杯で特徴的だったのはトルコでした」とやんわり逃げてしまったが、賀川氏は「トルコは伝統的に反ロシアでしてねえ」と、世界史オタクの萌え萌えゲロ袋が爆笑しそうな話を披露してくれた。
もう一人、別の質疑者が立った。「自分はメディア論を研究している。今回の過剰フーリガン報道問題に関しては、メディア側からは『あの報道があったからフーリガン騒乱は抑制されたのだ』という意見もあるが」というもの。これは英国大使館広報部長にはつらい質問だろう。ほんの少しだがムッとした表情を見せた。4年前にレキップが「我々があれだけジャケを叩いたからフランスは優勝できたのだ」と主張したのと同じで、メディア側の「我々がコントロールしているのだ」という高圧的自意識が見え隠れしているように思えた。ぼく個人は、フーリガン騒動が起きなかったのは単純にイングランドがベスト8まで行ったからだと思っている。もし、イングランドが韓国vsスペインのようなjudgementに遭って2次ラウンド行きを逃がしていたとしたら、どうなっていたか。

20分くらい押してシンポジウムは終了。さてユニバーに行くかと思っていると、このあと懇親会があるという。そういうことは参加申込受領のメールに書きなさい。神戸vsTGも観たいが、せっかくなので途中まで参加することに。ぼくはバイクなのでウーロン茶にしたが、もしバイクじゃなくてもウーロン茶にした====ThisIsTheErrorMessege====だろうなあ。自己紹介で「吉田と言います。吉田鋳造と名乗ってます」と言うと、ジュン・ハシモト氏が露骨に「ああ、こいつか」という表情をした。彼女の経歴を読むと、横浜FC創設時に積極的に活動していたそうで、なるほどなるほど。「市民から見た」というサブタイトルもうなずける。彼女は、当時横浜FCサポの本丸だった「フリエの伝言板」にぼくが単身乗り込んでいってバトルを仕掛けた====ThisIsTheErrorMessege====のを覚えていたのだ。そんな昔のことを覚えていてくれたなんて感激。自分の行為が無駄ではなかったと知って、露骨に嫌な表情も苦にならなかった。全員の自己紹介が終わったところで、神戸ユニバーに向かうべく席を立った。

面白いシンポジウムだった。ただ、こういう会合が陥りやすい「関係者ならびに趣旨に賛同する人間しか出席しない」という状況であったのも事実。宇都宮氏が講演の中で、女性誌「週刊女性」====ThisIsTheErrorMessege====がイルハンを2度も表紙に使ったことを取り上げ「このタイミングを逃すな、女性を取り込め」と強く主張していたのが印象的。「ぼくらがコミュニケートしなければならないのは、どこにいるかわからない話のわかる誰かではなく、すぐ目の前にいる話の通じないその人なのだ」====ThisIsTheErrorMessege====という話を再確認することになった。

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