吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2002/07/14◆そろそろW杯を締めないといけない。
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稲本デブちゃんの移籍先がFulhamにほぼ決まったようで、実にめでたい。なにせ日本はたった3年後には8年ぶりの予選を経験しなければならないのだから経験値を上げるに越したことはないのだ。しかし、経験値もただ上がればいいというモンではない。稲本はFulhamでなければならない。Feyenoordなど論外。他のPremiershipのクラブも不許可。君の行き先はFulhamしかないのだよ稲本君。なぜなら。


W杯で日本はベスト16。まずこれについて。実にいかにも日本を代表した日本代表だったかな、という気がいまになってする。今回のトゥルシエJapanの結果は快進撃でもなんでもない。それはキチンと計算されたもので、予選リーグ3試合でいかに設定された結果を残すかに最大焦点ではなくすべての焦点があった。だからそれは完璧と言っていい結果を残した。けれどその先までは想定してないから準備もしていなかった。日本人て、Organizationは得意でもImprovizationは不得手って言われるじゃないですか。W杯総括の記事をいろいろ読んでも、日本の運営を誉めるひとはOrganizationの面に注目するし、ケナすひとはImprovizationの部分を突っついているでしょう。だからトゥルシエはあくまでOrganizationを極めるというカタチで結果を残そうとしたのだから、その先まで手が回らなかったとしても当然のこと。雑誌のインタビューでカズが「この結果で日本の選手が欧州に売れることはない」====ThisIsTheErrorMessege====と喝破していたのは実に明快だと思った。

韓国はベスト4。そもそも準決勝に韓国がいることがおかしいのだという言説もあるだろう。ヒディンクKoreaの結果だって別の意味で快進撃でもなんでもないという意見だってあるはずだ。ただ、韓国がベスト4に行ったという歴史は残った。3決前夜に大邱で呑んだ時に知人に話したのだけど、これからの韓国代表に対してはテーマソングがあると思う。それは、The Beatlesの"Carry That Weight".

この歌はBeatles最後の録音盤"Abbey Road"の終わりの方に収録されていて、歌詞はBoy, You Gotta Carry That Weight, Carry That Weight A Long Time. を繰り返す。短い歌だ。BeatlesのメンバーはこのAlbumを最後に自分達は解散するということをわかっていて、今後の音楽活動においてメンバーそれぞれが「元Beatles」の肩書きを背負っていかなければならない、ということを歌ったものだとされている。韓国代表にも同じことが言えると思いませんか?


で、一番印象に残ったチームはというと、同じ意見のひとも多いだろうけどやっぱりアイルランドなんですね。スギヤマと名乗る数字オタクには悪臭が漂うとまで酷評されたチームだけど、サッカーを鑑賞するひとにはこのチームの良さはわからないんだろうなあ。彼らはぼくらに「サッカーとは『戦う』ものなんだ」ということを示してくれたと思う。チームも、サポーターも。日本代表が散った宮城====ThisIsTheErrorMessege====の試合。「戦い切れていなかった」と感じたひとも多いかもしれない。しょうがないよ、だって日本はまだ世界を相手に戦った経験が全然足りないんだもん。韓国は50年近く前から世界を相手にしてボコられ続けてきたのだ。
今回のW杯で、日本の選手もサポーターも「負けたら悔しい」ということが身に染みたはずだ。だから戦わなければならない。戦わなければ勝てない。でも戦い切っても負ける時はある。戦い切れたのなら、暖かく迎え入れよう。そうして歴史は作られていくのだ。W杯への接し方、代表チームへの接し方という点でアイルランドに見習うところは少なくないと思う。もっとも、悪臭うんぬんは置いといてもサッカーそのものはあまり見習ってほしくないのだが。ナイアル・クインのようにモリツァやフナコシが代表で灯台やってるのって想像できないし、あんまりしたくないなあ。

あと3位のトルコ。日本代表とは対極のチーム作りだったんじゃないかな、なんて思ったりする。みんなで攻めてみんなで守る、んじゃなくて、それぞれが自分の仕事をこなすことでチームが作られているというような。それぞれがクセモノ揃いという感じで、ハサン・サスはどう見たって念仏の鉄====ThisIsTheErrorMessege====だし、そう考えるとハカン・シュクールは中村主水でイルハンはかんざし職人の秀でバシュトゥルクが三味線屋の勇次で……いや違った、彼はやはり森島の血を分けた兄弟だな。ってこれじゃあ北斗の拳になってしまうではないか。トルコが最初から日本ラウンドだったらもっとメジャーになったかもしれない。

ま、とにかくW杯は終わった。あれだけ騒いでいた民放地上波でW杯総集編番組がないのは映像放映権の問題かな?それとも終わったらもう知らないよってことなのかな?スカパーの「総集編」と「Wの〆(前編)」を視たけど、「何が語れるか」ではなく「語れるか」という部分でいろいろと考えさせられた。セルジオ翁はそろそろ店を畳んでも誰も怒らないんじゃないでしょうか。粕谷さんも本職はEditorなんだからPaperMediaで活躍されることをお祈り申し上げたいな、と。他にも「この方もそろそろご退場いただきたい」というひともいますが、そのひとについて書くとすっごい長くなるから別の雑文で。


なぜ稲本はFulhamでなければならないのか!の解答を。FulhamのホームスタジアムはCravan Cottageという。なもんだからチームの愛称もCottagers.Gunners====ThisIsTheErrorMessege====とかと比べるとなんか強くなさそう。Tractor Boys====ThisIsTheErrorMessege====よりはマシかもしれないけど。ところが、このCravan Cottageが改装工事に入るのだという。ゴール裏がテラスと言われる立ち見席で、これがPremiershipの基準を満たしていないのだそうだ。2年近くかかるらしい。ではその間Fulhamはどこを使うのか?これがだな、なんとなんとLoftus Roadを使うというのだ!我がQueens Park Rangersのホームではないか!我がクラブがプレミアクラブの大家になるのだ。稲本が移籍すれば当然注目を浴びる。TVに何度も何度も、我がクラブのスタジアムが映し出されるというわけだ。現在Div2の下の方でぜえぜえひいひい言っている我がクラブも、これで多少資金繰りが良くなるかも知れない。選手補強も出来るかも知れない。上位カテゴリーに戻れるかも知れない!素晴らしいことではないか!鋳造は稲本のFulham移籍を断固として支持する!万国の稲本ファン団結せよ!シュプレヒコール!

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