吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2002/06/11◆彼らの選択を尊重しようではないか
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各地で韓美戦====ThisIsTheErrorMessege====でのショートトラック・パフォーマンスが論議を呼んでいますね。私の意見は調子こいて内政干渉じゃないや文化干渉するのもいい加減にしろよ日本人ってトコでしょうか。ちょっと説明します。


確かにあの行為に対する感想は、数年前のJ2最終節で同点引き分けにはしゃぎまくるモンテ山形の選手に対する石崎ノブリンのコメントと同じです。つまり


「バカかお前ら」


ポルトガル戦のためにも、同点に追いつくだけじゃなくて逆転しなければならない局面なのに、あんなパフォーマンスにうつつをぬかすなんて。アトランタ五輪の3戦目で、とにかく得点を狙わないといけない局面で自己陶酔にひたるマエゾノさんを思い出した。あれは打ち合わせしないと出来ない。アポロ・オーノ役はイ・チョンスだったか?実際、ハングギルボ====ThisIsTheErrorMessege====だかの記事でアン・ジョンファンが試合前に打ち合わせたと答えているようだ。

でもね、これはお隣の国の話なんであって、我々日本人がどうこう言うことではないのですよ。共同開催だからって、関係ない。韓国国民の多くもあのパフォーマンスで溜飲を下げたという話だし、だったらそれでいいんです。

結果的にポルトガルがポーランドに勝ったために、韓美戦の結果は16強====ThisIsTheErrorMessege====進出に関係なくなったのだけど、もし韓国が逆転勝ちを収め、夜の試合でポルトガルとポーランドが引き分けだったら、その時点で韓国は16強進出決定だったのだ。韓国がアメリカに勝っていたら、おそらくポルトガルには大きなプレッシャーがかかっただろう。フランスやイタリアが負け、ドイツやイングランドが引き分ける1次リーグ、そのようなことが起こらないと誰が断言出来よう。それなのに、代表選手は、国民は、現実的目標を放棄して目の前の陶酔を選択したのだ。いいじゃないか、彼らがそれを選んだのだから。

韓国サッカー系掲示板には「やはり韓国は近くて遠い国だった、日本だったら絶対にあんなことはしない」という意見があったけど、寝言は寝て言えよホントに。韓国は「近くて近い国」だとか「近くて遠い国」だとかの前に「近くて別の国」なのだ。根本的な発想が我々日本人と違っても、そんなの当たり前じゃないか。日本側からこんな勝手に韓国を憂えるような意見が出てくること自体、韓国側からは「日本人はまた韓国を『近くて同じ国』にしようとしているのか?」と思われるかもしれないじゃないか。

大韓航空を利用すると「機内がキムチ臭い」と不満をたれる日本人は少なくない。でも、日本人が多く利用する日本航空が欧米人に「機内が味噌臭い」といわれていることを知っているひとは少ないだろう。我々の価値観は我々だけで有効なのだよ。ぼくら日本人は他人と風呂に入るときに基本的に水着を着ないし、そばを食べる時だってずずずーっと音を立てる文化を持っている。それを欧米人にどうこう言われようと知ったことか。そうだろう?それと同じことだと思うのですよ。


韓国は金曜日にポルトガルと対戦する。もし負けた場合、アメリカの結果次第では1次リーグ敗退になる。世論が「大統領にしたい」とまで持ち上げるヒディンク人気も一気に冷え込むだろう。でもそれはヒディンクのせいではない。それは韓国代表と韓国国民が選んだ未来なのだ。

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