吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2002/04/03◆続・J1残留戦線異状あり?
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まだJリーグに2部が出来る前の話だ。熾烈なJ1参入決定戦を勝ち抜けなかった2チーム、アビスパ福岡とコンサドーレ札幌が最後のJ1の椅子をかけて戦うことになった。第1レグは福岡が1-0で勝利。でも、まだ世間では互角あるいは札幌が有利との声が高かった。参入決定戦のルールで、第2レグで札幌が1-0で勝利してトータルスコアで同点になった場合、年間順位が上の札幌がJ1に行くことが決まっていた。しかも第2レグは12月の北海道室蘭で行われる。藤枝ブルックス時代から片目の隅で追い続けていたアビスパの運命が決まる試合。ぼくは前日に年休を取って、飛行機で北に向かった。東室蘭駅前のラーメン屋のテレビで視た18時半のローカルニュースでは、トップで明日の試合について伝えていた。まさに最終決戦といった感じだった。ぼくが泊まった室蘭の安ホテルでは、福岡から飛んできたアビスパのサポーターが一緒だった。一つの部屋に集まり、明日の応援についてミーティングを行っている。緊張感が支配する夜だった。

試合当日の朝。北斗星でやってきた盟友Sun'sSon氏と合流。地球岬を見物してから室蘭入江競技場へ。遠くに造船所のクレーンを臨む独特の雰囲気、曇り空が似合う。結構好きだ。札幌出身の大学の同期S君と合流し、3人で運命の一戦を観た。とにかく点を取らないとJ1に行けない札幌が攻める。しかし、その攻撃に組織的なものは感じられず、ただ闇雲に攻撃しているだけという印象を受けた。福岡もこれでは守りやすいだろう。結局、カウンターから失点を重ねた札幌が自滅という形で福岡が3-0と圧勝。札幌のJ2行きが決定した。帰りの室蘭発の特急はまさにお通夜状態だった。札幌サポのS君も、現実を受け入れつつもヘコミは隠せないといった感じだった。


以後数年。ぼくとS君が同時に観戦すると札幌が勝てないというジンクスが出来あがってしまった。厚別でのJ2湘南戦。圧倒的に相性のいい厚別で湘南に先制され、残り5分ばかりでなんとか追いついてぜえぜえ言いながら引き分け。J1に昇格して昨年の札幌ドーム、FC東京戦。ゴールに入れた数なら4-3で札幌の勝ちなのだが、入れるゴールを間違えたおかげで5-2で東京の勝ち。今年の高知春野の「べ」仙台戦。昇格したてのチームと実にJ2なサッカーを展開して1-0で負け。どうよ。

でも、別にぼくとコンサの相性が悪いわけではない。JFL時代には語り草の厚別の川崎F戦の大逆転====ThisIsTheErrorMessege====もナマで観ているし、S君不在の厚別・FC東京戦では4-1で圧勝している。S君だって、ぼくと一緒でない時は札幌の勝利を何度も観ている。ところが、この2人が揃うととたんに凶悪パワーが発揮されるのだ。逆・超人バロム1かよ。
だから、この日曜日に瑞穂に来た彼はチーム状態もあって札幌に対して過剰な期待はしていなかったはずだ。ぼくはぼくで0-0で延長戦はあるかなとは思っていた。ロブソンが出場停止で小島が復帰するだろうけどあまりアテには出来ないし、G8はG8でどっかーんウェズレイ頼むぞサッカーしか出来ないこともわかっていたから、ダサダサの大凡戦になるのではないか、と。

ところがどっこい。ぼくの予想以上にG8のDFはヘタレていた。ポストプレーに徹した小倉にいいようにボールを捌かれ、両サイドや前線に好パスがどんどん供給され、スペースを狙う小島や山瀬を捉まえきれない。これも語り草になっている天皇杯佐川急便戦での大崩壊====ThisIsTheErrorMessege====を彷彿とさせるデキだった。3-0で札幌が圧勝。S君は「今日来たひとは幸せだ」と喜んでいた。サッポロではなかったけれど名古屋駅地下で呑んだビールはおいしかったことだろう。でも安心は出来ない。この試合はG8が思いっきりヘタレていただけなのだから。しかしあれだけヘタレたG8を観ると、第4節にしてG8名物降格教団====ThisIsTheErrorMessege====が復活するかもしれない。どうしてあのクラブは毎年こうなるかな。


ところで、シーズン前は降格候補の大本命だった「べ」は、4節にして降格ラインと勝ち点で11もの差をつけてしまった。キエーヴォ・ベローナ命のM君====ThisIsTheErrorMessege====のように、「べ」サポもいまから来年の残留が心配になったりするのだろうか。

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