このパズル、ぼくの学校でも一部で話題になりました。なかには「左に1個、右に36個載せて、左が下がるのをひたすら祈る。これを4回繰り返してだめなら諦める」というあまりに潔い解答を寄せてきたヤツもいましたが、これはおふざけでもなぞなぞでもない。ちゃんと解けます。では始めましょう。ちなみに出題の際にも書きましたが以下は解答の一例です。
まず、解答編を始める前にいくつかの用語を定義しておきましょう。
今後は、重さの違う球をターゲット、重さの違う球が混ざっている球の集合をダウトグループ、すべて同じ重さであることが証明できている球の集合をリーガルグループと呼びます。すると問題はこうなります。
●ターゲットは重いか軽いか不明。
●ダウトグループは37個。
●天秤を4回使用可能。
ここで、この問題を解くための道具とするために、問題を簡単にしたバージョンを手始めに解いてみましょう。こういう大きな問題を解くためにあらかじめ解いておく小さな問題を数学の世界ではレンマ====ThisIsTheErrorMessege====と呼ぶらしい。ここでは【ARM3】というレンマに挑戦します。
【ARM3】
●ターゲットは重いか軽いかわかっている。
●ダウトグループは3個。
●天秤を1回使用可能。
これなら解けますか?解けますね。天秤の両側に1個ずつ載せればいいわけですから。もし天秤が傾けば、ターゲットが重いか軽いかわかっているのですから、軽いのなら上がった方、重いのなら下がった方の球がターゲット。もし釣り合えば天秤にかけてない残された1個がターゲット。重いか軽いかわかっているのだから無問題。
では、この【ARM3】を使って、今度は【ARM9】を解いてみましょう。
【ARM9】
●ターゲットは重いか軽いかわかっている。
●ダウトグループは9個。
●天秤を2回使用可能。
【ARM3】が解けていれば、これもOKですね?『天秤1』では両側に3個ずつ載せて3個余らせればいい。ターゲットが重いか軽いかわかっているのですから、『天秤1』の状態(傾く/釣り合う)で左/右/余りのどの3個がダウトグループかが判別出来ます。あと天秤は1回使えますから問題は【ARM3】に変化したことになります。これはさっき解きました。というわけで【ARM9】もOK。
「37個のパズル」は、この2つのレンマを利用して解いていきます。
おっと、ページが長くなりましたね。続きは次の雑文録・・・というわけにもいかないでしょうから、ここでは第1回目の天秤だけお教えします。正解は
『天秤1』:左右に12個ずつ載せる。13個余らせる。
です。この天秤が傾いた場合と釣り合った場合ではその後の展開が変わってきます。今日はここまで。次回は釣り合った場合の解説をします。