吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2002/02/01◆ビデオの整理も奥が深い。
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「要る物と要らない物を分けるでしょ。でも、その『要らない物』ってのは前回掃除したときには『要る物』だったわけだよね。つまり、前回の掃除から今回までの間に、『要る物』が『要らない物』になった。自分自身に変化があったわけだ。なぜ今回は要らなくなったのか。その間に自分に何があったのか。それを考えながら分けていくと、時間はかかるけど結構面白い」


「部屋の掃除は奥が深い」とインタビューでこんな風なことを応えていたのは、元パール兄弟====ThisIsTheErrorMessege====のギタリスト窪田晴男だったと覚えている。


前の雑文録で書いたように、ぼくに2ヶ月という時間が出来た。そこで、たまっていた録画済のビデオテープの整理をすることにした。これは保存版だなというテープの爪は折り取ってある。ところが保存しようと思ったときに録画内容をちゃんとラベルに書いて貼っておけばいいものを、そのままにしてあるテープが山のように存在していた。鋳造はズボラな人間なのだ。

というわけで爪は折ってあるがラベルが貼ってないテープを1本1本視ていくこととなった。すると、たぶん今後も視ることは少ないだろうが資料としてはめちゃくちゃ貴重なものも出てきた。例えばJFL時代の札幌vs西濃運輸とか。逆に、なぜこのテープは爪が折ってあるのだろう、つまり「なぜぼくはこの映像を保存しようと思ったのだろう」というものも何本か出てきた。例えば、スポーツアイESPNが放送した「オフサイド2002」という番組の韓国特集。ワールドカップ日韓共同開催が決まって、韓国のサッカーシーンを伝えようとした番組だ。しかしいま見返してみると、なぜぼくがこの番組を「今後も必要とするだろう」と感じたのか、まったく思い出すことが出来ない。番組放送後に何度も韓国に行ったりKリーグも見たりしたからだろうか。速攻で上書きローテーション入りとなった。

もう一つ、上書きローテーション入りしたグループがある。フランス・ワールドカップのビデオだ。あの時はビデオデッキを必死でやりくりして、全試合を保存するんだと張り切っていたものだ。ところが大会が終わってしまうと、録画した試合を視ようというモチベーションが綺麗に消滅していた。日本が3連敗したからか?たぶん違うと思う。思い入れのない国の試合を視ても、特に感動したりすることはないからだろうか。

ぼくらにとっては消費がすべてだ。消費なら、JリーグやJFL、地域リーグの観戦でライブの感覚を十分に味わっている。ビデオに録画されたワールドカップのパラグアイvsブルガリアの試合と、ナマで見る東海リーグの藤枝市役所と名古屋銀行の試合。どちらを採るか?ぼくなら間違いなく、後者だ。でも、大抵のサッカーファンは前者を採るのだろう。やはりぼくは少しだけ軸がずれているようだ。


さて今回のワールドカップ。たぶんぼくは全試合を録画するだろう。だけど、その全試合のビデオを視るかどうかは、わからない。ワールドカップの余韻に浸っているうちに、すぐにいろんなカテゴリーのリーグ戦が始まってしまうだろう。
サッカーはナマで観るに限る。レベル関係なしに、ね。少なくともぼくはそう思っている。

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