吉田鋳造総合研究所
鋳造所長雑文録
2002/01/31◆ランドナー再登場。(鋳造改造計画)
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何事においても「久しぶりの体験」というものは、うまくいかないものである。本当なら思い描いていた通りに進むはずなのに。あれ?こんなじゃなかったはずなんだけど。そうして人間は経験を思い出していくのだろう。「久しぶりの体験」というものには、うまくいかないものである。そう、何事においても。


実は2/1から仕事を離れることになった。諸事情あって書き出すとテーマがすごい方向に流れていくので省略するけど、要するに2ヶ月の空白期間が出来たわけだ。離れるにあたって各地で挨拶回りをしたんだけど、ほぼ全員から「痩せろ」と言われた。うぐぅ、否定できない。今年の正月にはついに体重計が1周してしまったしなあ。と、せっかくの2ヶ月を自己改造に費やそうと考えた鋳造は、部屋の隅に保管していたモノを引き出した。自転車だ。

それはランドナー====ThisIsTheErrorMessege====と呼ばれるタイプで、15年前に購入したものだ。専門の自転車屋でパーツから組み立ててもらったもので、当時で9万近くしただろうか。以前の職場は自宅から自転車で通勤できたので、これで毎日走り回っていたのだが、やがて原付バイクを購入してからすっかり御無沙汰になり、転居後はずっと自宅の隅っこに立てかけられていたものだ。これを修理に出すことにした。自転車屋まで引きずること15分。室内で保管していただけあって状態は悪くない。タイヤとサドルを替えれば大丈夫だろう、とのこと。¥12KくらいかかるというのでOKを出した。

1週間後、引き取りに行った。久々にまたがってみる。あれ?足がつかない!ぼくの足は短くなったのか?いままで見栄を張っていたのか?とにかく危なっかしくて話にならないのでサドルの高さをかなり下げてもらう。プライドに少なからず傷が入る瞬間だ。照明器具は壊れていて、電池を入れ替えても点かなかった。これは別の店で取り替えるしかないね、と言われ、とにかくその店を離れて自宅まで漕いで帰った。徒歩15分の平地を漕いで帰っただけなのに息が上がってしまうのはどういうことだ。

翌日、出社の最終日。天気もいいしなぜか早起き出来たし、これは駅まで自転車で行ってみろというお導きに違いないと解釈して、出発。駅まではバイクで15分かかる。40分見ておけばいいかな?と思いながら走り出した。のだが。

まあとにかく怖いのなんの。バイクはヘルメット着用だが、自転車では風が直接頬にあたる。顔が守られていないってのが実は結構怖い。それにバイクとは重心のバランスが違う。まるっきり違う。しかも曲がったり障害物を避けたりする際にバイクでは車両を傾けて対応するのだが、自転車ではハンドルを切らなければならない。このバイクのクセがまったく抜けず、自宅を出て2kmもいかないところで登校途中の男子高校生の自転車と衝突してしまった。ブレーキレバーの位置がバイクと違うのも大きな問題だ。しかも肩掛けカバンを腰に回しているので、そちらのバランスも気をつけないといけない。次からはデイパックにしよう。もう一つ、恐怖感の要因がサイドミラーがないこと。バイクではすぐに出来た後方確認が出来ない。ぼくはもともとそんなに首が回らない人間なので、歩道から車道に出る際に、ものすごく気を遣ってしまう。自分が自転車すら扱えない人間になっていた、というのはかなりの衝撃だった。

そんなわけで、いい汗とそうでない汗をかいて駅に着いた。ゆっくり走ったつもりなのに30分で着いてしまった。これは、自転車乗りのコツを取り戻せば、空白期間後に「駅まで自転車通勤して運動する」が可能ではないか?いまはとにかく自転車に慣れることだ。近所の喫茶店にモーニングセットを食べに行くのも、晩飯のおかずをスーパーに買いに行くのも、自転車にしよう。バイクは長距離移動や重量物運搬時に稼動させることにする。そうすればバイクも少しは長持ちするだろう。

あー、怖かった。

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