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【TAIWAN-01】 2000/05/02 基隆の黄昏
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もうそろそろ帰り仕度をしなければならない。MRTで民権西路へ。ホテルで荷造りを終え、どうせ電車に乗るのだからと、せっかくなので例の基幹バスレーンから松山車站====ThisIsTheErrorMessege====行のバスに乗った。松山駅前はどういうわけか大渋滞。ようやく着いた松山駅は、予想以上に大きく予想以上に渋い駅だった。ここから電車に乗って基隆====ThisIsTheErrorMessege====に向かう。ごく普通の通勤電車だ。途中の南港駅で基隆行自強号====ThisIsTheErrorMessege====に抜かれる。古い車で少々びっくり。あとは各駅に停まって客の出入りがあり、ごくごく普通の日常の光景を眺めながら基隆に着いた。

基隆駅は、よい。門司港と長崎と若松の雰囲気を兼ね備えている。またこの街の女子高生がかわいいんだこれが。スカートの丈は膝上5cm見当でソックスは極端に短い。つまり日本では絶滅危惧種どころかほぼ絶滅したと思われる「ちょっと昔の女子高生」がそのまんま。もう一つ、さすがに北の要衝だけあって軍人さんの姿も多い。やはりただ平和なだけの国ではないのだ。駅に隣接されているバスターミナルをひやかし、コンビニで船内食を購入し、ターミナル前の簡易食堂で牛肉麺====ThisIsTheErrorMessege====を食べた。もうバスに乗る根性はないのでタクシーを使ってフェリーターミナルまで行った。運将さんは日本のゴールデンホリデーはどれくらい長いのかとか英語でいろいろ話し掛けてきた。

基隆港に着いた。なんか雰囲気がヘン。白バイがたくさん停まっていて警察官が交通整理をしている。港の写真を撮っていたら職務質問されたけど「TakePicture」と言ったらそのまんまだった。白バイは台北市ナンバー。応援要請が出ているのだ。広場ではなにかのイベントの準備が行われている。祭りでも始まるのだろうか。
船の予約をした際に200元だと言われた港湾使用料は168元に値下げされていた。使用料を払い、残った新台幣を日本円に戻してもらおうとしたら、ここでは両替は出来ないし銀行は閉まった====ThisIsTheErrorMessege====とつれない返事。日本に戻ってから困るほど新台幣を抱えているわけでもないし、持って帰るかと思った時、見知らぬお兄さんに「日本に戻られるんですよね?」と声をかけられた。沖縄から基隆に着いたばかりの日本人観光客で、彼も日本円が新台幣に換えられずに困っていたのだった。ぼくの1500元を¥5000と交換してもらう。これでほとんど新台幣はなくなった。荷物を預かってもらって基隆の夜に出ていった。といっても何がしたいというわけでもなく、ただウロウロしていただけ。7時半には港に戻り、8時半にイミグレを通過した。出入国管理管は私の筆跡に疑いを持ち、入境票は本当にお前が書いたのかと尋ねてくる。当然だと応えると「この紙に書いてみろ」とメモ紙を差し出すしつこさ。すらすらと書いたら通してもらえた。ま、とにかく今回の旅の最大の目標の一つ、基隆の出国印を綺麗に入手できた。とても嬉しい。10時の出港まで、ずっと甲板で¥120の免税ビールを飲みながら例の広場のイベントを眺めていた。どうやら政治関係の集会のようだが、爆竹は鳴るわ打ち上げ花火はあるわ、まさに『まつり・ごと』といった雰囲気であった。

さて、10時になったものの一向に出港の気配を見せない。沖縄では乗り継ぎに3時間半しかなく、だんだん不安になってきた。広場の『まつりごと』もあと片付けさえ終わってしまったかのようだ。貨物担当の職員が少しイライラしながらコンテナトラックの到着を待っていた。やがてやってきた1台のトレーラー。ああ、これでやっと出港かあと思っていたら運転士は書類に判を押してもらうとまたどこかに走り去ってしまう。こんな感じでトレーラーが6台くらいやって来ては走り去りを繰り返す。1時間15分遅れで、ようやく出港許可が下りたようだ。結局待っている間1つの荷物も積み込まなかった。どういう構造になっているのだろう。免税ビールはすでに5本目になっていた。ゆっくりと遠ざかる基隆の夜景に最後の乾杯。

那覇に向かう船内では尋羊冒険記を読みながら時間をつぶした。原文はほとんど暗記するくらいに読み込んでいるので対比が出来る。日本で『寝る』という言葉でSEXを表現するように、北京語でも『睡』を使うのだろうか。外はどうでもいいような好天だったが、不思議と悔しさは込み上げてこなかった。もうここは日本なのだから。
那覇新港の貨物ターミナルに接岸。イミグレーションは船内で行われた。そしてマイクロバスで港湾事務所に移動。ここで鞄の御開帳だ。人参酒が植物検疫に引っ掛かるか?と思ったが無事通過。タクシーを拾って那覇空港に行った。空港ターミナルの土産物屋を見て、初めて観光旅行に来ている気分になった。不思議なものだ。

おしまい。

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