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travelnotes : overseas
【TAIWAN-01】 2000/04/30 南大門急落
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昼飯を終えて、バイク用防水グローブを探して街を歩く。しかしこの街のスポーツ用品店で扱っているのは靴ばかり。季節的にしかたのないところではあるが。明洞衣料近くの雑貨ビルで台北用の折り畳み傘が買えただけだった。店員ははっきりとごせんうぉんと日本語で言った。少し悔しい。まだ少し時間があるので南大門市場====ThisIsTheErrorMessege====まで足をのばしてみた。が。
ものすごいヒト山のクロダカリ。動くだけで精一杯。ぼくを日本人だと見破った連中は腕をつかまんばかりというより露骨に腕をつかんで売りつけようとする。激しく消耗していくなかで、つい「バイク用グローブを探している」としゃべってしまった。とたんにあるよあるよ、と革製品屋の2階に連れて行かれてしまった。気に入ったら買っていけばいいと言う割には、革ジャンやらなんやらを必死で売りつけてくる。こちらが欲しいのは雨が防げるグローブだけだ。ようやく3つ持ってきてくれた。黒い渋めのものが気に入ったが、言われた値段がなんと22万ウォン!本当は45万ウォンだとのこと。革製品の良し悪しなどわからないが、とにかく探しているのはそんな高いものではない。予算と合わないと宣言して帰ろうとすると、店員の兄貴は先の一言はどこへやら、私を逃がさへんでえとばかりに体を張って行く手を塞ぎ、そして値段が下がる下がる。8万ウォンまでずるずると下がってしまった。こちらの目標は雨が防げるだけの安グローブ。予算は5万ウォンだとここで宣言すると、兄貴は諦めたように、5万ウォンでいいその代わり自分にチップを1万ウォンくれと言う。ここで断ればマジで帰してもらえそうにないし飛行機の時間も近いので6万ウォンを渡して解放してもらった。
なんとか地下鉄会賢駅に逃げ込み、車内でしげしげとグローブを見て「なあにが元値は45万ウォンだ」。それは韓国海軍の払い下げ品だったのだ。海軍さんのマークとともに、軍用・全皮掌匣・1993年の文字が読みとれた(全皮掌匣は帰国して調べた)。しかし、考えてみれば6000円で韓国軍の皮手袋が入手出来たと考えればそれほど悪い取引ではなかったのかもしれない。向こうにしても軍払い下げなら6万ウォンでペイ出来るだろう。そんなものの言い値が22万ウォンとは。15万ウォンくらいまで引いて、日本人も気分的に満足するし売った側も大満足。そういう流通が出来上がっているのだろう。やれやれだ。もっとも、これが私の目的通り防水効果バッチリのグローブかどうかは使ってみてからの判断になるが。

そんなわけで金浦空港に戻ってきた時にはすでにぐったりと疲れ切ってしまっていた。空港の本屋で日本旅行ガイドの韓国語版買って食堂で冷麺を食べたら用意したウォン貨はほぼ使い切った。イミグレを通過し、待合室でTVを観た。韓国に初めて来たときは学校へ行こう!のコピー番組を見つけたのだが、空港のTVで放映していたのは『なんでも鑑定団』のコピー番組だった。日本占領時代の朝鮮銀行券にはかなり珍しいものがあるらしい。ところで韓国では紙幣のみならず貨幣にも韓国銀行の銘が刻まれているけど、なぜだろう。韓国銀行が破綻したらコインもただのカタマリになってしまうということなのだろうか。

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