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travelnotes : overseas
【KOREA-03】 2001/07/14 ソウルの土曜の夜
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18時20分。搭乗開始の時間。私はビジネスクラスなので先に搭乗出来る。まずはシャンパンをいただいて、とシミュレートしてみるものの、なかなか搭乗案内が流れない。以前にもあったことだが、ビジネスとエコノミーを一緒に乗せるつもりなのか、大韓航空め。ところが、18時40分になってもアナウンスが流れない。さすがにこれは何かあったと思う。搭乗を待つ客たちも不安な様子。ツアーの添乗員が係員と交渉するのを聞いていると、オーバーブッキングがあって客がもめているとのこと。なら、その客が諦めたら登場開始だな、とタカをくくっていたが、どうも進展がなさそう。すると、別ルートからエンジントラブルらしいとの情報が入る。確かに左翼の付け根側エンジンに整備員が集まっている。無理して上がって落ちるよりはちゃんと直してくれたほうがいい、しっかり修理してくれとは思うものの、不安にかられないこともない。問題は名古屋空港なのだ。
名古屋空港は住宅地にある関係で着陸は21時30分までと定められている。修理に時間がかかれば、直ったところで名古屋には降りられないということになる。関西に振られるのか?いやいや、フライトキャンセルもありえる。19時30分を過ぎて、さすがに騒ぎ出す客が出てくる。ここで仁川空港の問題点が発覚。クレジットカードでかけられる公衆電話がないのだ。テレホンカードはずーっと戻って免税店のあたりまで行かないと手に入らない。係員が携帯電話を持ってきて、これでかけてくれという。それでとりあえずの混乱は収まった。
しかし、とにかく飛ぶ気配がない。20時、ついに大韓航空はあきらめて751便にキャンセルの決定を出した。係員が説明を始めるが、メガホンもないので全員に話が伝わるはずもない。とりあえず動き出した人々についてターミナルビルを戻る。イミグレの前でようやく説明が伝わってきた。曰く、今日は食事の後でホテルに泊まる。明日は朝6時20分に離陸する。だから空港には5時半にはいなければならない。なるほど、なんとしても明日朝の名古屋→ソウル便のキャリアは確保しておきたいというわけね。しかし300人弱の客をいまから収容できるホテルなんてあるのだろうか。なにせ土曜の夜なのだ。
とにかく方針が決まった以上、その方向で動くしかない。まず問題となるのは免税品だ。保税区域から韓国国内に持ち込むわけにはいかないので、ここで預けることになる。引換証をもらった。そしてイミグレを逆通行。再入国ではなく出国の取り消しとなる。入国管理官が「搭乗券を出せ」というので渡したところ、搭乗券の半券だけを返してよこした。あとで、取られた搭乗券には航空券と免税品引換証が挟まっていたことを思い出すことになる。そして空港係員から空港利用税の払い済み証明書をもらう。これがないと翌日にまたW15000取られることになる。その後、大韓航空のカウンターで搭乗名簿と突合せ、通過旅客のシールを貼られる。ここで再び係員から説明。ここは島の空港で出来たてなのでホテルはない。====ThisIsTheErrorMessege====ホテルはインターコンチネンタル====ThisIsTheErrorMessege====を押さえた。まずバスに乗って金浦空港そばのレストランで焼肉を食べる。そこからまたバスに乗ってホテルへ行く。明日は早朝起きで空港に戻る。先程の説明どおり、朝の6時20分に出発する。インターコンチを押さえたのは誉めてもいいが、逆にいえばインターコンチには300室近くの空きがあったということだ。土曜の夜なのに、それはそれでいかがなものだろうか。
で、大韓航空が6台手配したというバスを待つ。離れ小島にある空港なので、当然バスの到着にも時間がかかる。乗客の中には空港のソファーで寝るというひともいたし、ウォーカーヒルで夜を明かす====ThisIsTheErrorMessege====とまくしたてる猛者もいる。待つ間、知り合いになった韓国に留学中の女の子に通訳になってもらって、イミグレで免税品引換証を取られたという話を係員にしてもらう。係員曰く、手元にある搭乗券の半券で主張するしかない、でもたぶん大丈夫だ、とのこと。彼女の口から出た「けんちゃな」====ThisIsTheErrorMessege====しか聞き取れなかった。
22時にようやくやってきたバスに乗車。ところがこのバスがワイパーが故障して動かないので、高速もゆっくり走るしかない。1時間かけてようやく江西区のリバーパーク観光ホテルへ。ここの食堂にプルコギが用意してあった。はっきり言って足りる量ではないが、ぼくは前にカルビタン定食を食べていたので大丈夫だった。ビールを頼むとW4000だという。その場でカネを払い呑んでいると、別のおばちゃんがやってきて「ビール代を払え」という。さっき払ったぞこっちは。いい加減イヤになってきた。食べ終わったところで再びバスに乗車。江南まで一気に走る。夜のソウル漢江の景色は、橋の照明が飾ってあったりしてなかなかのもの。もう、いまのソウルにYMOは似合わない。似合うのはピチカート・ファイブか。ソウルは大都会なのだ。
インターコンチに着いた時には日が変わっていた。宿泊名簿に記入し、シングルユースを主張して鍵を入手。ここで係員から最後の説明。明日は3時半にモーニングコールをかける。ロビーに4時10分に集合する。とにかく飛行機は6時20分に飛ばす。着替えの早さには自信があるので、3時半のコールは無視することにして4時に携帯電話のアラームをセットした。
部屋に入ったのは0時半。やはりインターコンチは「松」だ。普段ぼくが韓国で泊まっているホテルとはレベルが違う。あまりに快適なベッドなので、すっぽんぽんになって気持ちよく寝ようとしていると、電話のベルが2回鳴った。もう3時半?!しかし時計は1時前だ。暗闇の中で、部屋のどこかでFAXを印字する音がする。近づいて読むと、ホテル支配人のウェルカムメッセージだった。むきーーーーっくしゃくしゃぽいっ!ベッドに戻ると、次の瞬間には眠ってしまい、3時半まで夢も見なかった。

4時、携帯のアラームで目を覚まし、ダッシュで着替えてロビーに降りた。まだ半分近くしか集まっていない。そりゃそうだわなあ。バスに乗り、雨ざんざかざんのソウル市街地を一気に西へ走る。江南から1時間きっかりで仁川空港に着いた。大韓航空のカウンターは開いていて、ここで今日の搭乗券を発行してもらう。ところがここでトラブル発生。ぼくの航空券は昨夜入国管理官が持っていってしまった。手元には搭乗券の半券しかない。カウンターの係員は
That's Boarding-Pass. We need Ticket.
と主張してやまないが、こういう場合は過去完了でよかったっけ?とか思いつつ、
Immigration staff had taken my ticket last night, so I got only ONE !
と搭乗券の半券を示すしか手がないのだ。ちょっと待て、と言われて数分、ようやく今日の便の搭乗券を確保できた。
昨夜渡された空港税の払込証明書を渡し、イミグレを通過して保税区域へ。昨夜預けた免税品のカルタ取りが始まっていた。引換証はなかったけど、免税品の袋に座席番号が記してあったので、「これ!」と入手に成功。あとは帰りをまつばかり。6時のニュース、さすがに今日ばかりは教科書問題を差し置いてソウルの大雨情報から。帰国して知ったのだがソウルでは午前2時から1時間に90ミリの雨が降ったそうだ。
さて6時20分になって、ところが再び機材の調整のため遅れるとのアナウンスメント。もう失笑しかわかないね。7時近くになってエンジンテスト、ようやくちゃんと回るようになったようで、搭乗開始。機内サービスはキチンとビジネスクラスのものが提供された。朝っぱらの激睡眠不足状態でシャンパンに白ワインを2本空け、予定通りゴキゲンな酔っ払いになって名古屋に戻ってきた。着陸は9時。これで折り返しの752便、名古屋発ソウル行も1時間半くらい遅れることだろう。バスと電車を乗りついで新岐阜へ。バイクの駐輪場に1日オーバーの料金を払う。こういうのって、大韓航空に請求できるのかしらん。帰宅したのは昼前、昼飯にそうめんを食べて、2時から6時まで意識不明だった。

仕方ないとはいえ、正直言って参りました。

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