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travelnotes : overseas
【KOREA-02】 1999/05/06 北へ。
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ソウルの朝は霧が迎えてくれる。と再びロマンチックな書き出しも可能だが、これってやっぱりスモッグなのではないだろうか。また朝の6時。寝る前にフロントにモーニングコールを頼んだはずだが、時間になっても電話は鳴らなかった。忘れたのならいいけど、別の部屋を起こしたんじゃないだろうな。ぼくが部屋番号を間違えたんだったりして。しかし、クタクタのはずなのに目覚ましなしで6時に起きてしまうというのも考えものだ。

さて、今日は韓国国鉄北限駅、つまり「北」に一番近い駅を訪ねる予定になっている。チェックアウトしてから荷物を預かってもらう。国電直通の地下鉄で議政府====ThisIsTheErrorMessege====へ。朝のラッシュと逆方向に進んでいるのに、そこそこの乗車率。これは意外だ。清涼里====ThisIsTheErrorMessege====を出ると地上に。ソウル市街に向かう道路は大渋滞もいいとこだ。「明けない夜がないように終わらない交通渋滞もない」という表現を村上春樹の本で読んだことがあるけど、もしかしたら世界のどこかには終わらない交通渋滞もあるんじゃないか?なんて考えてしまう。Sun'sSon氏はガコガコ寝倒している。2時近くまで起きてりゃなあ。

議政府は、想像していたより近代的で大きな駅だった。地下鉄直通の電車はもう1つ先の駅====ThisIsTheErrorMessege====まで行くのだが、列車線への乗換駅はここ。ここまでは地下鉄直通運賃だが、先へは列車運賃、同じ国鉄なのだが切符の買い替えが必要になる。
「シンタンリ」というと乗車券が投げ返されてきた。W800と印刷された乗車券にW1900というスタンプが押されている。いったいいつの乗車券を使っているんだ?と呆れながらスタンプを見ると、どうやら『統一号乗車券』と押したかったらしい。なあーるほどね。

韓国国鉄にはセマウル/ムグンファ/トンイル/ピドゥルギの4種類の列車種別があるけど、御多分に漏れず韓国国鉄は大赤字を抱えているらしく、全国各地でピドゥルギのトンイル化====ThisIsTheErrorMessege====を行っている。圧制暴挙以外の何物でもないとは思うのだけど、国情から日本のように民営化するわけにもいかないだろうし、だったら赤字は国家予算で何とかする、というレベルの赤字ではないんだろうなあ。韓国ではどこでも入手可能な「観光交通時刻表」でもピドゥルギは1路線でしか見つけることができなかった。で、この結果公共交通機関としての長距離バスが異常に発達するという事態を招いているという次第。

改札を通って列車ホームへ。ディーゼルカー5連。かつては客車列車で「機まわし」が見れたそうだが、これも時代の流れか。発車まで時間があるので車掌室をノックしてみる。若い車掌さんは写真撮影を快諾してくれた。写真に映りませんか?と誘ってみたけど笑って断られた。

列車は北に向かって進み出す。この乗車率はどうだ。平日のはずだが、ハイカーらしき人達も多い。立ち客もいる。しかし、駅に止まるごとに少しずつ乗客は減ってきた。対向列車には軍人さんの姿が目立つ。そして沿線風景もなかなかのものだ。途中の国道では2ヶ所で検問が実施されていたし、列車のそばを1機のヘリが地上監視の任務についているとしか思えない低空飛行で飛んでいく。第****部隊、という看板が目立つ。そして装甲車に戦車。冗談でもカメラなんか出せない車窓が続いていく。窓の外は長閑な田園風景、しかし外の風には準戦時体制の緊張感がかなりの濃度で混ざっているように思えた。

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