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travelnotes : overseas
【KOREA-02】 1999/05/04 高速バスに乗って
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ソウル行の優等高速バスは釜山の街を北に抜け、高速1号京釜線に乗る。あとはこのままずっと高速を走りつづけるだけ。しかし、このあまりに長閑な車窓はなんだろう。なだらかな丘陵地帯に広がる農村、それがただただ続いているだけ。これで寝るなというのが無理というものだろう。目が覚めたのは慶州====ThisIsTheErrorMessege====ICのあたり。ここで高速と並走する国鉄に貨物列車発見!思わずパチリとやってしまう。いいのかなあ。しばらくすると、今度は遠くに特急列車が見えてきた。これもパチリ。
一眠りしたおかげで気分もだいぶすっきり。で、ずっと車窓を眺めていたのだけれど、ちょっとこの高速道路は設計に難があるぞ。国防上の理由だとは思うが、日本だと平気で穴をあけてしまうところでもなるべく坂を上って切通にするという設計方針はわからないでもない。ところが、よほど長い坂でない限り登坂車線がない。しかも、高速を走るトラックはどれも結構過積載くさい(苦笑)。そのため、坂にかかったあたりで確実に律速が起きてしまうのだ。高速バスの運転技士様は急ブレーキも辞さずとばかりに車群に接近。結構こわいものがある。
もっとも、坂での律速がなくても、彼のテクニックには舌を巻かざるを得ない。道路脇には車間距離は100m以上!と(もちろんハングルでだが)書かれた看板を頻繁に見掛けるが、運転技士様は知ったコトかとばかりに飛ばすはあおるは。一般車が背後に高速バスの気配を感じ取るやそそくさと逃げて行く、といった光景を何度も目にする。バスファンには魅力的に映るのかもしれないけど……やっぱりこわいよ。

大邱====ThisIsTheErrorMessege====を出たあたりのSAで小休止。高速バスにはトイレ設備がないので、途中の休憩は必要不可欠。運転技士様は停車の際に「シブンなんたら」と言ったから、10分停車なんだろう。トイレを済まして一通り売店を見学した。構造から何から、日本のSAと一緒だ。
で、バスに戻ると、何やらお兄さん達が乗客ひとりひとりに紙を配っている。ははあーん、これが噂の『幸運番号抽選会』ね。下1桁を読み上げて、同じだった人にはこの商品が半額で買えるよ……とかいうヤツ、らしい。事情通の方の話だと、もちろん配った紙の下1桁はみんな同じ数なんだそうだ。このバスからは進んで幸運をGETしたい人はいなかったようで、お兄さん達は何事もなかったように抽選券を回収して出て行った。彼らはこうして休憩中のバスを渡り歩いて行く。ペイするんだろうか。

SAを出たバスは、いよいよ峠を越えて西に向かう。さすがに朝鮮半島を南北にのびる小白山脈はトンネルを開けないと突破できない。そのためか、沿線に軍事基地が目立つようになったように感じる。しかし、その他の光景はもうまんま日本だ。

道路が右側通行で
看板がハングルで
時々軍事基地が見える。

これしか違いがない。これだけ違えば十分だという向きもあるだろうけど、なんてったって外国なのだ。これしか違わない、という方が適切だと思う。植生がほとんど同じというのは目にやさしすぎて困る。

大田====ThisIsTheErrorMessege====を過ぎたあたりで高速湖南線と合流。全州====ThisIsTheErrorMessege====光州====ThisIsTheErrorMessege====方面からの車が合流する。このままソウルになだれ込んでいくのだ。
最初のSAから2時間過ぎたあたりで2度目の休憩をとる。少々小腹もすいたので何か買いたいけど、今回も運転技士様は「シブン」と言ったし、あまり手間がかかりそうなのを頼むのもなんだし、というわけで英語で“WallnutsCookies”と書いてあった売店に行って1袋購入。W500だったかな。バスに戻って袋を開け食べてみると、なんのことはない「くるみまんじゅう」ではないか。中にはこしあん。くるみの形をしているだけのもあるし、くるみのかけらが入っているのもある。なんだかなあ。

さて、ソウルが近づくにつれて心配事が出てきた。集合時間だ。
今回は現地集合という大胆プラン。我が友・Sun'sSon氏とは市庁前のホテルに17時半集合となっている。このまま走ると江南の高速バスターミナル====ThisIsTheErrorMessege====に16時半くらいにはつけそう。しかし、それもソウル名物『大渋滞』がなければの話だ。もっとも、高速自体に渋滞はなく、東京料金所のようなゲートを抜けて、いよいよ高速を降りてソウル市内へ……ここで始まった、市内の道路は大渋滞。最外の車線はバス専用レーンなのだが知ったコトかとばかりに一般車の割り込みも結構多い。ところが、少し進むとそれらの車は全部内側車線に逃げて行く。見れば、警官が8mmビデオで撮影していた。この国では8mmビデオの映像でも証拠になるらしい。
結局15分遅れで高速ターミナルに到着。荷物をゴロゴロと引きずっていると、ターミナルの中には警官が6名ずらっと並んでお出迎え。さすがに市内は警備が厳しいなあと思っていると、そのうちの1人が近づいて来た。おいおいまたかよ。ここもパスポート提示とイルボンの一言で敬礼つきで見送ってもらえたが、バスの中で写真を撮ったのがチクられたか?とにかく集合時間まで40分。タクシーより地下鉄乗り継ぎの方が早いっ!と確信してバタバタと地下鉄を乗り継いでホテルに着いたのは集合時間の1分後。ところが、相方のSun'sSon氏がまだ来ていないではないか!部屋のホテルで30分ものの日本製アニメを観て、それでもまだ来ないので本屋に行こうとホテルを出たところでSun'sSon氏がやってきた。やれやれ。

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