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【HONGKONG-02】 2003/03/16 青山湾の宿題
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翌日。6時半にレストランに行きバイキングの朝食。せっかくなので中華粥にしよう。鶏粥があった。器に落花生と刻み葱を入れ粥を注ぐ。正直言うとちょっと柔らかめで、北京で食べた蓮子粥の方がうまかった。刻み葱の香りを感じた時、なぜかすごく懐かしい気持ちがしたのだが、やがてそれが「あ、讃岐うどん食べたいな」という思いからだとわかって笑ってしまった。7時にホテルを出て、地下鉄で北へ。目標があるのだ。

茘景で乗り換えて東涌に向かう。大嶼島====ThisIsTheErrorMessege====はいままでバスでしか通ったことがなかったのだけど、やっぱ電車は速い。電車から北側の海岸線の景色を眺めていると、少しだけだが瀬戸内海を眺めているような気分になる。終点・東涌にもショッピングセンターが出来ていた。本当にどこにでも商場を造ってしまう街である。
ここから対岸の屯門・青山湾への船が1日3本ある。『恐ろしい本』====ThisIsTheErrorMessege====に出てくる青い色の古い街渡====ThisIsTheErrorMessege====だ。出港は8時。あまり時間がないのでぜえぜえ言いながら桟橋まで行く。5分前に着いたものの、しかしそこは屯門碼頭====ThisIsTheErrorMessege====行の高速船乗り場で、青山湾の文字もボロい船もない。係員に「往青山湾?」と書いた紙を見せると、屯門からタクシーを使え、15~20元くらいかかるだろうとのこと。ご親切にどーも。もしかしたら日曜は運休なのかも知れない。高速船の出港は8時10分。しかたないこれで行くかと船内でゆっくりしていると、やがてその前をゆっくり横切るボロくて青い船。あれ?あれだよあれ!動いてんじゃん!あわてて地方指南を広げると、ぼくのいる桟橋の反対側に小さな桟橋があるのがわかる。東涌小炮台と書いてあるあたり。青山湾行の街渡はこっちから出るのだ。空港が出来る前は東涌の集落は地下鉄駅より奥にあり、街渡はその頃からゆるゆると動いていたのだろう。やれやれ、空振りだ。後を追うようにぼくの乗る高速船も出港。あっという間に街渡を追い抜いてしまった。屯門まで一直線である。
屯門碼頭。桟橋を出てすぐ目の前がターミナル。なのだが。ぼくは周囲の目も気にせず日本語でつぶやいていた。

「なんだこれは。」

高層ビルの1階に路面電車の線路がうじゃうじゃと敷かれていて、センスのよいデザインの電車がうじゃうじゃと発車していく。洗練と混沌の共存。これはまさにおもちゃの世界だ。とりあえずやって来た電車に乗ると、屯門の高層マンション群の西端を大きくまわるルートの電車だった。ニュータウンの設計に最初からトラムを組み込むという発想。自家用車の保有率がそれほど高くない街だから、ニュータウン開発にあたってバスをうじゃうじゃ走らせるのは環境面からもふさわしくないと考えられたのだろうか。乗っている最中に携帯電話が鳴った。萌え萌えゲロ袋から。
「いま、どちら」
「屯門の路面」
「ひどいでしょ」
ひどいというかすごいというか、とにかく日本の規格にはない景色であることは間違いない。良景にはKCRの事務所があったので折りたたみ傘を買う。このトラムをKCR====ThisIsTheErrorMessege====が運営しているというのもすごいものだ。屯門の市中心に向かう。西鉄====ThisIsTheErrorMessege====はだいぶ出来上がっていた。これが開通したら九巴は大打撃だろうなあ。

市中心からは的士====ThisIsTheErrorMessege====に乗った。香港で的士に乗るのは初めてかもしれない。地方指南を開いて青碧街を示す。たどりついたところは古くからの超高級住宅街といった感じだった。深い木々に埋もれた細い路地の両側には高い壁があってその上にさらに有刺鉄線が巻いてある。塀の向こうは邸宅の庭、落ち葉を掃き集める音だけが聞こえる。きっとメイドさんが何人も雇われている富豪の家なのだろう。そんな、香港の雑踏とは対極の道を歩いた先に桟橋があった。ここだここ。見覚えがある。例の『恐ろしい本』に載っていた写真。ぼくが今朝乗り損ねた東涌=青山湾の街渡はここから。11時に東涌行が出るはずである。
しかし、桟橋の先端に停泊しているのは普通の高速艇。はい?船にも時刻表が貼ってあり、11時の船はこの高速艇に間違いない。あの青くて古い渡船はどこへ行った?と沖の方を見ると、それっぽい船が浮かんでいるのが見えた。あのボロい船を使うのは朝1便だけなのかもしれない。高速艇で東涌に戻ってもしょうがないので、出港まで待たずに青碧街を離れた。課題が残ってしまった。バスで九龍の市街地へ戻る。

美孚から地下鉄で尖沙咀。職場の娘たちから「うまいチョコを買ってこい」との指令が出ていたが、半島酒店====ThisIsTheErrorMessege====のチョコは冗談のように高い====ThisIsTheErrorMessege====ので、とりあえずとDFSギャラリエに行ってはみたのだが、店内のディスプレイも店員の言葉も全部日本語で、なぜかめちゃくちゃ腹が立ってきたので早々と撤収。結局、海洋中心====ThisIsTheErrorMessege====にあったベルギーチョコを土産にした。帰国して振る舞ったところ大好評であった。ベルギーチョコはうまい、というのは女の子の間では定説らしい。
そろそろ競技場に向かわないと。昨日、空港からのバスから見えた青衣の競技場へ。ところがここでトラブル発生、昨日買ったJANSPORTのバッタ鞄のファスナーが修復不能なまでに破損してしまい、物品の運搬という鞄の最低限機能すら満たさなくなった。さすが38元、怒る気にもならないが、24時間保たないとはねえ。先程買ったチョコレートの手提げ袋に鞄の中身をすべて移し、鞄の残骸は地下鉄駅のゴミ箱へ。茘景での乗り換えがスムーズに運んだこともあって、なんとかOnTimeで競技場にたどり着けた。昼飯の調達は出来なかったが、致し方ない。

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