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travelnotes : overseas
【EUROPE-01】 28/04/2003 交渉開始
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全日空のカウンターが開くまでまだ1時間以上もある。FrankfurtFH駅はS-Bahn駅と長距離列車駅がわかれている。長距離列車駅に行ってみた。ICEがバンバン通って活気がある。1時間待てばAmsterdam行国際列車も来るようだけど、早いトコ荷物から解放されたいし、そしてもう一つ全日空との重要な交渉があるので残念ながら見送りだ。
ようやくカウンターが開いた。当然、ぼくが最初の客となる。そこでドイツ人の窓口嬢と交渉を試みるが、ぼくの英語力では言いたいことがうまく伝わらない。するとそこに全日空のプレートを胸につけた日本人の男性が現れた。まったく別の用事でカウンターに来たようなので、要件が終わるまで待って交渉内容を伝える。彼は旅客担当の人間ではないので、旅客担当者を呼んできますとのこと。
しばらくすると女性の職員がやって来た。交渉開始。かくかくしかじかで予定のかなり後にしか帰国できなくなった事情を説明し、そして本題。

「行先を伊丹から名古屋に変えてください。」

29日朝に帰れるということだからKansai着なのだ。それが18時過ぎになるというのなら事情はまったく異なる。ぼくは30日朝から名古屋で仕事があるのだ。伊丹に18時過ぎなんて、ヘタすると帰宅は22時近くになってしまう。冗談ではない。
指定された成田→伊丹のほぼ同じ時間に成田→名古屋が飛んでいることはわかっている。おまけにSARSだなんだで需要が極端に落ちていることもわかっている。満席のはずがないのだ。

彼女の返事は簡単なものだった。
「それは出来かねます。お客様の航空券は大阪=欧州の割引運賃ですので」

かちっ。ぶちっ。

自分の中で、聞こえるくらいの音がした。全日空なめとるんかゴルァ。さらに交渉を続ける。その際に「お願いですから」とか「そこをなんとか」とかいう表現は一切使わないことにした。なにせFlightCancelをしたのはそっちなのだから、ぼくが下手に出る理由は、まったくない。
彼女は全日空職員としての責任範囲で最大限の努力してくれることになった。つまり、全日空の規則によれば今回のような理由でも帰着地の変更は一切出来ない。ぼくのアプローチは無効。しかしFlightCancelをしたのはLHであり、そのために顧客に多大な迷惑がかかっているので、LHのSupervisorからのアプローチがあれば事情は変わってくる。成田→名古屋の空席は確保したので、これからLHの旅客担当に交渉に行ってくる。結論は30分もすれば出るだろう。
というわけで、ぼくは彼女に交渉の全権を委任し、ようやく荷物を預けて身軽になった。あと3時間程度しかないけど、とりあえずFrankfurtの街まで出てみよう。

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