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travelnotes : overseas
【EUROPE-01】 26/04/2003 第2試合:Oldham v Swindon
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さて、試合の方はSwindonの出来がどうもよくないようで、地元Oldhamがゲームを支配。もちろんテレビで見慣れたPremiershipとは迫力も違うが、細かくつなぐのではなく早いロングパスとクロス戦法のイングランドスタイルは十分に堪能できた。
これは予想通りで嬉しかったのだけど、予想通りでなかったのがOldhamのサポ。歌い出すのはゴール裏の一部集団だけであとは試合に集中しているという感じで、スタジアム全体で謳い出すようなあの雰囲気は味わえなかった。もちろん、シュートがはずれたりGKに止められたりするとほぼ全員が「Wooooooooo!」と大きくため息をついた後で撃った選手を拍手で支えるのは、予想通り。
もう一つ予想通りだったことがある。天気だ。試合が進むと同じくして南西の方から低い雲がどんどんやって来て、雲行きが怪しくなってくる。これよこれだよ、これがぼくの想っていたManchesterの天気なんだ。

しかしイングランドの主審はいいね。テレビを視ていて思ってもいたのだけど、カードの出し方が実にエレガント。選手をキチンと前に呼び寄せ、これこれしかじかだからとちゃんと説明してからカードを出す。日本みたいに、審判の呼びつけにも反応せずに戻っていくDFの背中にカードを出すようなことはない。誇りというか威厳というかを大いに感じた。

あと、いい味を出していたのはチームマスコット。試合中にもかかわらずライン際で動き回って観客を煽る。Swindonのクロスがコントロールミスで直接ゴールラインを割ったりするとひっくり返って腹を抱えて笑ったりして、日本の万人受け志向のマスコットには出来ない芸当だろうなあ。
ゲームを支配したのは地元Oldhamだし、得点経過も同じだった。左からのクロスをゴール前のドサクサにまぎれて押し込んでOldham先制。「Yeaaaaaaaaahhhhhhh!」立ち上がり叫ぶ観客。ショートコーナーから入れられた低いクロスにニアで走り込んで合わせて2点目。これで試合はほぼ決まりだ。今日のSwindonの出来では同点にすることすら不可能だろう。そのまま2-0で前半終了。
Birkenheadのたろう君から電話が入る。向こうも地元Tranmereがリードだそうだが、上位のQPRとOldhamが勝てばTranmereのプレーオフ進出はなくなる。
カメラなど貴重品の入った鞄を持ち、衣類の入った鞄を席に置いて売店へ行きミネラルウォーターを買う。先程お世話になったSteward氏が話しかけてくるのだけど、英語が速くてわからない。おじさんの根気ある説明で、ようやく「リュックサックはどうした」と言っているのがわかった。この程度の英語が聞き取れないなんて、恥ずかしい。「OverThere」と座っていたあたりを指差す。「盗まれるといけないから早く戻れよ」みたいなことを言っておじさんは離れていった。親切なStewardさん、ありがとう。

後半もOldhamペース。プレーオフポジションはまず間違いなく、かけつけたサポも余裕だ。そして後半の半ばから雨が降り出した。それも結構強い雨。スタンドには屋根があるものの、ぼくの席は端っこだったので容赦なく雨が入ってくる。ぼくの2つ前の席にはおじいさんが座っていたけど、もっと悲惨な状態。すると、ぼくの右側の「パッと見フーリガン」の連中が「じいさん中に入れよ」と奥の方の空いている席に誘ってあげた。それでも、日本では彼らのことをフーリガンと報道するのかもしれない。

試合は4-0になってロスタイムに。雨も小降りになり、ゴール裏の連中が席を離れてピッチと通路を隔てる低い柵の前に集まってきた。そして、試合終了と同時にピッチになだれ込んだ。ホーム最終戦お約束の光景なのかな。快勝そして昇格プレーオフ出場決定。まだ夢を見続けることが出来るのだ。場内放送はなかばヒステリックな声で「席に戻ってください!」とがなっていたが、件のStewardさんは「お前らそろそろ戻れよー」みたいな感じでのどかなものだ。このあと、シーズンを好成績で終えたことについて観客に感謝の挨拶をしたりなどのイベントがあるのだろうけど、ぼくは見ないで帰ることにした。件のStewardさんに帰ることを伝える。バイバイ、ありがとう。もし再び彼と会えることがあったら奇跡だろうなあ。

雨がパラパラと降り続く中、OldhamWerneth駅まで歩いて戻った。列車はすぐにやって来た。到着した時には気づかなかったのだけど、どうやらOldhamの線路もMetrolinkになるらしい。

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