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【EUROPE-01】 prologue 地域リーグ決勝大会
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ドイツリーグの歴代優勝チームに『RapidWien』がいるってのは有名な話だ。1940-41シーズン、ドイツがオーストリアを併合していた時代の話。ご存じの方も多いとは思うが、この頃にはBundesligaは始まっていない。ドイツチャンピオンは、各地域リーグの優勝チームを集めたチャンピオンシップで争われていた。まあ、言うなれば地域リーグ決勝大会なのだけど、とにかくその規模がハンパじゃない。全部で20地域のチャンプが集まって予備予選リーグ→予選リーグを経て4チームに絞り込み、あとはノックアウト方式である。RapidWienは、決勝で当時強豪として知られていたSchalke04====ThisIsTheErrorMessege====を4-3で下し王者に就いている。オーストリアリーグは1911-12シーズンから始まっているが、このドイツ併合時期においては取り扱いはあくまでドイツ国内の地域リーグの一つだったのだ。
かくしてオーストリアのチャンプがドイツのチャンプになったわけだが、件のFirstViennaはその翌年から王者Rapidを倒してリーグ3連覇を果たしている。3連覇の最初のシーズンではRapidと同じくドイツチャンピオンシップの決勝までたどり着いている。相手は前年準優勝のSchalke04。「2年続けてオーストリアの片田舎クラブに負けてられっか」と気合が入ったわけでもないだろうけどFirstViennaは2-0で敗れ準優勝。翌年は準決勝でSaabrüchenに敗れ、その翌年は準々決勝でDresdnerSCに敗れ。その翌年はリーグ戦が開催されず、そしてオーストリアのドイツ併合状態は終わった。
と同じくしてFirstViennaの黄金時代も終わったようだ。FirstViennaは54-55シーズンに優勝したのを最後にチャンプの座から遠ざかる。そしてその後はリーグ中位に定着するようになり、やがて1部と2部のエレベーターチームになり、ついに2000-01シーズンでは2部=地域リーグのプレーオフを1分1敗で落として東部地域リーグまで落ちた。現在は東部地域リーグ16チームの中で昇格も残留も無関係なシーズンを過ごしている。
そんな歴史と伝統を誇る地域リーグクラブの試合が観れるとは!このチャンスを逃す手はない。


よし、あとは宿の手配だ。翌日のWienの出発が早いので宿は高くても空港直付のホテルがいい。ネットでいろいろ調べたところ、NHホテルというのがあったのでオンライン予約。早かったせいか、99ユーロというなかなか上出来の値段で手配が出来た。Manchesterの宿は知人が空港のHiltonを押さえているので相部屋ということで解決。日曜はKölnだ。ケルン中央駅構内という鉄の血が流れる者にはたまらないシチュエーションのホテルをこれまたネットでGETした。便利な世の中になったものである。


というわけで、外堀はすべて埋まった。鋳造は金曜の夜にWienでオーストリア地域リーグを観戦し、土曜の午後にManchesterでPremiershipを観戦し、日曜の午後にKölnで2ndBundesligaを観る。完璧な計画だ。この完璧に埋めた外堀が、一月後に掘り起こされてしまうことになろうとは。

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