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tour:能登半島攻略ツアー(前)
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学生時代の仲間が金沢に集まることになった。梅雨明け10日の3連休、バイクで走り回るにはもってこいだ。実はまだ一度も足を踏み入れたことのない能登半島を攻略することにした。目標はのと鉄道の終点・蛸島駅。

金曜日。ヘンな夢で起こされたのは5時頃だ。ネットとBSデジタルで週間天気予報の内容がだいぶ異なるのだが、なぜだろう。6時前に出発。いつものように長良川に沿って北上する。今回は加越能鉄道などもひやかして行きたいので、白鳥から油坂峠を越えるルートはやめてそのまま156号を北上することにする。坂を一気に上りきると蛭ヶ野高原の分水嶺。高原地帯を走り抜けると牧戸。JRバスの駅がある。待合室は開いていたけれど従業員の姿はなし。おみやげなども陳列されていたけど誰でも持っていけてしまうではないか。そのまま北上、御母衣ダムでちょっと休憩。さらに進めば世界遺産の白川郷だ。朝の9時過ぎなのに、すでに結構な観光客が訪れていた。すぐ近くでは東海北陸道の工事中だ。白川インターまで開通したら、ここはどうなるのだろう。観光客がいなくなったところを見繕って何枚か写真を撮って出発。

とりあえずの目的地は高岡の加越能鉄道。米島口の車庫のそばに8番ラーメンがある。高岡に来るたびにここで食べているような気がするな。腹が減ったので11時の開店と同時に店に入ってラーメンを頼む。待つ間にツーリングマップルを眺めていると、急に「そうだ、筒石行こう」と思いついてしまった。17時に金沢集合という状況を考えると時間的に厳しいのだが、思いついてしまったものは仕方がない。ラーメンを食べ終わると、加越能鉄道の冷やかしは適当なところで切り上げて、富山新港をフェリーで渡り、海沿いに一気に東に走る。筒石は糸魚川より東、高速を利用しないと集合時間に間に合わないのは間違いないが、どうしても寄っていきたいところがあった。黒部市生地の湧水群だ。鋳造はおいしい湧き水に弱いんですよ。というわけで一般道を走っていると魚津市街に出た。魚津!ここにも寄りたいところがあったのを思い出した。市街地にある富山地方鉄道の電鉄魚津駅。日本一ボロい高架駅だと断言していいのではないだろうか。ステーションデパートは閉鎖されていて、駅だけが機能している。ここで電車を3本見送って、さて出発。魚津の北はもう黒部だ。生地の湧水群は案内看板があるのですぐにわかった。しかし、本当に集落中に湧き水がある。4ヶ所でハシゴ試飲したけど、微妙に味が違うのが嬉しい。生地といえば必ず出てくる共同洗い場で顔を洗った。

生き返ったところで、ここからは高速利用。親不知は一気にかっ飛んでしまう。途中に見える海水浴場は芋を洗うようだ。能生ICで降りて、あとは国道を走ると筒石の集落に出た。しかしJR駅に行く道がわからない。案内板もない。結局、地元の高校生に道を尋ねることとなった。集落のはずれにひっそりと筒石駅の案内板があった。坂を駆け上がること数分、鉄道の気配もない山中に筒石駅はあった。ここは数少ない「トンネルの中の駅」。駅員さんと話をする。まもなく特急列車が通過するという。入場券を買ってホームへのトンネルを降りた。階段を数分降りて、富山方面のホームに着く。遥か彼方に、頚城トンネルに突入した特急列車のヘッドライトが見える。しかし、それはなかなか近づいてこない。トンネルが長いからだ。かすかに風が動いている。そして、低周波の音が聞こえてくる。正直言ってかなりコワい。ヘッドライトが見えてから1分は経っただろうか、ようやくホームに列車接近の警報音が鳴り、特急列車はぼくの目の前を通過していった。通過した列車を追うように風が流れていく。
トンネルの中の階段を上って地上に出ると暑かった。能生ICから高速道を一気に金沢東へ走る。途中、あまりの空腹にSAに寄りたくなったが、集合時間に遅れそうなので仕方がない。結局、約束の金沢駅西口に着いたのは10分前。駅のコンビニでおにぎりを1つ買うのが精一杯だった。この日は大学の後輩氏のアパートに泊めてもらう。彼の住処までバイクを走らせ、タクシーを拾って街に出た。金沢大鉄研の連中が根城にしていたという店で呑んだのだが、とても学生がアジトに出来るような安い店ではなかった。金沢大の学生は東北大と比べて金持ちなのだろうか。いい加減酔った所で早朝起きの影響が出始め、後輩氏のアパートに戻るとサクサク寝てしまう。

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