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tour:北山村
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そろそろどこかに出かけたいなあ、と虫が騒ぎ出した2月11日。恐ろしいことに目が覚めたら3時ではないか。これは「どこかに出かけろ」との神の知らせか?と発作して動き出してしまった。先日降った大雪が怖いので目標は南。北山村を経由して潮岬まで行ければよし、というところか。

名阪国道を通って名張方面に向かったのだが、さすがに2月の夜明け前だけあって寒いのなんの。上野で名阪国道を離れて、室生口の道の駅で休憩する。ここで奈良県山間部ユキ凍結注意の電光掲示を発見。おいおい、もしかしてこれはお帰りか?とりあえず行けるトコまで、とさらに西進する。6時半頃にはもう榛原駅にいた。あまりの寒さに、ここのコンビニで足用カイロを購入。これでだいぶラクになった。ここからはひたすら南へ。370号を吉野まで、そこからは169号をホントにひたすら南下。交通量も少なく、深い谷を進む。「道の駅杉の湯川上」には伯母峰トンネル付近凍結注意という貼り紙があったのだが、さらに南進。時間があれば大台ヶ原にも行ってみようなんて甘いことを考えていたのだが冗談ではない。入口の道は除雪の可能性すらないかのごとき雪が積み重なっていた。問題の伯母峰トンネルを抜ける。ところが凍結なんて雰囲気は全然なくて、なあーんだやっぱ貼り紙を剥がしてないだけじゃんと余裕で走っていて、河合峠のあたりの下り坂で鮮やかアイスバーンに遭遇した。わあああっ!と叫びつつ、ぼくもバイクもそのまま20mくらいサアーッと滑っていった。あーあ。しかし、あまりにアイスバーンが鮮やかだったおかげでバイクに破損なし。もちろん傷はついたが、とにかく

  1. 後続車がなかった
  2. 対向車がなかった
  3. 滑った先が崖じゃなかった

の3つのラッキーが重なって、その後も無事に走行可能だった。やれやれ。しかしだいぶ気分的にへこんでいたので、上北山温泉で喫茶店が開いていたのはなによりありがたかった。残念ながら時間前で温泉には入れなかったが、この店でこの先に積雪はないこともわかったし、1時間くらいゆっくりできた。もうひたすら南に行くしかない。一度熊野市に入り、七色ダムを渡ったらいよいよ和歌山県の飛地・北山村だ。

役場に着いたのがちょうど10時。その先のおくとろ温泉がまもなく営業開始と知り、そこの露天風呂でゆっくりカラダを休めていると、潮岬まで行く根性なんかきれいさっぱり消えてしまった。せめて熊野本宮には行こう、と西に向かって走るが、いやあなんなんでしょねこの国道は。林道を無理矢理格上げさせて建設省に面倒をみさせようという地方自治体の陰謀としか思えない。田戸トンネルを越えてそのまま走っていったら、道はどんどん険しくなり、ついには凍結どころか積雪状態になってしまった。こりゃああかんもう撤退だとなんとか方向を戻そうとするが、雪が積もる上り坂でバイクの方向変えるのってタイヘンなのね。

そしてもと来た道を引き返し、先程は気づかなかった玉置川のバス停で地図を広げて、初めて自分が道を間違えていたことがわかったのだった。田戸トンネルから先の道は林道を無理矢理させた国道ではなく本当に林道だったのだ。なんだかなあ。昔風の交通標識をみつけたことだけが救いか。

これで本格的に先に進む気力をなくし、熊野本宮も見捨ててこのまま帰ることを選択。なんとか三重県に抜けられる国道まで走り、そこからはひたすら海へ。風伝峠は旧道を越えて、熊野市の国道42号に出たらあとはもう海沿いに北へ走る。尾鷲市街で2時頃にようやくの昼飯にしたのだが、このラーメンがまずいんだこれがまた。どうやら私はラーメン屋ツモは弱い星の下に産まれているらしい。もはや完全にへこんだ私は早く家に帰りたいの一心でバイクを走らせる。紀伊長島から荷坂峠を上がるところでチンタラ走るクルマにイライラしていたらレーダーがあった。あぶないあぶない。あせりは禁物。勢和多気ICから伊勢道、そのまま東名阪を桑名東、あとはいつものように長良川沿いを北上して帰ってきた。


私は紀伊半島を完全にナメていました。おそるべし紀伊半島。で、のちにゲロ袋オハユニ氏に尋ねたところ、紀伊半島山間部ってのは攻撃型アウトドアエンスーにとって魔窟なんだそうで、その奥の深さは有名なんだとか。申し訳ない、私が間違っていました。次は素直に熊野本宮と潮岬を目指します。北山村に行く時は準備と覚悟を怠りないようにします。

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